ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

「諸悪の根源」

 井戸・兵庫県知事が7月9日の県の新型コロナウイルス対策本部会議の冒頭あいさつで、東京都を「諸悪の根源」と呼んだ。さすがに口を滑らせたと思ったか、「『諸悪』は取り消す。感染源は東京が多い」と直後に訂正、会議後には「東京に抑え込んでいただかないと、全国に波及してしまう」と釈明した。
 「諸悪の根源」が穏当かどうかはさておき、「地方」の人々の東京を見る目は、井戸知事の認識に近いものがあると思う。感染者数は東京を中心に(!)増加を続けているのに、プロ野球もサッカーも観客を入れることに躊躇せず、おまけにGo To トラベルまで前倒しして開始するというのだ。このキャンペーンに乗って東京からやってくる観光客を迎え入れる地方の人々の“恐怖感”はいかばかりか。 ネット上には「あまりに早すぎる」といった批判のほか、「来ないでくれマジで」「地方民を殺す気か……頼むからやめてくれ」などの悲鳴が相次いでいるという。以下、7月10日付「キャリコネニュース」より引用。

Go Toキャンペーン、22日開始にネットで反発相次ぐ 「都民来ないでくれマジで」と悲痛な声 | キャリコネニュース

 政府は「経済とコロナ対策の両立」を言うが、明らかに「コロナ対策」は後回しにされている。首相も、コロナ担当相も、官房長官も、あるいは都知事にいたるまで「医療提供体制は逼迫した状況にはない」と言っているが、東京都が現在確保しているベッド数は1,000床。7月9日時点で入院患者数は441人。これまで東京都の無症状者や軽症者を受け入れてきたホテルの契約がこの6,7月末でほぼ終了し、軽度の感染者の行き先が病院しかなくなってきているとしたら……。実際、東京都の担当者は「……病院もたしかに逼迫していると思うんですけども、ホテルのほうも逼迫しているというのがいまの状況です」と話している。都のモニタリング会議で坂本哲也氏(帝京大学医学部附属病院院長)が認めたように「だいぶ逼迫してきている状態」にあるのは間違いない。それを政府も都知事も認めず、さらに、“感染者の多くが重症化リスクの低い若者”だと強調する。しかし、若い世代から高齢者に感染が拡がれば医療体制は一気に逼迫する。(7月10日付リテラ「「医療逼迫していない」は嘘だった!「病院も軽症者用ホテルも逼迫」と都職員が証言 なのに安倍政権はGoToキャンペーン前倒し強行」より)
https://lite-ra.com/i/2020/07/post-5515-entry.html

 政権中枢とGo To(強盗)利権集団チームの悪辣さは、コロナ感染者の数が増加するにしたがって、いっそうむごくなっている。感染を抑えなければならないときに、わざわざ全国へ感染拡大を助長しようとするのである。強盗利権集団の利益のためには、少々の国民の犠牲はやむをえないとでもいうのか(「少々」でもないと思うが……)。イギリスのジョンソン首相のように自ら感染しないと“回心”できないのだろうか。
 井戸知事は発言を取り消したが、「諸悪の根源」が東京にいることは確かである。

(追伸)ここにも「」がいたので下に貼っておく。
五輪組織委では中止はNGワード 組織委職員が内部事情を告発 - ライブドアニュース



社会・経済ランキング
にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
にほんブログ村