ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

アベ最長政権の“遺産”

 本日8月28日夕方、アベ辞任発表。理由は病気の再発。
 本人曰く、「病気と治療により大切な政治判断を誤ること、結果を出さないことがあってはならない。国民の皆さんの付託に自信をもって答えられる状態でなくなった以上、総理大臣の地位にあり続けるべきではない」と。
 とはいえ、「新しい薬の投与を始めたところ、24日の検診で効果が見られた」と述べていたのがひっかかる。「ある程度の継続的な処方が必要で予断を許さない」とは言うものの、どうして薬が効いて、これから好転するかも知れない矢先の24日の日に辞任を決断するのか、腑に落ちない。コロナ対策はもちろんだが、まだ、悲願の憲法改正、内閣最優先課題の拉致問題……と、やらなければならないことは残っているのだから……。しかし、噂の通り、その前から決断していたのならわかる。要するに、この先、ほとぼりが冷めたら食事に行ったりゴルフするときには薬が効いていることにして……と。この人の「病気」というのはそういうレベルの話なのではと邪推してしまう。
 それにしても、今回のコロナ禍に「病気と治療」に関係なく「大切な政治判断」をいくつも誤り、結果を出せてこなかったというふうには認識しないのだということもよくわかった。“仮病”とまでは言わないが、「病気と治療」が真の理由というよりも“方便”(口実 しかも2度目の)と解釈するのが妥当と思われる。

 さて、この最長政権の「遺産」については、方々で述べられているが、きっこさんがメルマガで配信した8月26日付第84号「60兆円 世界にばらまき 成果ゼロ。安倍首相の負の遺産で日本は終わるのか?」を読み、長期政権であったのにもかかわらず、何ら外交上の成果をあげられなかったこの政権、というよりこの人物がいったい何のために政治家を志し、国民の方は彼に何を期待してきたのか、考えさせられた。

 きっこさんが最後に触れているように、自民党総裁の任期残り1年を前に、8月24日の会見で、この人物は「最後の1年で取り組む最重要課題は何か」と問われて、「憲法改正」、「拉致問題」、「北方領土問題」と、2006年9月の第1次安倍政権発足時に掲げた最重要課題をそのまま挙げたのだ。この14年間のうち9年もこの人物に首相をさせた結果がこれである。

 今日の午後、株価は大幅に下落した。巻き添えにされたかたちの多くの国民は長期にわたるツケを今後ひとつずつ払わされることになるのだろう。愚直に生きてきただけの人たちも容赦なく……。


 以下、きっこさんの上の記事の部分引用である。

60兆円 世界にばらまき 成果ゼロ。安倍首相の負の遺産で日本は終わるのか? - まぐまぐニュース!


