ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

続々 アベノマスク疑惑

 ネットで「アベノマスク」の第四の受注先「株式会社ユースビオ」の登記事項の証明の交付申請書なるものの写真が出回っている。
 五代目棟梁(立川甚吾)さん、引用させてもらいます。

 見ると、(登記)受付日が4月10日になっている。この日は、社民党福島瑞穂さんが厚労省に「アベノマスク」の発注先等の回答を求めた日。まるで1年前の「桜を見る会」の招待者名簿のシュレッダーを思わせるような“同日処理”である。こんな間に合わせの会社に国家プロジェクとも言える億単位の事業を随意契約で任せるなどということはあり得ない。またしても出てきた“闇世界”とのつながりか! しかも、国民の生死がかかるこの非常事態に、相も変わらず公金を垂れ流す利権優先の政治。「歴史は繰り返す」というが、これはそういうスパンでさえない。“忘却は繰り返す”の方がまだましだ。

※追記: 五代目棟梁さんが今日法務局へ出向いて確認してくれました。それによると、4月1日に変更届けが出され、10日に登記されたということのようです。したがって、福島さんの厚労省への問い合わせとは無関係ということになります。この点は早合点でした。お詫びします。併せて、五代目棟梁さんが更新したTwitterを下に掲載させていただきます。重ねて申し訳ありませんでした。

https://twitter.com/jingo2418/status/1254944480664227842

 日曜26日の静岡の補選に、もし野党候補が勝っていたら、政府は果たしてこのような公表をしただろうか。勝った場合と負けた場合と2つのケースの準備をしていたのではないか。さらに悪いのは、公表してもメディアはほとんど事実を伝えないし、伝えなければ国民の多くは知らないし、知ろうともしない。普通の状況でも知ろうとしないのに、今はそれどころではない。

 ふと、ミルトン・マイヤーが書いた『彼らは自由だと思っていた』(田中浩ほか訳 未来社、1983年)を思い出した。翻訳があるので2か所引用して戒めにしたい。

 「このドイツでは、国民は少しずつ慣らされていきました。…<中略>…それぞれのステップはあまりに小さく、とるにたらず、ときには「遺憾の意」も表されましたから、初めからプロセス全体を離れて見ていなければ、また、事態全体が大体どんなものなのか、「愛国的ドイツ人」がだれ一人憤慨できないこうしたすべての「小さな措置」が、将来何をもたらすかを理解していなければ、一日一日と事態が進展しているのがわからなかった。<中略>
 ニーメラー牧師は…何千何万という私のような人間を代弁して、こう語られました。「ナチ党が共産主義を攻撃したとき、私は自分が多少不安だったが、共産主義者でなかったから何もしなかった。ついでナチ党は社会主義者を攻撃した。私は前よりも不安だったが、社会主義者ではなかったから何もしなかった。ついで学校が、新聞が、ユダヤ人等々が攻撃された。私はずっと不安だったが、まだ何もしなかった。ナチ党はついに教会を攻撃した。私は牧師だったから行動した―しかし、それは遅すぎた」と。

 「1943年、アイヒドルフ村のユダヤ人たちは「追放」(註:強制収容所行きのこと)された。この村のように小さな村落で、彼らを人目につかずに「追放」するのは不可能であった。戦争後、彼らの隣人の一人は次のように語ってくれた。そのことは「みんな知っていましたが、だれも家の外には出てきませんでした。カーテンのうしろから見ていた人もいましたが、たくさんの人が見ていたわけではありません」「あなたは見ていたのですか」「いいえ」「どうして見なかったのですか」「どうしてって? 見てどうなりますか」。

 私個人はまだ「ユースビオ」が“ダミー(表層)”にすぎず、まだまだ“深層”があるという疑念を捨てきれていない。これだけ時間稼ぎをした現政権が、こんな粗末な部分しか見せないとは思えない。こちらが想像する以上に悪辣なのだから…。

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