ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

公明党の不祥事2つ

 法務局で不動産の移転登記の手続きを終え、次は相続税の申告。農協の職員から、税理士に頼むと10万円くらいかかると言われたので、何とか自力でやってみようと準備を進めているが、手続きのし方や申告すべき資産の特定にいまひとつわからないところがあってモヤモヤしていたところ、先日、ありがたいことに税理士による無料相談会というがあったので、行っていろいろと話を聞いてきた。担当の税理士さんとのやりとりでわかったのだが、申告後、税務署から間違いを指摘されるとなると、加算などの追徴課税が生じるが、申告する側が(先に気づいて!)自発的に?修正する分にはその対象にはならないということだった。税務署側もめんどうなことにならないように「目配せ」するわけだ。なるほど、悪質なケースでは追徴課税されたというニュースも見聞きするが、事が起こっても、「すでに修正申告をすませました」などと涼しい顔をするのは、こういうことなのかと思った。

 ところで、今度国土交通大臣になった公明党の副代表・斉藤鉄夫氏が国会議員に義務づけられている資産等報告書* に「記載漏れ」が見つかったという。その額、何と1億円超。これを「記載漏れ」と言うのだから、斉藤大臣の資産総額はきっと100億円は下らないと見える。そうでなければ、千円単位で税務申告している身には、これは「重加算税」級の悪質行為に映る。新聞も「記載漏れ」などと、そのまま垂れ流していてよいのか。

資産報告書を訂正 斉藤国交相1億円を超える記載漏れ|TBS NEWS

* 資産公開法に基づいて国会議員が提出する報告書の一つ。保有している土地・建物・預貯金(当座預金普通預金などを除く)・有価証券・自動車・船舶・美術工芸品・ゴルフ会員権・貸付金・借入金などについて記載する。

 報告された個々の国会議員の資産内容は議員会館で閲覧できることになっているようだが、ネットでは調べられず、実際に斉藤大臣の資産が全体でどのくらいなのかは分からなかった。参考までに、昨年10月に公開された当時の菅内閣の閣僚の資産は平均1億652万円。最も多いのが麻生財務大臣で、東京・渋谷の住宅や預貯金など6億4,845万円、貸付金1億7,700万円、株式15銘柄・25万8,046株、ゴルフ会員権7口など。菅総理大臣が横浜市の住宅や有価証券など6,277万円で、他にゴルフの会員権1口、株式なし。斉藤大臣の前任の公明党・赤羽国交大臣は、土地・建物所有なし、預貯金なし、株式1銘柄・4,400株となっている。衆参両院の議員全体でも昨年分の所得の1人当たりの平均所得は2,416万円ということなので、斉藤大臣が資産の総額をいくらで報告しているのかわからないが、おそらくこの「記載漏れ」とする1億円超の方が当初報告した資産総額より少ないということはないと予想される。

菅内閣 閣僚の資産公開 平均は1億652万円 5人が1億円超 | 注目記事 | NHK政治マガジン
【所得公開】国会議員平均2416万円 トップは19億円の自民元栄氏 - SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト

姉からの遺産相続が驚くほど多額で全貌を理解できなかった」――?こんな意味不明の釈明があるだろうか。1億円を超えるとびっくりしてしまって思考停止になるとでもいうのか?

 そもそも斉藤大臣の資産の総額など、新聞とメディアは当然に調べているべき基本事項なのに、その額には触れない。しかも、斉藤氏が大臣に任命されたのは10.31の総選挙の前なのに、選挙が終わってからこういうことをしれっと言い出す。斉藤大臣は河井買収事件で政治とカネが問われた広島3区から立候補し当選した議員なのである。自覚があるのかと疑う。

 同じ公明党の元議員・遠山清彦元財務副大臣は、日本政策金融公庫の融資をめぐる仲介での現金受領の疑いで、昨日東京地検特捜部から任意の事情聴取を受けたという。この疑いが事実なら、やってることがどこかの政党と変わりばえしない。

【独自】公明元議員の遠山元財務副大臣を任意で聴取…融資仲介疑惑、現金受領の有無確認か : 社会 : ニュース : 読売新聞オンライン

 最後に、公明党の「綱領」を眺めていたら、こんなことが書いてあった。揚げ足とりをするようだが、1994年の12月5日決定されたというこの綱領、もう一回読み直して、是非書いてあるとおりにされるよう切願する。

……われわれが内に求め、行動の規範とするのは、高い志と社会的正義感、モラル性、強い公的責任感、そして民衆への献身です。これこそ公明党議員が身上とすベき特質です。
また公明党が政党としての人格的信頼を勝ち得ていく道です。この政党としての人格的信頼を国民・社会の中に勝ち得ていくことこそが党発展の要諦です。

綱領 | 党概要 | 公明党




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