ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

総理、黒川検事長の処分権者は誰ですか?

 6月11日参議院予算員会の続き。小西洋之議員の質問。小西議員の安倍首相への質問は、毎度のことながら安倍首相の無知ぶりをさらす戦法で、こういうのを毛嫌いする向きもあるが、普通の国なら答えられて当たり前のことをこの国の宰相・大臣ポストの人間は答えられなさ過ぎるのだから、どんどんやっていただかないと、知らない・答えないのが当たり前になってしまう。とはいえ、あまりに貧粗な現実を目の当たりして、これは書き起こすほどの価値があるのかと思いつつ、実際に起こしてみると、安倍首相にはまっとうに質問に答える意思のないことだけがわかる結果となった。全く的外れの官僚の作文を、呪文のように「先ほど申し上げましたように」と何度も何度も繰り返す。これは相手の質問時間を浪費させるのが目的なのだろうか(実際、質疑中に首相が腕時計を見るシーンにも出くわす)。これでは質問する側はどうしようもない。挙句に、「有効な審議のために質問は事前通告した方がよろしい」とは、何をかいわんや!である。 普通の会話だったら30秒もかからない問答を延々と続けておいて………。
 以下、お読みいただくのは心苦しいので、もうわかってるという方はここでおやめください。いつもご覧いただき、感謝します。

小西安倍総理に伺います。黒川検事長の処分権者は誰ですか?
安倍:黒川氏の処分については、法務省において必要な調査を行ったうえで、法務省及び検事総長において事案の内容、諸般の事情等を総合的に考慮して、訓告が相当であると判断し、適正に処分したものと承知をしているところでございます。……ちなみに訓告処分については、これは内閣において決定するものではなくて、検事総長検察庁として判断したものと承知をしております。
小西:黒川検事長の法律上の処分権者は誰ですか? 秘書官、カンニングはやめてください。
安倍:これは、あの、今申し上げましたように、懲戒処分を行うとしてもですね、……場合は、通常、当該の国務大臣が処分案の閣議整理?を行い、そしてですね、閣議において懲戒処分を決定するとしているところでございます。そのうえで、黒川氏の処分については法務省において必要な処分を行ったうえで、法務省及び検事総長において事案の内容、諸般の事情等を総合的に考慮して、訓告が相当であると判断し、適正に処分したものと承知をしているところでございます。
小西安倍総理、国家公務員ほ……のですね、懲戒処分は何という名前の法律に書かれていますか?
(ざわつき)
安倍:あの、いずれにいたしましてもですね、今申し上げましたように、懲戒処分を行うに際してもですね、これは先ほど申し上げました当該国務大臣がですね、処分案の閣議整理?を行い、閣議において懲戒処分を決定するとしているところであります。そのうえで、黒川氏の処分については法務省において必要な調査を行ったうえで法務省及び検事総長において事案の内容、諸般の事情等を総合的に考慮して、訓告が相当であると判断し、適正に処分したものと承知をしております。
小西:あのー、黒川検事長の処分の内容、手続きを定めた法律の名前を言ってください。
(だめだよ!カンニングは…)(お静かに)(秘書官メモを渡し、何やら相談)
安倍:あの、どの内容の法令に当たるかということはですね、事前に通告がございませんので、今事務方で調べておりますが、そういうことについては、法律にか……、あの、事前にですね、お答え………質問していただければただちにお答えできるものでありますから、有効な審議のためにはそのようにしていただければと、このように思います。
小西:あの、黒川検事長の懲戒処分権を有する、そこの一番の法的責任者は誰か、ご存じですか?
安倍:あのそれは、懲戒処分権を持つのは、内閣として処分を行うものであります。
小西:秘書官からめでたくカンニングをいただいて答え……ましたね。安倍総理、今日、この瞬間まで、黒川検事長の法律上の処分権者が誰なのか、そしてその黒川検事長の懲戒ですね、これは国家公務員全体何ですが、それを定めた法律は知らないということでよろしいですか。
安倍:あの、これはですね、すでにもう別の委員会でお答えをさせていただいているところでございますが、訓告以下については検事総長……<以下省略>。

 この方は法学部(政治学科)出身らしいが、法に対する興味関心は平均的な人よりもかなり薄い感じがする。そのくせ憲法は変えたい。変えるべきだと叫ぶ。こういう法に無関心な人がつくりたい憲法とは、子どもに無関心な教師がつくる学校、救命に無関心な医師がつくる病院と同じことになるのではないだろうか。
 関係ないが、「学歴」についていえば、この方は必修科目の「政治学入門」を一度も出席せず不可がついて単位を落としているそうなので、制度上大学を卒業できないはずだが、なぜか卒業したことになっているらしい。この点、カイロ大学首席卒業とかいう“緑のご婦人”といい勝負である。


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