ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

「生ごみのバケツのふた」 田中眞紀子氏談

 自民党の総裁選や新・立憲民主党の旗揚げなどについて、田中眞紀子がインタビューに応じた。
「凡人、軍人、変人」の頃のような闊達さは望めないが、相変わらずの「眞紀子節」がさく裂している。もう「現役」を退いて8年になるのか、と時間の流れを感じる。枝野氏の個人的エピソードはおもしろかった。

論座』9月9日付記事より一部引用。

菅政権なら「安倍家の生ゴミのバケツのふた」 田中真紀子氏が語る自民総裁選 - 藤田直央|論座 - 朝日新聞社の言論サイト


――自民党総裁選が告示され、元幹事長の石破茂氏、官房長官菅義偉氏、政調会長岸田文雄氏(写真では右から)が立候補しました。3候補がそろって臨んだ8日の記者会見はどうでしたか。

 真ん中(菅氏)ははぐらかし、両脇の二人(左の岸田氏、右の石破氏)は具体性がなかった。特に森友・加計学園や「桜を見る会」の問題を問われた時の答えぶりです。あんなに国民の政治不信を生んだ問題なんだから手術して取り除くのが当たり前なのに、やる気が見えません。
 昨夏の参院選で、広島選挙区で自民党公認候補の河井案里被告(公職選挙法違反の罪で公判中)に党が1億5千万円という破格の支給をしていたこともそうです。国民から集めた政党交付金を何に使ったのか。党のトップとして踏み込んで対応する姿勢は感じられませんでした。

――田中さんが自民党にいた頃の1998年の総裁選で、小渕恵三梶山静六小泉純一郎の3氏が立候補した時、「凡人、軍人、変人」と評して話題になったのを思い出します(当選した小渕氏が首相に就任)。今回の総裁選に出た3氏をどう表現しますか。

 石破さんは納豆餅ね。アメリカ人の知り合いの夫婦が正月にうちに来たことがあって、お餅をふるまったら「いつ飲み込むんだ。かみ切れない」と。それに納豆をからめたら、もったいぶった食べ物だけどよけいべちゃべちゃして、いつまで経っても飲み込めない。
 岸田さんは初当選同期で仲はいいんだけど、冷凍になった透明人間かな。固まっちゃっていて、それでも自然解凍したら水がでれでれと出てきてふつうは生臭くなるんだけど、溶けても何もない透明人間。調理してもおいしくない。石破さんよりも背骨を感じない。
 菅さんは暗い。生ゴミを詰め込んだバケツのふた。その取っ手ですね。だれにしたって料理の乗ってないお皿のようなもので、そんなの出されても魅力がない。たたかれても主張をばんと言って国民に料理を出さなきゃだめ。政治ってもっと明るく光り輝いて期待を持たせるものでしょ。でもみんな熱が、エネルギーがない。

――菅氏は多くの派閥から支持され優位に立っていますが、バケツのふたというのは、どういう意味ですか。

 主婦の感覚です。安倍政権では例えば森友問題で公文書の改ざんがあったり、財務省の職員が自殺したり、でもその責任をあいまいにするうそとはぐらかしがたくさんあって、国民の不満も募っていた。なのにそうした悪臭紛々とした生ゴミを安倍家の台所から出して、バケツに押し込める。そのふたをするのが菅政権の役割ではないかということです。
 歴代最長になった安倍政権が終わったら、やるべきは検証、分析をして改善することなのに、官房長官でずっと臭いものにふたをしてきた菅さんが次の首相になって、できるわけがないでしょう。役所の縦割りの打破とおっしゃってますが、理念がないだけに安倍政権よりも一層人事で官僚を締め上げる、もっと暗―い強権政治になりますよ。

<中略>

――一方で、野党は立憲民主党と国民民主党が合流します。

 少しは進歩したかな。立憲民主党の幹部には、早くまとまらないと、前の衆院選小池百合子さん(東京都知事)の希望の党にやられたように、どんどん引っぺがされるよと伝えていました。政治はタイミングです。まずは大きな方向性でまとまって、財政や安全保障といった政策の実現可能性は後で詰めればいいんで、手前でもめて分裂しても仕方がないんです。
 国会議員は与党も野党もみんな最初は素人なんだけど、そこは自民党に一日の長があって、まずは数でまとまることで政策を実現するんだということを若手にベテランが教える。私も最初は森喜朗さん(元首相)に相当やられました。ところが野党にはそれがなくて、当選回数もポストも関係なく、しかも近親憎悪で俺は議員だ、俺も議員だで張り合って離合集散してしまう。
 今回せっかく150人ぐらいのまとまりができるんだから、自民党のように、時には互いに引いて人の意見を聞くというしたたかな文化ができれば、また政権交代もできると思う。国民は野党の分裂劇をこれ以上見たくないんです。

――いまその野党の新党でも代表選の最中で、立憲民主党枝野幸男代表と、国民民主党泉健太政調会長が立候補しています。

 枝野さんにはかつて国会で席がそばの時、頭はいいけど売れない弁護士みたいな顔(本人は実際に弁護士)をいつもしているから、あれでは親しまれないと思って「何で仏頂面なの」と聞いたら、「顔はもう変えようがないんで」と。でも2006年に彼に双子ができた時、「やっと生まれました」と破顔一笑を見せたので、「その顔よ。テレビでしてごらんなさい」と言いました。
……<以下略>




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