ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

藤井聡太新棋聖のこと

 コロナ禍や豪雨災害、政府の失策……などが続く中、個人的には唯一と言える明るい話題(敗れた渡辺明二冠ファンの人にとっても同じだと思う)。
 小生は将棋は素人で(むかし小学生だった姪っ子に勝った記憶があるが、別の機会では負けたことも……!笑)、何か発言できるような能力も材料も持ち合わせていないが、東京新聞の7月17日付の記事を読み、対戦相手や周囲の人間を鼓舞し熱くさせる、藤井さんのその存在性に心がひかれた。記事には次のようにある。

藤井聡太新棋聖 棋士たちが語る17歳の強さの秘密:東京新聞 TOKYO Web

……なぜ藤井棋聖は17歳にして、そこまでの棋力を身につけることができたのか。地頭の良さ、何事にも動じない精神力、誰よりも深い将棋愛など、多くの条件が重なったことは間違いない。ただ、筆者はそれらとは別の要因として、一つの仮説を挙げたい。
 ヒントになったのは、高野六段の言葉だった。藤井棋聖とは2月、順位戦のC級1組で戦っている。昨春に対局の予定がつくと「間違いなく歴史に名を残す棋士。一生に何度もある経験ではない」との思いで、秋ごろから本格的な準備に入った。AIを搭載した研究用パソコンのスペックを上げ、藤井棋聖の得意戦法から派生する変化を一つ一つ検討していった。
 その時に実感したのが「藤井さんと戦う棋士は、みんなこれほど気合を入れているんだ」との思いだった。「どの棋士も、藤井さんとの対戦はいい内容が多い。入念な準備をした状態で臨み、決して楽には勝たせていない」
 藤井棋聖にしてみれば、毎局、対戦相手が目の色を変えて全力で向かってくるわけである。それを正面から受け止め続けた経験は、成長の大きな糧となっているはずだ。「相手のエネルギーを自分の力に変えていると思う。そうでなければ、これほど指数関数的な成長の説明がつかない」と高野六段もうなずく。
 高野六段と藤井棋聖の対局も好局となった。終盤にミスがあり「一気に決められた」ものの、中盤までは互角の進行だった。「藤井さんはものすごく強かったが、やれることはできた」と達成感が残った。「年を取り、将棋教室や観戦記などの仕事も増え、対局が最優先というわけではなくなっていた。その自分がこういう将棋を指せる。まだ頑張んなさい、と天に言われている気がした」
 高野六段の前期順位戦の最終結果は7勝3敗。在籍12年目となるC級1組では2度目の勝ち越しで、過去最高の成績だった。藤井棋聖の活躍に引っ張られる形で、「おじさん」棋士も結果を残した。「スターが出れば業界は盛り上がり、周囲にいい影響を与えてくれる。それがスーパースターならば、その業界にとどまらず、世の中をも動かしていく。藤井さんはそういう存在になりつつある。……

 そういえば、師匠の杉本昌隆八段も、八段になったのは、弟子の藤井さんの段位が迫ってきたから一念発起して……みたいな話をしていた。
 将棋人口も増えているらしい。周りは決して良識のある人間ばかりではないし、いくら「大人」びてると言っても17歳で「誘惑」も多いと思うが、メディアの「消費財」にならないよう、応援していきたい。




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