ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

「第二の森友事件」?

 国会が始まった。まだ4日めだが、どうにもスガ首相の「答弁」が不出来だ。カンペ棒読みと「お答えは差し控える」の連呼で、この先の委員会審議も乗り切るつもりなのだろうか。スガの「答弁」能力を不安視する声は官邸内にもあるようだが、当意即妙の才に乏しいことは本人が一番わかっているのではないか。

 こんなタイミングでスキャンダルが出てきた。「デイリー新潮」や「日刊ゲンダイ」によれば、5年ほど前の神奈川県の公有地取引(売却)の優遇措置にスガ(当時官房長官)が関与しているのではないか、というのだ。

 早速こんな情報が漏れ出てくるということは、思いのほかスガ政権の基盤は盤石ではないということか。


「菅総理」密接業者が不可解な公有地取引 異例の好条件、交渉では総理の名も | デイリー新潮

【菅義偉】菅首相の“オトモダチ”に「公有地払い下げ」の異様な経緯|日刊ゲンダイDIGITAL

 以下、「日刊ゲンダイ」10月29日付記事より引用する。

「『第二の森友事件』! 『菅総理』タニマチが公有地でぼろ儲け」――。衝撃的なタイトルの記事だ。29日発売の「週刊新潮」が、菅首相のお膝元で起きていた「異常すぎる特別扱い」の土地売買を報じ、政界に激震が走っている。

■森友事件とそっくり

 週刊新潮によると、2015年に神奈川県の県有地が「保育所学生寮の設置」を条件に破格で民間業者に売却されたが、条件は守られず、転売された。情報公開請求で県の内部資料を検討すると、<経緯の異様さと、菅総理の影や形が立ち上がってくる>というのだ。

 横浜市保土ケ谷区の3000平方メートルほどの土地を県から購入したのは、横浜市内の「㈲成光舎」という会社の河本善鎬代表。菅首相との関係は古く、<ある県議から紹介されて市議時代の菅さんと知り合った。以来、本人も菅さんとの関係を自慢していましたから、県の政界では『菅さんの太いスポンサー』として知られた存在でした>という県政関係者のコメントが紹介されている。

国会議員に初当選した1996年には、すでに成光舎は菅首相の関係政治団体献金をしていて、07年までの合計寄付金額は342万5000円に上る。菅首相の事務所が、河本氏の関連会社が所有するビルに置かれていたこともあるという。
……略……
  当初、県側は公有地を一般競争入札で売る方針だったが、河本氏が現れ、随意契約で売却することになった。しかし、不動産鑑定士による評価額の鑑定の結果、売却額を約4億5700万円と伝えると、<「思ったよりも高い」と河本代表は異論を唱え始めた>。これを突っぱねていた県側は14年5月に一転、再鑑定に舵を切り、約3億8800万円という15%オフの価格を提示したという。再鑑定による大幅値下げとは、どこかで聞いたような話である。

■「菅さんの太いスポンサー」

 土地は15年1月に成光舎に売却されたが、用途は「保育所及び学生寮」で、売買から10年間は他の目的に使用できず、転売も禁止の条件がつけられた。ところが売却当日、河本氏は土地を自身の関連会社に転売。本来なら重大な契約違反だが、県側は理解を示し、用途指定を解除したという。
 結局、この土地に保育所が造られることはなく、16年8月には大手住宅メーカーに売却された。不動産関係者によれば「5億円台半ば」で売りに出されていたそうだ。河本氏は2億円近い差額を手にした可能性がある。

 ことごとく異例ずくめの土地取引なのだが、河本氏は交渉の中で菅首相の名前を出していたという。
<対応によっては、知事、副知事、菅官房長官へ話に行く>(14年1月21日)、<いろいろとしっかり頼みますよ。納得がいかなければ、知事、副知事にも、官房長官にも行きますから>(同2月25日)という発言があったことが、県の内部資料に残されているというのだ。

新潮の取材に対し、河本氏は<(菅総理に関する)発言をした事実は御座いません。(菅総理の関与も)ありません>、菅事務所も<(取引への)関与はありません>と回答している。

 政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「神奈川県における菅氏の影響力は絶大です。県庁や議会には、菅氏の元秘書もたくさんいる。重大な契約違反が発覚しても見逃し、県が訴えようとしなかった背景には、やはり菅氏の存在があると考えるのが普通でしょう。直接の口添えをしていなくても、行政が歪められた可能性があります。あまりに森友事件と構図が似ていて驚きました。この問題を予算委員会で追及されたら、菅氏はどう答えるのでしょうか」

 安倍前首相の答弁に倣い、菅首相も支援者を「非常にしつこい」と切り捨てるのか。




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