ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

「青木の法則」と3月危機

 「青木の法則(方程式)」というのがある。自民党参議院会長を務めていた “ドン” 青木幹雄が唱えたものらしいが、内閣支持率と与党第一党(つまり自民党)の政党支持率を足した数字が50ポイントを下回った場合、政権が倒れるというのだ。

 朝日新聞はこの土日(1月23・24日)に全国世論調査を行った。その結果、菅内閣の支持率は33%(昨年12月 39%)、不支持率は45%(同 35%)だった。また、政党支持率は、自民党が34%(12月 38%)で、立憲民主党は7%(同 5%)だった。

 上の “法則(方程式)” の計算にしたがえば、33 + 34 = 67ポイント 。50ポイントまではあと(まだ?)17ポイントあるが、自民党政治はまだまだ “盤石“ “難攻不落” ……などと笑っていられなくなっているのではなかろうか。

内閣支持率33%に続落、不支持45% 無党派層で急落:朝日新聞デジタル

 山形県知事選は、野党から支援された現職が前自民県議で与党推薦候補を破って4選を決めた。岐阜県知事選は保守(自民)分裂となり、現職が制したものの(何と5選!)、対立候補を立てた側の不満はくすぶる。4月には千葉県でも知事選があるが、自民党が独自候補を立てたとしても苦戦は避けられない。同じ4月の北海道・長野の補欠選挙も同様で、自民党が下降局面を転換する兆しは現状ではほとんど見えない。

 上の世論調査によれば、衆院選比例区投票先について「仮に今、投票するとしたらどの政党に?」という問いに、「自民」と答えたのは、(11月)45%→(12月)41%→(1月)39% だった。ちなみに、「立憲」は(11月)12%→(12月)14%→(1月)16% だ。

 この3カ月間の推移を「青木の法則(方程式)」の足し算に当てはめてみれば、
(11月)101 → (12月)80 → (1月)67 である。
 
 この傾向が続けば、(2月)のポイントは50台、(3月)は40台以下に落ち込む。3月に政治危機(政局)になるという話も、まんざらではないかもしれない。聖火リレー開始前にオリンピックの “決着” をつけるとなると、3月はますます危険なにおいが漂う。

 一週間前(1月18日付)の日刊ゲンダイの記事には次のようにある。

(3ページ目)【菅政権】囁かれる「菅首相退陣」シナリオ 二階幹事長が見捨てる時|日刊ゲンダイDIGITAL

……すでに自民党の水面下では、“スガ降ろし”の動きがはじまっている。スガ周辺が気にしているのは、後見人である二階幹事長の動向だという。最近、菅―二階の面会の回数が急速に減っているからだ。実際、融通無碍、なんでもありの二階幹事長は、いざとなったら容赦なく菅首相を切り捨てるとみられている。政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
菅首相が退陣に追い込まれるかどうか、やはりカギは“支持率”と“五輪”でしょう。すでに支持と不支持が逆転し、支持率は30%台まで下落しています。20%台まで下がったら赤信号です。いわゆる“青木の法則”では、内閣と自民党の支持率の合計が50%を割ったら政権は持たない。まだ50%をキープしていますが、年内に総選挙があるだけに、50%を切ったら、党内から退陣を求める声が上がると思う。さらに、五輪中止の決定はトドメになるでしょう。開催か中止か、3月に決まる予定です。今年は7月に都議選がある。都議選の候補者からも退陣圧力が強まるはずです」


 このコロナ禍では、野次馬根性だけで政局を眺めるわけにはいかない。政変(退陣)があろうがなかろうが、本当に一刻の猶予もならないのはスガ政権や自民党ではないはずだ。




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