ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

この1カ月は何だったのか!

 「彼ら」は、コロナのせいで景気が悪化した、それまでは景気は良かったと思っている。でも、そうでもない。
 昨年9月末日、ひいきのガソリンスタンドが廃業した。所長には車の修理やら車検やら、いろいろと世話になった。10月から消費税率が上がるので、従業員数名の小さな会社では機械を刷新するなど新システムを導入する目途が立たないということだった。若いアルバイトの子たちも数名いたが、従業員はみな転業を余儀なくされた。稼業の手伝いだったり、非正規雇用だったりで、別のガソリンスタンドに職を見つけたという人はいない。所長に、来月からどうするのか尋ねると、息子の店を手伝うということだった。その後、偶然ホームセンターで会うと、店の障子を貼りかえるので、道具を買いに来たとのこと。「お店は夜だけなの?」と言うと、「今のところは…。そのうち昼も開けられるようになればいいね」と話していた。……
 そのお店が今、コロナ禍の“直撃”を受けている。政府は店に休業を迫るのであれば、相応の支援をしなければならない。口だけ「やります、やってます」では息が持たない。さらに「緊急事態」状態をもう1カ月延長するというのであれば、まずこれまでの1カ月が何だったのか、きちんと説明しなければ、要請に応じている側は納得がいかない。他県では7日から「営業再開」などと聞かされる身にもなってほしい。なぜ、解除できないのか。まだ国民全体の努力が足らないからか。だから「自粛しない」者への攻撃もいたしかたないのか。いや、これは為政者の無能と不作為に対する抗議、不信を転嫁しているだけだ。見苦しい。

 日刊ゲンダイの5月7日付の配信記事「何が『収束への1カ月』だ  新生活様式では廃業地獄」を一部引用させていただく。

【安倍晋三】何が「収束への1カ月」だ 新生活様式では廃業地獄<上>|日刊ゲンダイDIGITAL

 外食産業の3月の売上高は前年同月比17・3%減、そのうち居酒屋は41・4%減で、4月はさらに悪化の見通しだ。百貨店もメタメタで、3月の売上高は33・4%減。宣言を受けて休業した大手4社の4月の売上高は前年同月比7~8割の大幅減に陥った。
 観光や出張の需要減で休業を強いられるホテルも相次いでいる。
 経済評論家の斎藤満氏は言う。
「旅客が9割減の航空業界や、新幹線乗車率1ケタ台がザラの鉄道への影響も深刻です。法人企業統計(2019年10~12月期)によると、企業の手元流動性は15・7%。つまり、毎月の売り上げの1・9カ月分しか余裕がなく、経済活動が2カ月も止まれば事業を維持することはできないのです。調査対象外の資本金1000万円未満の中小企業はさらに厳しい。政府は民間金融機関による実質無利子・無担保融資で資金繰りを支援するとしていますが、経営環境が元通りにならなければ、つなぎ融資を受けても効果はありません。コロナ禍の収束が見えなければ行動規制はずるずる長引く。企業の収益は下がり続け、最大のコストである人件費を削り、それでもカネが回らなければ資本金も食い尽くし、倒産が相次いで大量の失業者があふれかねません」

 同じく日刊ゲンダイの同日の記事「問題は検査数…東京都の感染者4日連続100人割れのまやかし」も併せてご覧いただきたい。

【新型コロナウイルス】問題は検査数…東京都の感染者4日連続100人割れのまやかし|日刊ゲンダイDIGITAL

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