ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

森永卓郎さんの「真冬の怪談」

 昨日「のら猫 寛兵衛」さんの12月8日付のブログを拝見していたところ、12月7日(月)のラジオ文化放送の昼番組、「大竹まこと ゴールデンラジオ!」の「大竹紳士交遊録」に出演した経済アナリストの森永卓郎さんの話が取り上げられていた。

政権の姥捨山の企みをあぶり出したか新型コロナ(ある怖い話):のら猫 寛兵衛:SSブログ

これは実際の音声を是非聞きたいものだと思って、ラジコで遡ったらうまい具合に過去の放送分にたどり着いた。概要は「のら猫 寛兵衛」さんが書いている通りなので、二番煎じになるが、これは多くの人が心に留めておくべき「怪談(真実を含む妄想?)」だと思い、以下に追随して引用させていただく(読みやすくするために少々加工を施した)。

https://radiko.jp/#!/ts/QRR/20201207130000


 今日は根拠のない話をしようと思います。証拠はないです。
 今、新型コロナの感染が爆発して、今日(7日)は、東京都が新たに299人の感染が確認されました
——註:10日(木)は602人、過去最多——。月曜はいつも少ないんですが、医療現場は崩壊寸前で、感染症の専門家はGo to トラベルを止めないと感染拡大は止まらないと口をそろえています。そんな中、政府は来年6月頃までGo to トラベルの延長を決めました。尾身会長は「個人ができることの限界を超えた。あとは行政がきちんと手を下さないと感染は止まらないだろう」と言っています。普通の人からすると、これで政府がGo to トラベルを止めないのには違和感がある。「何でこんな状況になってるのに延長なのか?」と。
 それで、今日はこういう「シナリオ」もあるんじゃないかという話をしようと思うんです。政府は、外出規制とか、県をまたいでの移動の規制とか、営業自粛など、こういうことを緊急事態宣言の下でやると、大きな経済的被害(損失)が出ることが過去の経験でわかったわけです。今年の4-6月期のGDPは、前年比で-10.2%、二桁も落ち込みました。26兆円も補正予算を投入して、マイナス二桁という経済成長になってしまった。だから、経済のことを考えたら、人の移動の規制など、絶対にしてはならない、経済のことだけ考えたら……ですけど。むしろ、旅行とか飲食とかに補助を付けてばんばんやらせた方が経済的にはプラスになる、というわけです。
 ただ、そうなると感染は拡大するわけです。今ヨーロッパを感染第二波が襲っていますが、これは夏のバカンスでみんながばんばん移動したからだというのはヨーロッパではほぼ定説になっています。それでも経済のことを考えたらGo to トラベルは止めない、Go to Eat も止めない、重症者が増えても止めない、医療がパンパンで医療崩壊しても止めない。で、そのときに何と言うかというと、「旅行者が感染を拡げたという物的証拠(エビデンス?)はない」と言うんですね。これ、統計的には、移動のために感染者は明らかに増えているんです。いちいち旅行した人を全員一人ひとり追跡調査をして、その人がウィルスを拡げたかどうかなんていう証拠はないから、わからないと言えばわからない。特に若い人の場合は無症状の人がいっぱいいるから、これは分りようがないです。
 こういうことを言うとまた袋叩きにあうかもしれないんですけど、タバコは無害だというのと一緒だと思うんですよ。タバコの場合は、疫学調査といって、全体を統計的に見て、タバコを吸う人と吸わない人を比べると、吸う人の方がガンになる率は高いというのは、統計的には明らかなんですが、じゃあ、タバコを吸ってガンになったというのを病理学的に明らかにするというのは、これ今までに明らかにできた人はいないんです。人間いろいろなものを食べたり、あるいは都会で悪い空気を吸ったりとか、いろいろするから(タバコだけでガンになったかどうか、特定するのは難しい)。
 もうひとつ、感染を拡大させているのは、PCR検査を抑制していることがあります。これ、検査をしないことで、感染者を潜らせますから、陽性者が表に出てこないし、感染者を隔離できないからどんどん広がっていくわけです。もし、隔離すると、経済活動は停滞します。濃厚接触がわかると2週間隔離するわけですから、労働力が減ってしまう。だから、経済のことを考えたら検査も増やさない方がいいというわけです。
 でも、こういうことをやってると大きな問題が起こる。重傷者や死亡者が増えてしまうんですね。しかし、経済のためにはそれも無視する。なぜ無視するかというと、新型コロナの場合は、年齢別の死亡率が大きく異なっていて、50歳代以下の現役世代は感染しても0.06%の死亡率。ところが60歳代以上は5.7%が死亡している。ということは、感染して死ぬのはほとんどが高齢者ということになる。だから、このコロナは労働力は奪わないけれども、高齢者の命は奪うというのが大きな特徴だということになる。
 それで次に、75歳以上の後期高齢者が一人当たりどれくらいの社会保障費がかかっているかを考えてみる。年間の医療費は一人当たり91万円。年間の介護費は48万円。年金給付が137万円。これを合計すると276万円。もちろんこれだけじゃ済まないですけど、ざっくり言うと、後期高齢者一人に税金や社会保障で300万円くらいかかっていることになる。
 今、菅政権の御用学者たちが口をそろえて言っているのは、「生産性を上げろ!」ということです。働く現役世代は「生産性」があるけど、高齢者の「生産性」はマイナス、「持ち出し」です。引退しているから稼ぎがない、けれど、負担はある。それを減らしていけば「生産性」は上がるだろうと。こんなことを考えているのがいるんじゃないかという話です。
 でも、そんなことを公言したら政権はもたないです。高齢者も一人一票持ってます。こんな「姥捨て山構想」みたいなことを言ったら、百パーもたないでしょう。だから、何て言うか、「政府の役割は国民の命と生活を守ることです」と。さらに、高齢者の命を守るために、高齢者は旅行を自粛してくださいと言う。これはいかにも高齢者を守っているように聞こえますが、もともと高齢者は自粛していて、あまりGo to トラベルとか使ってないから、その人たちが自粛したところでそれほどの「被害」(損失)は出ない。今、その高齢者たちのキャンセル分を若者が穴埋めしている。でも、無症状の若者たちが旅行すると、それが感染経路になっていることはだんだんと科学的に立証されてきています。
 感染拡大はおさまらない上に、今、医療崩壊寸前まで来ています。このまま進むと何が起こるか。病院から年寄りがあふれるわけです。どこに行くかというと、これは自宅療養です。自宅には人工呼吸器はないし、薬もないし、看護師さんもいない。今は医療機関が一生懸命支えているから死亡率も何とか5.7%で抑えられているけど、病院で支えられなくなったら、とんでもない数の年寄りが命を落とすことになりかねない。
 さらに怖いのは、ワクチンは高齢者優先でうちますと言っています。安全性がまだよくわからないのに。高齢者が安全だったら、次は若者へ……。

<以下略>


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