ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

こんなときに検察庁法!

 「検察庁法改正案」!? こういう状況にあっても、なお「ご都合主義」でこういう代物を通そうとする。以前(少なくとも安倍内閣以前)だったら、世論を意識して「諦めた」はずだが、これは切羽詰まって狂ったとしか思えない。末期的だ(…と思っていても8年続くのがこの政権だが)。選挙がないうちに強行突破しておけば、来年の今頃には国民の多くは忘れているだろう、というところか。毎日新聞の配信記事を引用させていただく。

mainichi.jp

 この「改正案」に限らないが、この内閣のやることはいちいち“プロ”集団のやることからかけ離れている。全体の合理性とか法理とかいったものに関心がなく、まるで矜持のない「素人集団」かと思うような稚拙ぶりである。
 〇内閣=官邸=総理大臣の意を受けた検事総長を任命できるようにする。それは「三権分立」という大きなシステムを破壊するが、自分たちが捕まらないことが最優先されている。
 〇憲法「改正」では、去年までは9条に第3項として自衛隊を書き込むと言っていた。それは9条の他の条文との整合性を破壊するが、自分こそが(難攻不落の)憲法を変えた「すごい人」だ(と周りから)言われたいという「野心」が最優先される。変える中身など何でもよい。だから、変えたらどういう国になるか、それに合わせて次に何を変えなければならないか…そういう先のことにも一切考えが及ばない。
 ……以下略。

 大きな全体像をイメージして、個別の事案を当てはめていく、あるいは、個別の事案をいくつか拾い上げながら全体のシステムを構築する、また、過去を踏まえ未来を展望する、こういう作業を安倍内閣は厭い続けてきた。これは場当たり的に家の増改築を重ねた結果、無秩序で美観を損ね、家全体が不安定化していても、まあ何とか住めてるからいいだろ、というのに似ている。しかし、今次の疫病もそうだが、地震とか津波とか原発事故とか、家の根幹を揺るがすような「危機」になると、それまでの無計画性が白日の下にさらされる。
 共産党の田村智子議員が昨年4月に「感染研」の定員削減による機能劣化を問題視し、参議院の委員会で質問していたことが取りざたされているが、もともと「国民の危機」を想定して動くことなど現内閣には期待できない(自分の「危機」には敏感なところもあるが……)。今になって問題になっても「だって、だって……」とあれこれ言い訳し、そのうちに相手が呆れ、嫌気がさして何も言わなくなるのを待っている。で、忘れてくれればOKということだ。
 まさに「今」さえよければそれでよいのである。これは安倍内閣安倍晋三個人の本質的ともいえる問題だ。が、同時に我々も自分の胸に手を当ててよく振り返ってみることが必要だ。

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