ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

ワクチンの開発

 山中伸弥さんが新型コロナウィルスについて情報発信を続けているというのでHPを拝見した。4月14日付の記事は外国の報告や論文の内容を紹介したもので、「ワクチン開発の現状と見通し」と題されていた。
 山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

 そんなに長い内容ではないが、さらに要約すると以下のとおり。
 Ammanat and Krammer, SARS-CoV-2 Vaccines: Status Report. Immunity 4月6日オンライン版の内容について
(要約)
 ウイルス感染を予防するワクチンの開発が世界中で進んでいる。ワクチンの開発技術は劇的に進化しているので、臨床試験までは、早ければ数か月で到達できる可能性があり、実際、1つの臨床試験が始まっている。しかし、臨床試験は徐々に対象を増やし、安全性と効果を慎重に見届ける必要がある。かりに、臨床試験が終わっても、FDAアメリカ)などの諸機関から承認を受ける必要があるし、さらに、承認後は、何百万人から何億人用のワクチンを大量生産する必要がある。人類は新型コロナウイルスに対する免疫を持っていないので、ワクチンは3~4週間隔で2回必要となる可能性が高い。抗体ができるのは2回目の接種から1~2週後となる。これらを考え合わせると、臨床試験が始まったとしても、ワクチンの効果が期待できるのは、最低半年、通常では1年から1年半を要する。

 4月7日の「緊急事態宣言」から10日。政府は対象を7都府県から全国に拡大させる方針とのこと。5月6日を一応の「解除の期日」にしているが、あと20日で感染が下火になる気配はない。かりに下火になったとしても、完全に鎮火させるためにはワクチンが欠かせない。その開発・生産のために1年から1年半を要するとしたら、2021年いっぱいは今の状態を続けなければならないことになる。

 政府はこの先2年を見据えた長期的・現実的・建設的な対策と支出を考えるべきだ。内外の批判や嘲笑を一切省みず、アベノマスクに466億円もの大金を浪費し、配布を強行している場合ではない。

※太字箇所を訂正