今日は短く。
「一月万冊」を続けて見ていたら、前の経済再生担当大臣にして新型コロナ担当大臣だった西村康稔・衆院議員が、このほど幻冬舎より『コロナとの死闘』なる新刊本を出したという話が出てきました。買う気はしませんが、調べたところAmazonに「試し読み」があって、中身が結構長く引用されているので、冒頭だけですが、少し眺めてみました。「命が何より大切です」という書き出しで始まるのですが……。
コロナとの死闘 | 西村 康稔 |本 | 通販 | Amazon
それにしても、「ベストセラー1位」というこの本。発売からまだ1週間足らずで431個もの評価がついているのに、★1つなどという惨憺たる評価は驚きです。こういう現象は初めて見た気がします(5月17日朝時点)。余計なお世話ですが、Dappiはフォローに動かなくていいのでしょうか。
日刊ゲンダイが早速5月15日付記事で論評していますが、同感です。これでは葬儀の最中に、喪主が、故人ではなく自身の回顧録を出したようなヘンテコな感じがします。こういう「自分が」「自分が」という感覚の人に、未曾有の感染症に対する陣頭指揮を任せたことは、国民にとって痛恨事です。自身の湿疹との「死闘」には「ご苦労様」と思いますが、文字通りの「死闘」にさらされた(さらされている)国民が数多いことを、字面やご挨拶でなく、本当に真面目に考えたら、こういう本は普通は出せません。腹立たしいというよりも、情けない感じがします。
西村康稔前大臣“自画自賛コロナ本”がネットで大炎上! 最低評価「星1つ」が95%以上(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース
しかし、こういう「回顧録」が出てくるということは、西村個人や幻冬舎がどうのというよりも、政権か自民党内の一部に、もうコロナは先が見えたという認識があるということなのでしょうか。GW中の行動規制は外されましたし、外でのマスク着用は不要では、との声も聞こえてきます。来月からは入国制限が大幅に緩和され、外国人観光客の受け入れが進むようです。
その一方で、日本経済新聞が4月22日付記事で「コロナ予備費12兆円のうち9割、約11兆円が使途不明」と報道した件は、その後、知る限りでは、他紙が報じた形跡はありません(16兆円に増えたという噂もあります)。こちらはどうなっているのでしょうか。大臣の苦労談よりもこちらの方がはるかに重要です。デタラメなお金の使い方をしても、終わってしまえばさしたる検証もせず、もう次のオリンピックの話をしているような国です。西村元大臣の著書は、コロナはもう終わりが見えた、はい、次……という、合図のようにも思えます。
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