ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

「ひるおび」八代発言と共産党

 TBSの「ひるおび」は一時眺めていた時期もあるが、コメンテーターに呼ばれるスシロー氏の醜悪さに嫌悪感があり、最近はあまり見ていない。しかし、そのスシロー氏でもさすがにこれは言わないと思う。番組の顧問弁護士然と一見スマートなことを曰う(つもりの)八代英輝弁護士の昨日の発言がそれである。

八代英輝氏「暴力的な革命廃止していない」発言に共産党が猛反論「卑劣なデマ」 | 東スポのニュースに関するニュースを掲載
TBS「発言は誤りでした」共産党めぐる八代弁護士のひるおびでの見解に - 芸能 : 日刊スポーツ

 過去の差別発言さえ徹底的に糾弾される昨今、こうした政治的差別発言が堂々とまかりとおるとしたら不思議な感じがする。BPO放送倫理・番組向上機構)を待つまでもなく、過日のオリンピックのドタバタ辞任に倣うなら、TBSは局として八代氏を降板させてもいいくらいだ。月曜の放送時にどんな謝罪をするかに耳目が集まっているようだし、共産党もこの種の誹謗中傷を浴びることに慣れっこ?になっているところがあるが、事の本質から言って、やや手ぬるい感じがするのは否めない。もし、逆に?自民党に同じことを言うコメンテイターがいたらどういう展開になるか、想像すればわかる。

「反論」を求められた共産党小池晃書記局長YouTubeで次のようにコメントしている。

Live #小池晃 に何でも聞いてみよう #総選挙どうするの? - YouTube
(45分50秒過ぎから)

 反論っていうか、これ妄想だからね。「暴力的な革命というものを党の要綱として廃止していません」? 「要綱」って何? 「綱領」のことを言ってるの? 「綱領」のどこに「暴力的な革命」をするって書いてあります? 「綱領」だけじゃないですよ。共産党が出した文書で、「暴力的な革命」をやりますなんていう文書があるんだったら持って来いって。これ何なんだ。全く根拠のないデマ。こういったことを公共のテレビの電波でしゃべっちゃうっていうのはね、犯罪的ですよ、はっきり言って。許されないですよ。
 共産党は今日TBSの番組の担当者に厳しく抗議しました。で、撤回を求めています。共産党に広報部っていうマスコミの窓口になっているところがあるんですが、そこが番組の担当者に抗議して、謝罪撤回を要求しました。担当者は「申し訳ない」とお詫びをしたそうです。番組は次は月曜日になるので、そこでどういう表明をするのか「上司と相談します」ということを言ったそうです。それが事実経過。これは完全に謝罪して撤回してもらわないと、僕らとしては許されない話です。
 「敵の出方」とか言ってるんですけど、共産党として、党の正規の方針として「暴力革命」という方針をとったことはただの一度もない。今も、共産党が出している方針の中にそんなことを書いているものはひとつもない。「敵の出方」論というのがあるから、「敵の出方」によっては暴力を使うんだ、みたいなね、そういう歪めた攻撃がされてきたんだけど、この「敵の出方」論も、選挙で多数をとって、政権をつくる、あるいは社会の改革を進めていくときに、いろんなかたちで攻撃してくるだろうと、それに対しては、世論の力、あるいは運動の力で抑えていこうということを、そういう言葉で表現したことはあるんだけど、暴力を使うとか、非合法的なことをやるとは一度たりとも言ったことはない。こういうとんでもない誤解、というかねじ曲げをする人がいるから、「敵の出方」ということば自体、もう使ってないんだけど、このあいだの中央委員会でも、もう使うのはやめますということを明確にしたから、もう跡形もないですよ。その「暴力革命」というようなものは…。
 もう、こういう根も葉もない…。要するにこういうことしか言えないんだろうね、共産党にいろいろと因縁をつけようとするとね。政策の中身とかでものが言えないから、こういうことしか言えない。情けない話だなと。
 一方で、自民党の総裁選挙はおもしろおかしく取り上げといて、野党には全く根拠のない攻撃をする。でも、これ、共産党に対する攻撃だけじゃないですよ。今、市民と野党で、共産党とも力を合わせて世の中を変えようとしているときに、そこに言ってきている。今日のテレビ番組も野党の共闘の議論のところで言ったわけでしょ。だから、これ、共産党に対する攻撃だけじゃないと僕は思うんだよね。共産党と力を合わせて世の中を変えようと思っている市民、あるいは他の野党の人たちに対する攻撃でもあるわけだから、僕は、市民がみんなで声を上げて、こういう根拠のない攻撃は許さないという大きな運動をつくっていかないといけないなというふうに思いました。

 しかし、小池氏の話には、どこか「触れてほしくない過去」に対する微妙なニュアンスも感じとれる。ポイントは、「党の正規の方針として」というところかと思う。小生の認識では、1955(昭和30)年7月の共産党第6回全国協議会(六全協)で、「極左冒険主義」(武装蜂起)が否定され、革命路線から議会主義に重心が移されたはずなので(正規の方針として)、共産党が過去から一貫して「暴力革命」と全く無縁だったかというと、そうとも言えない。そこを突かれて「暴力革命」のイメージが流布されていると思う(警察の文書などにもそうした認識が見える)。
警備警察50年の歩み 1(警察庁)

 公党が立場として「暴力」を認めるわけにはいかないし、かといって、「過去」のことにも頬被りというわけにはいかない。しかし、そこを曖昧にしているかぎり、何度でもこうした「誹謗中傷」は繰り返されていくのだと思う。この深刻な政治状況下に共産党関係者の今の力に期待する人は多いと思う。清廉潔白に越したことはないが、「過去の反省に立って今がある」ということを世論に知らせることも大事なことではないか。
 むろんそれで、八代氏の発言が許されるはずがないのは言うまでもない。



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