ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

916万円はどこから?

 桜を見る会の「夕食会」——朝日新聞の記事を見ていて気が付いたのだが、これは「夕食会」ではなく「前夜祭」と書くべきではないのか。ホテルの会場入口にはそう表示されていたし、そもそも当のアベ側が使っていた呼称なのだ。あえて「夕食会」という名称に取り換える理由がわからない。
 ちなみに、ざっと調べた限りでは、読売、毎日、東京新聞日本テレビ、TBS、テレビ朝日、フジテレビ、時事通信は「前夜祭」、NHKは「懇親会」、産経新聞は「夕食会」だった(何と、小生の地元の「千葉日報」は「夕食会」だった!)。何やら意外な「リトマス試験紙」を見るような思いだ。東京新聞は「夕食会」の呼称でした。まちがえました。<12/1夜>

 それはさておき、この前夜祭の費用をアベの後援会が補填していたことに関して、2015年以降の5回分の合計916万円の「政治資金収支報告書不記載」とともに、金の出所についても疑念がもたれている。これがもし何らかの「裏金」や「官房機密費」だったら大問題である。検察にはしっかりと解明していただき、よもや朝日新聞、NHKほかのような姑息な忖度をされることがないよう、くれぐれもお願いしたい。

 以下、11月30日付朝日新聞デジタルの記事より。

「桜」補填、安倍氏の認識は 916万円どこから、捜査の焦点:朝日新聞デジタル

 安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」前日に開いた夕食会の費用を、安倍氏側が補填(ほてん)していたことが明らかになった。安倍氏が1年前から「ない」と断言し続けた費用はどこから生まれ、安倍氏はいつどのような事実確認をしていたのか。地元の支援者からも説明を求める声が上がる。
 「政治資金収支報告書に記載するべきだった」。安倍氏の公設第1秘書らは、東京地検特捜部の任意の調べにそう説明し、違法性の認識を認めたとされる。
 2013年から計7回開かれた夕食会のうち、時効にかからない15年以降の5回で安倍氏側が負担したのは計約916万円だったとされる。開催費用総額の約4割を占めるこの金額を、誰がどこから支払っていたのかが捜査の焦点だ。
 夕食会の主催は、公設第1秘書が代表を務める「安倍晋三後援会」だった。一方、計約916万円の支払いを受けたホテル側が発行した領収書の宛名は、後援会とは別の政治団体安倍氏が代表の「晋和会」だ。検察幹部は「領収書に名前があっても、お金の出どころは違うということもある」と指摘する。特捜部は、どの政治団体の収支報告書に記載するべきだったかの特定を進めている。
 その特定には、計約916万円がどこから捻出されたのかという原資の解明も必要になりそうだ。過去の収支報告書は各年ごとに公表されているが、夕食会にかかわる収支はどこにも記載がない。新たな支出を加えるには、その分の原資が必要になる。実際にあった収入が隠されていたり、別の支出として処理されたりしていれば新たな問題になる可能性もある。

<中略>

 与党内では、安倍氏が事実と異なる説明を表だって繰り返した以上、政治家としての道義的な責任が問われるとの声が広がる。連立を組む公明党山口那津男代表は「説明責任を尽くす基本的な立場は安倍前首相の側にある」と指摘。自民党の閣僚経験者は「国会で1年間、首相がウソをつき続けた」と述べ、政治への信頼を損ねたと批判する。

■答弁信用していた/本人が説明し責任を 地元の支持者ら
 「色々とお騒がせしております」
 今月26日、安倍氏の地元・山口県下関市で開かれた「全国鯨フォーラム」。来賓として出席した安倍氏の公設第1秘書は、対面した来場者にそう言って頭を下げた。報道陣の取材には無言を通し、足早に会場を後にした。
 2017年の夕食会に参加した70代女性は5千円の会費を支払ったが、「出席したからといって、特別いい思いをしたわけではない。あの程度の料理でそんなに補填する必要があるのか腑(ふ)に落ちない」と話す。過去2度参加した古参の支援者は「費用には場所代が多く含まれていると思った。なぜルール通り会計処理しなかったのか」と事務所の対応をいぶかる。
 地元でも、当初の説明からの食い違いに説明を求める声が相次いでいる。夕食会に参加した複数の地方議員は安倍氏や事務所に「きちんと説明してもらいたい」と注文。別の議員は「5千円が高いと思っていたぐらいだったので、安倍さんの『補填はない』という答弁も信用していた」と話す。事務所による補填については「『あれは秘書がやったこと』で済む話なのか」と疑問を投げかける。
 安倍事務所へ昨年12月、公開質問状を出した「『桜を見る会』問題の真実を求める下関・長門市民の会」共同代表の豊嶋耕治さん(65)は安倍氏の国会答弁の矛盾に憤りを隠せない。「この1年間の国会は何だったのか。安倍さん本人が説明し、虚偽答弁を続けた責任を負うべきだ」



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