ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

スガさん、ちゃんと名簿を見てから言いなよ

 10月1日現在の日本学術会議第25 期会員名簿を見た。

http://www.scj.go.jp/ja/scj/member/pdf/25kaiin_meibo.pdf

 この名簿は今回任命された方と先回会員に選ばれた方の「総勢」だが、表中の「任期満了年」が8年になっている方が今回“任命”された99人かと思う。
 今回の任命拒否問題では、相変わらず6人が外された理由が明らかになっていない。理由を6人の学者に尋ねること自体そもそもナンセンスだが、理由があるとすれば、過去の政権への批判的言辞や行動だとして、6人と政府との関係が取りざたされることが多い。しかし、表を一瞥すると、私見ながら、99人の中にも政府に“批判的”な人が見える。外された6人にしても、小生に言わせれば、「この方が政府に“批判的”なの?」と首をかしげたくなる人もいる。もし、政府への批判度?が「基準」になって、99人が通り、6人が外れたとすれば、スギタやスガは相当了見が狭いと言うか、見る人が見ればその識見はまったく“ザル”か“ふし穴”だと思えるだろう。やるんだったら「もっとよく勉強しとけ!」という話だ。だから、菅野完さんが言う通り、「政府批判」云々など関係なく、権力を見せつけたいだけなのかもしれない。そもそも、個人の学識の範囲などたかがしれている。政権に批判的な人物の鑑定など、一人、二人でやったら好き嫌いになるに決まっている。学術会議にしてもその道の一級の専門家を網羅的に集め、「俯瞰的」に考えようということなのではないか。「俯瞰的」にものごとをとらえられない個人の限界をふまえてのことだろう。しかるに、「俯瞰的」になれない個人であるスガが「俯瞰的」観点に立って判断するなど、不遜も甚だしい。

 また、スガは、会員の構成について「一部の大学に偏っていることも客観的な事実だ。民間や若い人が極端に少ない」と批判している。この総理大臣様は、本当に名簿を見たのだろうか。口からの出まかせでないなら、その偏っているとかいう一部の大学の名前を是非挙げてもらいたいものだ(あらためて名簿を眺めてほしい。意外なほど広範な部署から選ばれていることに驚かされるくらいだ)。
 会員には40代が数名、50代も数多く含まれているが、スガの言う「若い人」というのは20代30代のことだろうか。しかし、日本学術会議法・第17条は、「優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考…」と明記している。まだ研究業績や評価が定かでない20代30代の研究者を“抜擢”するというのはふつうは無茶というものだろう。かえってコネを疑われるではないか。

 いくら、スガが、推薦された会員が「一部の大学に偏っている」とか、「地方が少ない」とか、「若手が少ない」とか、「民間が少ない」などと非難しても、それはスガ個人の趣味であって、6名を外すことを何も正当化しない。そもそものスタートは単純で、法律を守れということと、6人を外した理由を説明せよ、の2つだ。一国の総理大臣なのだから、それができなければ、できる人と交替するしかない。「推薦はこうあるべきだ」とか何とか理屈をこねたいのなら、それは法律を改正してからの話だ。むかしの殿様でもあるまいし、現今の自分の好みを法律に優先させるような総理大臣の国をどうして法治国家と呼ぶことができよう。





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