ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

聖火リレーの「辞退ドミノ」について

 著名人の聖火リレーの辞退が相次いで報道されているが、これにも情報管制(恣意操作)の影が見え隠れする。

 組織委によると、延期後の新たな聖火リレーの日程は昨年9月に確定し、著名人約600人を含む1万人ほどの走者に連絡がなされた。ところが、その後、感染防止を重視する政府から著名人の参加取りやめも含めた検討を求められたため、都道府県の実行委員会を交えた再協議となり、調整が難航した。組織委は、昨年12月と今年2月上旬の2度、日時と場所は調整中であると著名人側に伝え、出発が1カ月後に迫った2月下旬にやっと調整がつき、2月25日に約500人の著名人に、正式な日時や場所をメールなどで通知したという。
スケジュールの都合? 著名人聖火ランナー、相次ぐ辞退 - 東京オリンピック:朝日新聞デジタル

 福島県にゆかりのあるTOKIOや俳優の窪田正孝さんらは、すでに昨年12月の段階で辞退の意思を伝えていたようだが、発表されたのは今月になってからだ。

 2021年3月25日付「オプエド」でも著名人の辞退が話題となった。出演していた作家の本間龍さんらの話を以下に引用する。

【東京五輪】本間龍氏が解説!! なぜ聖火リレーの辞退者が続出したのか? 2021年3月25日 オプエド - YouTube

 井沢……福島県のJヴィレッジというところをスタートした聖火リレー。日本全国を121日間かけて巡り、7月23日の開会式へと繋がる予定にはなってるんですけど、自分が出ると密集になっちゃうからと、聖火リレーを辞退する方もいて、辞退者が続出していて。……これからもあるかもしれませんが、有名人タレントの辞退……についてはどのようにお考えですか?
 本間物理的に組織委員会の仕切りが悪くて、きちっと(日時と場所を)押さえられてなかったというのが大きいと思います。あと、個人的に出たくないと思う人もいるでしょうし、そういう人たちが「スケジュールの都合が合わない」んでって、まあ、みんなそう言いますよね。
 井沢でも、今さらねえ。「私はこのオリンピック、気が進まないから(リレーに)出ません」って言うのなら正直でいいんだけど、スケジュールと言ったって、もう何日も前からわかってたことだろうと僕は思うんですけどね。
 本間それはスケジュールの最終押さえを組織委員会がしてなかったんですよね。もちろん、一県2日か3日しかないんで、何月何日に走るというのはわかってるわけです。だけど、時間まで指定が来てない。有名人を走らせてはいけないとか何とかいうのがあって、時間を押さえていないということと、その日程も完全にフィックスしてなかったんですね。それが完全にフィックスしたのは2月25日だったんです。そうなるとスケジュールが合わないっていうこともね。暇なタレントさんだったら何とでもなるかもしれないけど、滅茶苦茶有名どころはやっぱり厳しいですよ。


 おそらく、上の井沢氏のように、事前に日程がわかっていたはずなのに、今さら「スケジュールが合わない」はないだろうと、著名人側の対応に疑問を感じる人も少なくなかったのではないか。小生も当初そう感じた一人である。しかし、経緯がわかれば、これだけで著名人側を責めるのは酷だと思える。にもかかわらず、関係機関が著名人側のドタキャンのイメージづくりをし、国民に辞退する者へ不信の眼を向けさせるとすれば、まさしく「口封じ」そのものだ。こんな具合に祝意や盛り上がりを外から強制する「お祭り」にどんな意味を見出せるのだろうか(「経済効果」でさえだんだん怪しくなってきている)。

 著名人の中には損得の計算を越えてこの聖火リレーに協力している人もいるだろう。一般の方々の中から選ばれて走る人たちはなおさらそうだ。こうした人々の善意を受けて「お祭り」を差配する側に、相応の資格があるようにはとても思えない。

 リレー初日に風もないのに2度も聖火の灯が消えたのは「天の声」ではなかろうか。いや、単に自称「技術大国」日本製のトーチの性能に問題があっただけかもしれないが……。
 →こんな記事もある。:さらば「日本製」…まもなく日本の「基幹産業」がどんどん消えてなくなる!(週刊現代) | マネー現代 | 講談社(1/5)




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