ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

欺瞞五輪の中止を

 福島県双葉町の様子を取材したロイターの映像というのを見た。昨年のものだが、今もそれほど変わりないのではないかと思う。

 3月26日付の君に届け! 滑稽新聞」さんTwitterより、字幕部分(一部改)を起こしたものを以下に。
 動画を是非ご覧いただきたい。

https://twitter.com/akasakaromantei/status/1375292824032210949

 福島県双葉町。3月下旬に行われる聖火リレーに向けて、沿道の整備が続いている。
 だが、地元の人々はうわべだけ飾り立てても復興には程遠いと話す。
 双葉町に立地する福島第一原発では、依然廃炉作業が続く。

 大沼勇治さんは原発事故で避難した町民の一人。大沼さんは、町が政府により「偽りの復興PR」に利用されていると感じている。
「オリンピックのためだけに、避難指示を解除したり、道がボロボロのところを整備しているだけであって、町民目線では全然復興していない、言葉だけの「復興」で、逆に沿岸部の方は(除染廃棄物の入った)フレコンバッグや、家屋を解体したゴミが積まれているので……。逆じゃないかな、と。そんなところに避難指示解除をして、帰還させようとするのはちょっと疑問です。」

 新型コロナウィルスの感染が世界に拡大し、東京オリンピックの開催を危ぶむ声も出ている。日本政府は、大会に影響はないという立場を崩していない。

 大沼さんにとって、問題は長引く放射能汚染だ。
 「枝道に入ると、昨日も来たんですけれど、(毎時)15マイクロシーベルト以上あったので、復興している――見せかけの部分、見た目はそうですけど、実際はまだ全然、9年近く時が止まったままの場所が多いので、「偽りの復興PR」だと思います。」

 聖火ランナー双葉町の整備されたコースを走り、うず高く積み上げられた瓦礫のそばを通ることはないだろう。建物は崩れ落ち、7,000人を超える町民たちは急いで避難せざるを得なかった。

 安倍首相は、事態は制御下(アンダーコントロール)にあると繰り返し、この大会を「復興五輪」にすると語った。だが、その五輪が、地域の復興の妨げになっていると憤る住民もいる。五輪施設や競技場建設のために人材が奪われ、復興事業に遅れが出ているのだ。


 性格の違う問題ではあるが、民意を無視して頑なに止めようとしないという意味では、沖縄・辺野古の基地建設もこれと同じに見えてくる。それは政府として、核兵器禁止条約に参加しないことにも通じるし、同類なことは他にも諸々あるだろう。この国が民主主義国家であるならば、核兵器禁止条約を批准しなければならないし、辺野古に基地をつくってはいけないし、東京五輪も止めなければいけない。それには、ごり押しすればそのうちおとなしくなると思っている国会議員諸氏を選挙でもって退場させること。もし、4月政変・解散があるとすれば、そこからしか始まらない。

 もちろん今も五輪や聖火リレーを楽しみにしている人はいるのだろうが、そういう人たちにこそ、上の動画を見て考えていただきたいと強く思う。





↓ よろしければクリックしていただけると大変励みになります。


社会・経済ランキング
にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
にほんブログ村