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日常と世相の記

頭の片隅にもない総選挙

頭の片隅にもない」とは、総選挙のことを聞かれたときのアベ氏の常套句としてお馴染みだが、ウソつきの言う嘘は本当か、と裏のウラのそのまたウラ……などと考えるとばかばかしくなる。まあ、踏み切るかどうかはともかく、頭のどこかに選択肢の一つとして「9月総選挙」があるのはたぶんまちがいない。

 『週刊ポスト』2020年7月3日号の記事より。

麻生氏 首相に「二階・菅氏の更迭、9月総選挙」を進言か|NEWSポストセブン

麻生氏 首相に「二階・菅氏の更迭、9月総選挙」を進言か
 異例の官邸会談だった。緊急事態宣言が全面解除された後の6月1日と10日の2回、麻生太郎・副総理兼財務相は官邸で安倍首相とサシの会談を持った。1回目は40分、2回目は1時間を超えた。国会審議や各種会議で分刻みのスケジュールの2人が、官邸で“人払い”をして2時間近くも何を話し込んだのか。
 その日、官邸を訪れた麻生氏は“極秘資料”を携えていたという。
「麻生副総理は1回目の会談で第二次安倍内閣発足からこれまで8年分の内閣支持率自民党支持率を分析した資料を持ってきて、内閣改造や解散時期、後継者問題について話し込んだようです。総理は資料を持ち帰り、2回目は総理から麻生さんを呼んで何らかの決意を伝えたフシがある」(官邸筋)
 新型コロナ対策への不満や黒川問題で内閣支持率は20%台(朝日、毎日)へと急落、「政権寄り」と見られている産経・FNNの合同世論調査でも「支持率36.4%、不支持率52.5%」(6月1日付)と不支持が支持を20ポイント近く上回った。
 麻生氏が危機感を強めているのは支持率急落だけではない。自民党内で「安倍はもう終わり」と見限る動きが急速に進んでいることだ。
 実力者の二階俊博・幹事長が真っ先に掌を返した。二階氏はつい最近まで
「安倍4選」論をぶっていたが、いまや4選を尋ねられても、「私のほうから『総理いかがでございましょうか』と伺いを立てに行くようなものじゃない」と突き放す言い方に変わった。
 しかも、安倍―麻生の2回の会談の間にあたる6月8日には、次期総裁候補の1人で“安倍首相が最も後継総理にしたくない人物”とされる石破茂・元幹事長と会談して石破派パーティでの講演を引き受けると、「高みを目指していただきたい期待の星」と持ち上げた。二階派議員がいう。
「安倍側近が『石破派パーティに出ないでほしい』と何度も言ってきたが、二階さんは『幹事長が自民党の派閥パーティで話をして何が悪い』ときっぱり断わった」
 菅義偉官房長官も首相と「官邸内別居状態」と言われ、「信頼関係が完全に崩れ、菅さんはいつ辞任するかのタイミングを考えている」(側近)と見られている。
進むも地獄、留まるも地獄
 政権を支えてきた二階氏、菅氏が“泥舟政権”から逃げ出す準備をはじめ、いまや安倍首相の周りを取り巻いているのはイエスマンの官僚ばかり。本当に腹を割って話ができるのは盟友の麻生氏しか残っていない。
「麻生さんは夏の内閣改造でその二階幹事長と菅官房長官を更迭し、新体制のもとで9月に一か八かの解散・総選挙を打つ決断を安倍総理に促した」(麻生派議員)
「太郎が動けば風が吹く」。永田町ではそんな言葉が囁かれている。3年前(2017年)の前回の総選挙もそうだった。
 麻生氏はその年のお盆休み前(8月9日夜)、東京・富ヶ谷にある安倍首相の私邸をお忍びで訪ね、2時間にわたって会談した。その1か月半後、首相は突然、「消費税の税収の使途を変える」と衆院解散に踏み切った。
今回の官邸会談後、永田町でにわかに解散風が吹き出した。政治ジャーナリスト・野上忠興氏が語る。
衆院議員の任期満了は来年10月までだが、来年の政治日程を見ると1月から6月までは通常国会、7月は東京都議選、それが終わると東京五輪パラリンピックが予定され、9月には自民党総裁選がある。逆算するとこの秋しか解散・総選挙のタイミングはない。それを逃すと任期満了の“追い込まれ選挙”となってしまう。麻生氏は総理時代に追い込まれ解散で大敗した苦い経験があるだけに、逆風でも勝負をかけるべきという考えでしょう」
 安倍首相には支持率急落さなかの総選挙は不本意だろうが、その先にはさらなる大逆風が待ち受けている。
 来年開催の東京五輪について、国際オリンピック委員会IOC)のコーツ調整委員長は「今年10月中に開催の可否を判断する」と言明している。開催中止となれば景気はさらに落ち込み、巨額の損害賠償問題も発生する。首相にすれば“進むも地獄、留まるも地獄”で破れかぶれの「9月解散」を打ち、IOCの判断前に総選挙を実施するしかない。

  最後に、衆議院解散は総理大臣の専権事項などと言ってるが、その根拠は、憲法7条:「天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。」のに「衆議院を解散すること。」とあることらしい。しかし、これは天皇儀礼的、形式的な役割のことを規定しているのであって、これを根拠だと強弁するのは都合の良い拡大解釈だろう。内閣不信任案が可決された際の対応(69条)でない限り、衆議院議員参議院議員と同様、任期いっぱい職務を果たすのが筋だ、ということは付言しておく。



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