<前略>
……長期政権のメリットは、このように大きな外交問題とがっぷり四つに組むことができる点です。毎年のように首相が代わっていては、相手国の首脳と信頼関係を築くことが難しいだけでなく、政府内の引継ぎの手間も増えるため、複雑な外交問題を解決することは不可能です。しかし、長期政権であれば、これが可能になります。佐藤栄作氏の成果である沖縄返還は、長期政権だからこそ成し遂げられたのです。
 佐藤栄作氏に関しては、非核三原則を提唱しながらも、米軍による核兵器の日本への持ち込みを米政府と密約していた問題など、叩けば埃が落ちる問題がいくつもありますが、それでも沖縄返還を成し遂げたことは大金星です。………
……首相を5年半つとめた小泉純一郎氏も、2002年には北朝鮮金正日氏に拉致を認めさせて謝罪させ、2004年に5人の拉致被害者を取り戻しました。これに関しても、小泉政権が水面下で北朝鮮へ100億ドル(約1兆円)を支払ったとか、さらに莫大な金額を支払ったとか言われています。しかし、仮にそれが事実だったとしも、長年、まったく動かなかった拉致問題を、わずか5年半の政権で大きく動かした功績は称賛に値します。
…そんなわけで、5人の拉致被害者を取り戻した小泉純一郎氏よりも、沖縄返還を成し遂げた佐藤栄作氏よりも、さらに長く政権の座にいる現在の安倍晋三首相は、いったいどのような成果を挙げて来たのでしょうか。2006年9月、小泉純一郎氏の後を引き継ぐ形で、戦後最年少の52歳の若さで首相の座についた安倍晋三氏は、第1次安倍政権の最重要課題として「憲法改正」と「拉致問題」と「北方領土問題」を掲げました。そして、このメルマガを読んでくださっている皆さんの中にも覚えている人が多いと思いますが、この時、安倍首相は、拉致問題について次のように述べたのです。
北朝鮮による拉致問題は、私の内閣で必ず解決いたします。拉致被害者を最後の1人まで取り戻し、全員が家族と抱き合える日まで、私は必ずやり遂げると国民の皆さまにお約束いします」
 前任の小泉首相が5人の拉致被害者を取り戻してから2年しか経っておらず、世論も北朝鮮への怒りで一色だったため、このような目標を掲げざるをえなかったのかもしれません。しかし、この日から14年、拉致被害者は1人でも帰って来たでしょうか。たとえ1人も取り戻せなかったとしても、できる限りの努力をして、あらゆる手段を使って北朝鮮との対話を試みて、それでも進展しなかったのなら仕方ありません。
 しかし、安倍首相の場合は、何もして来なかったどころか、国内の保守層の支持率をキープするために「対話より圧力」という真逆の政策を推し進めて来たのです。これにより、拉致問題は一歩も二歩も後退してしまいました。一方、口だけでなく行動もするアメリカのドナルド・トランプ大統領は、2018年5月、北朝鮮に拘束されていた米国人3人を開放させた上で、翌6月12日、シンガポールで史上初の米朝首脳会談を成功させました。
 すると、安倍首相は、ここぞとばかりにトランプ大統領の成果に飛びついたのです。国内向けに「トランプ大統領と緊密に連携して日本人拉致問題についても米朝の議題に上げていただいた」と発表したのです。しかし、安倍首相が「トランプ大統領と30分にわたって拉致問題について電話会談した」と発表した、まさにその時間帯に、トランプ大統領はまったく関係ないことをセッセとツイートしていたのです。
 いくら破天荒なトランプ大統領でも、同盟国の首相と電話会談しながらツイッターをいじるようなことはしないでしょう。安倍首相の発表が嘘であり、国内向けに「やってる感」を演出しただけと考えるのが普通です。この人の場合、一事が万事、すべてこれなのです。できもしない目標や、やる気もない目標を次々と掲げ、ご立派なネーミングを付けたり担当大臣を決めたりと「やってる感」だけは演出しますが、どの政策も成果を出せぬままフェードアウトか先送り。そして、野党からツッコミを入れられると「道なかば」、逆から読むと「ばかな道」、これが安倍首相の本質なのです。
 安倍首相の任期は来年9月まで、あと1年1カ月となりました。でも、あたしが驚いたのは、24日の会見での「最後の1年で取り組む最重要課題は何か」との質問に対する答えでした。なんと安倍首相は「憲法改正」と「拉致問題」と「北方領土問題」を挙げたのです。これを聞いた瞬間、あたしは思い切りデジャブーしてしまいました。だって、これって2006年9月に第1次安倍政権が発足した時に掲げた最重要課題そのままだからです。この日から14年、そのうち9年近くも首相をやっていたのに、どれ1つ一歩も前に進められなかったばかりか、「拉致問題」と「北方領土問題」は後退させてしまったのです。ここまで無知で無能で無策で無責任な首相が、残り1年で何ができると言うのでしょうか。結局、あたしたち国民は、最後の最後まで「絵に描いた餅」を見せられて終わるのです。

<以下略>

追伸:「#100日で崩壊する政権」を描き続けていたなすこさん、もう50数日余計にかかりましたが、「崩壊」しました。慧眼でした。




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