ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

119回目のウソ

 :事実でないこと。また、人をだますために言う、事実とは違う言葉。偽り。
 虚偽:真実ではないのに、真実のように見せかけること。うそ。いつわり。
 欺瞞:あざむくこと。だますこと。<以上、大辞泉

 昨日の不起訴を受けて、アベ前首相は記者会見なるものを開いたが、「深く深く反省し」や「道義的責任を痛感する」といった言葉とは裏腹に、国民に向けて真相を明らかにして責任をとる姿勢などは、予想通り、何も感じとれなかった。「病気」を理由に首相を辞めても10月にはどこ吹く風だったように、このままなら、また、1カ月もすると「何のことだっけ?」といった「元の姿」に戻ること、必至だろう。 

 衆院調査局は12月21日に「桜を見る会」前夜祭をめぐり、アベが2019年11月から20年3月までの国会で計118回の虚偽答弁をしていたことを明らかにしている。内訳は、「事務所は関与していない」という趣旨の答弁が70回、「明細書は無い」という趣旨の答弁は20回、「差額は補塡していない」という趣旨の発言は28回。

 他方、森友問題では2017から2018年の国会答弁のうち、事実と異なる答弁が139回あったことがわかっている。これは立憲民主党川内博史議員衆院調査局に調査を依頼して明らかになった。

 以下、『月刊日本』2020年1月号に掲載された川内氏のインタヴューの概略を、12月23日付ハーバー・ビジネス・オンラインから孫引きで付す。
(12月8日インタビュー、聞き手:杉原悠人氏)

虚偽答弁139回の衝撃。議会と公文書と民主主義を徹底して愚弄し続けた安倍政権<立憲民主党・川内 博史氏> | ハーバー・ビジネス・オンライン


 安倍政権は国会で嘘をつきまくった。嘘が嘘を呼び、隠蔽が隠蔽を呼んだ結果、財務省は組織としてのタガが外れてしまったのだと思う。何より、その過程で財務省は一人の人間を自死に追い詰めた。
 確かに、証人喚問以外では、国会で嘘をついても法的責任は問われない。しかし、政治的責任や道義的責任は免れようがない。閣僚や政府高官が国会でこれだけ嘘をつくのは、民主主義や統治機構を破壊する行為で、これでは国家が成り立たない。
 こんなことは二度と起こしてはならない。そのためには、問題の全容を解明して組織として責任をとることが絶対に必要だ。虚偽公文書作成を命じた責任者はもちろん、最終的には麻生財務大臣が責任をとらなければならない。

 安倍氏は森友問題で「私と妻が関わっていたら総理大臣も国会議員もやめる」と答弁したが、実際には昭恵夫人森友学園の国有地払い下げに関わっていた。しかし、安倍氏が「関わっていない」と答弁したら、関係各所が公文書を改ざんして関わっていないことにしてくれた。
 ここから、安倍氏は自分の答弁が自動的に事実になる、という〝成功体験〟を得たように見える。安倍氏は真実には興味がなく、自分が言ったことが事実になると思い込んでいたのではないか。だからこそ、桜を見る会の問題でもあれだけ強気に「後援会としての収支はない」「費用を補填した事実はない」「ホテル側から明細書等の発行はない」と言い切ることができたのだろう。
 しかし、これらの答弁は結果的に虚偽だった。また、国会答弁は国会議事録に保存されて歴史に残る。
 安倍氏には改めて国民の前で真実を述べ、自身が過去に行った虚偽答弁について責任をとる必要がある。そのために、証人喚問は必須だと思う。
 菅総理官房長官として安倍氏と同様の答弁を行っていた。「安倍氏に確認して答えた」「首相と平仄を合わせた」「もし事実が違った場合には私にも責任があるから対応する」と明言しているのだから、安倍氏に何を確認したのか、どう平仄を合わせたのか、事実関係を確認した上で、真実を述べる責任がある。

 
 安倍氏は国会でよく野次を飛ばしていたが、中でも「選挙に勝ってんだからいいだろ」とよく発言していた。安倍氏は選挙に勝てば何をやってもいいと思っている。しかし、これは独裁者の考え方だ。選挙に勝ったからといって、知人に国有地を安く払い下げたり、公文書を改ざんしたり、虚偽の答弁をしたりしたら、民主主義や立憲主義が壊れてしまう。国民の政治不信を深め、民主主義や立憲主義を破壊してきた、その責任は重いと言わざるをえない。

 しかし、民主主義を破壊しようとする者は民主主義によって逆襲される。森友問題・加計問題や桜を見る会の問題では市民の告発、検察の捜査、省庁の抵抗などから、様々な事実が明らかにされてきた。その結果、現在では安倍前総理や菅総理は虚偽答弁をしたことが発覚して、その責任を問われている。こういう独裁的な政権に対して、心ある市民やジャーナリスト、官僚、政治家が民主主義を守ろうと立ち上がった。その結果、日本の民主主義は鍛えられ、さらに前進することになると確信している




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