11月1日の大阪市廃止・特別区再編の是非を問う住民投票は翌日1時過ぎに開票結果が確定した。
〇 賛成 675,829票(49.37%) 前回694,844票(49.62%)
✖ 反対 692,996票(50.63%) 前回705,585票(50.38%)
※投票率62.35% /前回66.83%)
約1万7千票の僅差で反対多数となり、大阪市の存続が決まった。
詳細は以下の11月2日付朝日新聞デジタルの記事。
【詳報】1万7千票差、再びNO 松井氏「私の力不足」 [大阪都構想]:朝日新聞デジタル
興味深かったのは「住民投票の賛成反対の地域分布」で、前回の2015年と全く変わっていない。この件に関しては、地域性が明瞭だ。
※出所:同上、11月2日付「【詳報】1万7千票差、再びNO 松井氏「私の力不足」」
一説によれば、地域コミュニティー(地縁的・生活共生的つながり)の強弱がこの色分けに大きく影響しているという。
それにしても、これだけ賛否が拮抗していると、選挙が終わればノーサイドとはいっても、維新の言う「大阪の発展を阻害する二重行政の弊害」といったフレーズに今後もひきつけられる市民が大勢出てくることは十分予想できる。それは今回賛成投票した人ばかりではなく、反対票を投じ大阪市の存続を望んだ人々の中にも少なくないだろう。今後住民投票が行われることはないにしても、こうした感情がまだまだ尾を引いていくことは市政の波乱要因になり続けると思う。
関係ないが、これが、もし明日のアメリカの大統領選挙と同じ「勝者総どり方式」だったら、大阪市24区のうち賛成多数の区は9区なので、反対(15区)の圧勝みたいな話になって、賛成票を投じた人々の思いが相対的にかすんでしまうかも知れないと思った。反対側は「勝って兜の緒を締めよ」の格言通り、賛成・反対双方に伏在するはずの、維新の主張にひきつけられる人々の思いを汲みとっていく努力を怠らないようにしないと。
しかし、今回このコロナ禍に再び住民投票をしかけた維新と公明の“裏取引”については糾弾されてしかるべきだ。
ハシモト徹は、衆院選の候補者擁立と今回の住民投票をめぐって、何と公明党との“密約”があったと、公然と述べている。
「急ぎすぎと言うけど公明党と握ったわけですよ、衆議院選のイスを維新は公明党に譲る代わりに賛成になってもらった。衆議院選の後に投票だとこの約束がどうなるかわからない。その前にやらないといけない。」
出所:https://twitter.com/osakatokosono/status/1322944828401876992
学会員の中にはこうした現公明党執行部のあり方に批判的な方が増えていると聞く。有権者の中にも、なんでコロナの今、住民投票なのか、という疑問の声が多数上がっていた。党利党略はどの政党にもあるものだとはいえ、最終的に公約なり方針なりが“どっちを向いているか”を峻別することは決定的に重要だ。この大阪の“実例”を自分にひきつけ、1年以内に行われる衆議院選挙のことを考えようと改めて思った。
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