昨日、貯蔵庫に残っていた前年産コシヒカリの玄米を米穀商のところに運んで買い取ってもらった。なかなか良心的な業者さんで、けっこういい値段で引き取ってくれて助かる。朝一で車に積んで運んだのだが、もう先約の農家さんが来ていて、事務所で主人とお話しているところだった。
農家:あれ? 何か領収書の金額、違うんじゃないの?
主人:そうですか? じゃあ、ちょっと確認して……。
農:いや、こっちは多い分には全然構わないから(笑)。黙ってようかと思ったんだけどさあ、ついつい………ねえ(笑)。
主:どうも、失礼しました。本数がちがってましたね。去年と引き取り額もちがうもんで……。令和元年(2019年)米がそこらじゅうで余ってましてね。減らすのに大変なんですよ。コロナのせいで消費量も落ちてるし……。
農:もう、コメ作れないところは辞めていいんだよ。
主:いやまあ、そういうわけにも……ねえ。
農:それで解決するじゃんよ。俺らの代が辞めたら、もう日本の農業は終わり。田んぼは荒れ放題だから……。
主:うーん。
米穀データバンクによると、7月末時点での今年の全国の水稲作柄は98=「やや不良」。7月の低温・大雨・日照不足傾向の影響とのこと。地帯別の作況指数は、北海道が98の「やや不良」、東北・北陸が99の「平年並み」、関東・東海・近畿・中国・四国及び九州が95~98の「やや不良」、沖縄が102の「やや良」。都道府県別で99~101の「平年並み」は、青森・秋田・山形・新潟・富山・石川・島根の7県、沖縄を除くその他39道府県は95~98の「やや不良」が見込まれるとのこと。
確かに田んぼの稲を見てみると、黄金色の穂は下がっているが、たわわに実って、という感じではなく、やや細い。8月に入ってから連日晴れてはいるが、超高温つづきでもあり、指数の戻りも+1程度で100=平年並みまでは回復しないのではないかというのが小生の印象。
県の「農産物技術情報」によると、4月24日頃に植えたコシヒカリは来週8月26日頃、5月2日頃に植えたものは9月4日頃に成熟期を迎え、いよいよ刈り取りが始まる。来月には新米コシヒカリが店頭に出回りそうだ。
それにしてもねえ。「日本の農業」、「田畑の荒廃」……。他人事でないね。