ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

上関 かみのせき 原発にNOを!

 「スナメリ」という名前の生き物がいる。小型のイルカで、かつては瀬戸内海に広く生息していたようだ。山口県祝島(いわいしま)近海は、スナメリが見られる海域として知られ、小生も以前テレビで紹介されたものを見たことがあるが、船と並んで泳ぐその姿は何とも愛らしい感じがした。

 その祝島の対岸に原子力発電所を建設する計画がある。海を隔てた4キロ先だ。中国電力が1982年に発表した計画だから、今年でもう38年になる。とうの昔になくなった話だと思っていたら、中断を重ねながらも、電力会社はまだ諦めていなかった。原発依存から脱却しなければいけない状況なのに、まだこんなことをやっている。しかも、長きにわたって反対している人を排除して強引に事を進めようとする。

 昨日は、昨年島民の反対で海域のボウリング調査に失敗した中国電力が、県から「海域占用許可」を得るという姑息な手段によって、準備作業を再度強行しようとしたが、反対する祝島の住民らが昨年同様漁船9隻を出して抗議し、作業自体が中止となった。「上関原発を建てさせない祝島島民の会」の清水敏保代表は「もう新増設はやらないことを決めているにもかかわらず、無駄な調査をやることに腹が立っている。調査をやるとなると私たちも監視行動、釣りをして、今日と同じようにやっていきたい」と述べたという。

 上の「祝島島民の会」の10月16日付ブログ記事は以下のとおり。

海域占用許可 | 上関原発を建てさせない祝島島民の会 Blog

中国電力がボーリング調査を申請したことを受けて

10月7日に中国電力が海域占用許可申請をしたと報道がありました。
これは、原子力発電所建設のため田ノ浦の海を埋め立てる前に、追加の地質調査が必要なため、指定する調査期間内はその海域を独占して使用させて欲しい、という申請です。
海はみんなのものなのですが、公的機関である山口県が審査をして事業者へ許可を与えることになっています。
ボーリング調査とは、海底を掘削することなので、海の生き物や地形に影響を与えてしまいます。海の生き物に配慮して欲しいと、自然保護団体が言っています。
当然、魚に影響があるので地元の漁師さんに対しても影響があります。利害関係人である漁師さんへ、事前の説明をして、同意を得て、補償がなされなければなりません。その後にボーリング調査実施という流れのはずですが、中国電力が昨年行ったのは、一部の漁師さんの同意を得たのみで、調査海域で釣り漁業を営んでいる祝島の漁師さんへの事前説明なし、同意取得なし、補償なしで調査を実施しようとするものでした。
祝島の漁師さんは、2000年の漁業補償契約時には補償対象となっています(祝島原発に反対する漁師さんは現在に至るまで、受け取りを拒否し続けています)。中国電力は、今回のボーリング調査に伴う補償も2000年の補償契約で支払ったといっています。また、許可に際しては、「利害関係人の同意」が必要なのですが、山口県は、「利害関係人」は「排他独占的権利」である「漁業権」の免許を受けている山口県漁協四代支店だと言って、祝島の漁師さんを無視している状態なのです。
ボーリング調査を実施すると言うことは、たとえ調査という名前でも、今までの経緯を踏まえると、原発建設に向けたプロセスのひとつと捉えられます。危険な原発建設を認めることはできません。

 長年の島民の「闘い」の経緯や背景を理解するには、小生の筆力では到底足らないので、2019年12月19日付「長周新聞」の記事を下に付ける。

中電がボーリング調査中断を発表 侵せぬ祝島の漁業権 憲法違反指摘され問題浮き彫りに | 長周新聞


 スガの言う「2050年までに温室効果ガス排出ゼロ」の脱炭素社会の実現とは、要するに原発の増設推進のことなのだ。
 早く総選挙をして、こういう流れを変えないといけない。


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