ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

昼、牧原秀樹議員のコメントを聞いて

 今日は体調が悪くないので、短いですが「連投」してみます。
 昼にTVを見ていたら、一昨日の衆院補選・自民党全敗を受けて、テレ朝の「ワイドスクランブル」に自民党牧原秀樹議員が出演していました。牧原議員のことはよくわかりませんが、テレビには自民党の「選挙対策委員会副委員長」の肩書きが示されていました。テレビ画面右上には「信頼回復へ どうすべき?」というテロップも見えます。牧原氏には悪いけれども、もし、自民党が「(裏金問題等々)反省しています」という姿勢を国民に示したいのであれば、岸田総理(党総裁)とは言わないまでも、やはり茂木幹事長クラスの重鎮が出演してしかるべきだったのでは、という感じがしました。あるいは、敢えて選対の「副委員長」が出て来るのであれば、当然「委員長」である小渕優子氏が出るべき筋合いのものでしょう。でも、生出演でミスなくしゃべれるかどうか、(将来の女性首相候補?を)「キズもの」にできないとか、いろいろな思惑が交差したのでしょう。結局牧原氏の出演で手うちをしたのかもしれませんが、この一事をもってしても、日曜の補選の全敗が自民党にとってどれだけの「衝撃」だったのか、実はさしたる「衝撃」ではなかったのではないか、という疑念を抱かせます。あるいは、内田樹さんが言っているとおり、もう何があっても自民党には自から動き出そうとするエネルギーがないのか。党内「良識派」の一人と目されている石破さん、その他の議員も含めて、このまま波風立てずに様子見を続けるのが「得策」ということなのでしょうか。
https://twitter.com/levinassien/status/1784747267498655866

 牧原氏もテレビ出演に自ら手を挙げたとは思えず、「人身御供」にされたとすれば、気の毒な面がないではないですが、しかし、氏の話を聞いていると、アリバイ的というか、基本的に当該時間をやり過ごせればいいという印象を強くもちました(それは牧原氏がというよりも、テレビ局側の意向自体がそうなのでしょう)。だいたい、政治活動費が何に使われているのか知らないとか、安倍派のキックバックの「再開?」がいつどうやって決まったのか誰も知らないとか、党を「代表」してテレビに生出演しているのに、相変わらず選挙前に批判されてきた繰り言を自身でも繰り返すし、進行役の大下さんやコメンテーターの質問や「突っ込み」も「寸止め」ですから。これを見て、もし、自民党は選挙に負けて反省してんだな、と思う有権者がいたら、是非お会いしたいものです。
 それでもコメンテーターの吉永さんが「自民党は不正の当事者なのに、改革案を出すのが、各党の中で一番遅くて、なおかつ一番ゆるいのではないか」と批判すると、牧原氏は「刑事罰付きの案を出しているのは自民党案だけで、全然ゆるくない」と言い張っていました。この「針小棒大」ぶりというか、「すり替え」には、なるほど、小渕氏を出演させないわけだと思いました。しかし、罰則を重くするかどうかが根本の問題でないのは明らかです。実際問題として、罰則が罰金だろうが無期懲役(笑)だろうが、裁判で罪に問われないような法律の建付けにしておけばいいんで、そのための抜け道は現行どおりならいくらでも捻出できるでしょう。根本は「抜け道」を完全にふさぐことができるかどうか、そのためには、政治家や政党への金の出入り、すなわち(パーティー券など)献金する個人や団体(企業)名をすべて特定することと、「政治活動費」という名目で使途不明が許容されている支出先をすべて明らかにすること、この二点が重要で、あとは付随的な問題です。企業献金などは利権政治の温床、つまり贈収賄の下地になっているわけですから、なくすのが本来のあるべき姿です。ところが自民党案はいずれにも後ろ向きです。まさに、ここを曖昧にして、匿名で献金させて、自由に遣える潤沢な資金をもつというのが自民党政治の胆だったからです。これを失えば(白日の下になれば)、旧来の自民党政治は終わりでしょう。まさに「金の切れ目は縁の切れ目」です。
 しかし、問題は自民党だけでは完結しないでしょう。一方に、匿名で献金して、自分たちに有利な法律や施策をとらせたい企業関係者がいます。他方で、自民党資金の支出の恩恵にあずかっている個人や縁者もいます。かりに政権交代が実現したとしても、こういった「勢力」は束になって自民党政治への揺り戻しを画策するかもしれません。しかしまあ、そこまで射程に入れて方策を考えていると、出来ることが出来なくなってしまいます。野党にとっては年明け後もずっと「追い風」ですが、立憲には補選の勝利であまり調子に乗らず、自民党支持者の比較的良識のある層への働きかけを忘れないでほしいと思っています。



社会・経済ランキング
にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
にほんブログ村