ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

普通の国 普通のジャーナリズム 普通の首相会見

 Twitter上で少し話題になっているが、6月19日、京都新聞は、この間何度も催されてきたアベシンゾー首相の記者会見(“朗読の夕べ”)のあり方に疑問の声が広がっているとの記事を配信した。「今さら」感もあるが、「広がっている」と表現されているところに、現下のアベ政権の劣勢や力関係の変化を感じる。もっともっとこういう声を大きくして、政治家に相応の仕事をさせなければならないし、それができない政治家には退場してもらわなければならない。さらに言えば、違法行為や犯罪に手を染めている輩は、法治国家である以上、牢屋に入ってもらわなければならない。
 現状の朗読会、やらせ独演会を記者クラブが協賛して成立させているかぎり、報道関係者もアベ政治のおこぼれに預かる腐敗した特権者とみなされてもしかたない。「真のジャーナリズムとは!」などときばった言い方が必要な話ではない。どこでもやっている普通の記者会見の姿にすればいいだけの話である。

 以下、記事は日比野敏陽さんの署名記事。

首相会見に疑問の声 質問の事前聴取、フリー記者の参加規制…「活発な質疑を押さえ込む」|政治|地域のニュース|京都新聞

 新聞に掲載されたものは、弁護士の渡辺輝人さんのtwitterより。


 ……毎回20分以上の冒頭発言や官邸による質問の事前聴取、官邸記者クラブ非加盟の記者に対する参加規制などがあって、さらに新型コロナウイルス感染拡大の緊急事態宣言後は「3密の回避」を理由に既存メディアも1社1人に絞られ、フリーの記者も抽選になっている。
 メディア研究者やフリーのジャーナリストからは「会見本来の活発な質疑を抑え込み、説明責任を果たす場になっていない」という批判があがる。官邸の姿勢を容認しているとして記者クラブの責任を問う声もある。
 18日の記者会見。安倍首相が会見場に入室する直前、男性が演台に駆け寄り紙の束を置いて立ち去った。安倍首相のスピーチライターとされる秘書官だ。置いたのは官邸が事前に一部記者から聴取した質問と想定問答集とみられる。同じ光景が毎回の記者会見で見られる。
 第2次安倍政権の首相会見は(1)首相発言(2)内閣記者会の幹事社が代表質問(3)その他の社の質問、の順に進む。
 (1)で首相はプロンプターという透明な板に映し出される原稿を読む。官邸報道室は(3)についても記者会の一部加盟社に内容を聞き取り、想定問答を用意する。司会の長谷川栄一内閣広報官が指名するほとんどは聞き取りを受けた記者たち。長谷川氏は「質問は1社1問で」とアナウンスして会見を始める。
 こうした仕組みについて、会見に度々参加するフリージャーナリストの江川紹子さんは「質問を重ねて追及するなら事前通告も意味があるが、現状はなれ合いだ」と指摘。外国通信社の記者経験があるジャーナリストの神保哲生さんも「当局の質問制限も問題だが、記者側も異論を唱えず首相に言いっ放しを許している」と話す。



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