ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

公文書・会議録のゆくえ

 8月26日付で「そこら中で隠される会議録」という記事を書いた。その中で、ある学校の「職員会議録」の実情を紹介したが、それと類似した例が国家レベルの「会議の記録」にもあることがわかった。

mainichi.jp


 写真は、連絡会議(第19回)の「記録」というもので、

1.日時 2月14日(金)7時54分~8時15分
2.場所 総理執務室
3.参加者 アベ、菅官房長官、加藤厚労大臣、西村官房副長官、岡田〃、杉田〃、沖田内閣危機管理監、北村国家安全保障局長、古谷官房副長官補、前田〃、長谷川総理大臣補佐官兼内閣広報官、今井総理大臣補佐官、鈴木厚労省医務技監
(13名)
4.概要
厚生労働省から、国内における陽性患者の概要、新型コロナウィルス感染症の発生状況、国内の医療体制整備、新型コロナウィルスに係る厚生労働省電話相談窓口の対応状況等について説明があった。

と3行ほどの文が書かれている。

 ネットでは「とうとう黒塗り作業も面倒になって」などと皮肉られているが、しかし、所要時間を考えると、この回については担当からのほぼ一方的な状況説明で会議が終わった可能性も否定はできない(総理大臣から質問や確認などの“反応”は何かないのかとは思うが……)。そうであっても、2月半ば、感染が拡大する中で、たったの20分では、得意の「やってる感」演出のアリバイ会議をしただけであり、これはこれでまた問題である。

 それにしても、コロナ分科会といい、個別の発言記録を一切出さない・残さないというのは、要するに、総理大臣の発言記録を消さんがためにすべてを消すということなのではと勘繰ってしまう。ここでも光の出所はアベなのである。これでは公文書もまた私物化されていることになる。

 毎日新聞には、アベ以前の総理大臣が同席した会議の記録を参考までに示してもらえると、よりポイントが鮮明となるだろう。

 以下、毎日新聞9月10日付の記事「公文書クライシス 安倍首相の発言記録ゼロ コロナ連絡会議40回分 議事録平均わずか10行」からの引用。

 安倍晋三首相ら一部の高官が新型コロナウイルスの対応を実質的に決める政府の「連絡会議」について、今年1~3月の40回分の記録を毎日新聞が分析したところ、議事内容の記載は平均で10行しかなく、首相ら高官の発言の記載は一切なかった。既に開示されていた数回分の記録から同様の問題が指摘されていたが、首相らの発言を残さない手法が定着していることが明確になった。公文書問題に詳しい専門家は「これでは国の対応が事後検証できない」と問題視している。
 コロナ対策と公文書問題への対応は自民党総裁選でも注目されており、新首相の下でどのような対応が取られるか注目されそうだ。
 記録は蓮舫参院議員(立憲民主)に対して政府が開示した議事概要などで、連絡会議がスタートした1月26日~3月5日の40回分。この期間中には、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」への対応▽大規模イベントへの自粛要請▽全国一斉休校▽中国など海外からの入国制限――などが決められている。

<有料記事のため、ここまで>






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