昨日地元のスーパーで惣菜を買ったのですが、まあ、こういうのを「ステルス値上げ」というんでしょうか。トレーに入ったシュウマイを買って家で開けたら、6個入りと思ったら、5個しかないのです。もしや入れ忘れかとも思ったのですが、表の透明のふたに貼られたラベルの下に本来あるはずの1個が見当たらないところから察するに、ははーん、ラベルの陰で上から見えないのをいいことに、この1個分を減らしたんだと気づきました。まったく、セコイことをするもんだなあと苦笑しつつ、もうひとつの白菜漬けの容器を見たら、右側よりも左側に量が片寄っていて、右側に表示ラベルがあることからすると、これも同じようにラベルで隠して外見上量が減っているのに気づかれないようにしているのだと推察したわけです。
諸物価・人件費の高騰により、前と同じ代金と容量でものを売るわけにいかない店側(メーカー側)にも「言い分」はあるのでしょうけれど、こんなことをしても、すぐにバレて買い手を不愉快にさせるのは明らかなのに、それをわかっていながらやるのですから、現下の物価高では、客の不信感(評判)など、かまってられないということでしょうか。
先日トラクターのエンジンオイルを交換しようと思って、4リットル缶をネットショップで探してみましたが、案の定、どこも売り切れ状態で、やっとのことで探し当てたところは、値段が通常の倍以上でした。これは単なる円安だけが理由ではなく、イラン戦争によるホルムズ海峡の閉鎖にともなう石油関連の品不足が招いたのは明らかです。これに限らず、月が替わった今月も物価高のラッシュは止まりませんし、今後も数多くの品物の値上げが予定されています。世はまさにインフレの真っただ中です。
内閣支持率が下がった理由を訊かれて、高市首相は「分からん」と言っていましたが、「分かろう」と思って、部屋に籠ってないで、街中に出て人と話せばすぐに「分かる」話です。だから、正確には「分からない」ではなく「分かりたくない」というところでしょう。「分かりたくない」理由の一つは、単なるプライドのせいもありますが、「高市円安」とか「高市インフレ」などと言われ、経済対策が後手に回っていると批判されるのが嫌だからでしょうか。
これをとらえて、首相を「経済ド素人」とか「経済オンチ」と称し、揶揄する人は多く、小生自身もこれまでそういう投稿を繰り返してきました。しかし、最近はやや違和感をおぼえるところもありまして、もちろん高市首相が「経済通」ってことはないんでしょうけれど、むしろ、円安やインフレに関しては「確信犯」的な部分が強いように思えるのです。
最近よくネットで視聴している「Arc Times」の7月31日付放送回で、尾形聡彦さんと経済学者の金子勝さんはこんな対話をしていました。
- YouTube〈28分30秒過ぎあたりから〉
尾形 (7月30日夜からの)為替介入の話に戻りますとね、今また1ドル=160円に戻っちゃったわけですけど、1日前は(1回目の介入により)163円からドーンと157円台まで下がったんですね。それがまた160円台に戻りそうになったんで、もう一回介入したんだけど、また160円台後半に戻ってきちゃって。マーケットには見透かされていて、円安圧力は強いし。
金子 高市さんも記者会見にフリーランスの人を入れて会見で質問OKにしたら、兵庫県の斎藤知事と同じで目が泳いで、自分が何を言ってるのかわからなくなっちゃうと思うんだな。……米国のベッセント(財務長官)だけが(日本の円安に)慌ててるっていう感じでしょう。
尾形 日銀総裁の会見が終わって、31日の17:10くらいですけど、外を歩いていて短資会社の掲示を見たら、もう1ドル160円に戻ってましたね。
金子 3円が1日どころか数時間で戻っちゃうなんてまったく怖ろしいことだよ。為替介入したって全然効かないってことだろ、これ。
尾形 それが高市首相に対するマーケットの答えですよ。(食料品の)消費税減税について、財源は何も言えなかったでしょう。卑怯だと思うのは、為替介入で「化粧」をしたわけですよね。封じ込めようとしたんですよ、マーケットの反応を。そしたら、跳ね返されちゃったわけですよね。
金子 アリバイでやった面もあるよね。介入をやって、為替を抑えたふりをするけれど、実は円安インフレを望んでいる可能性もあるよね。あんまり行き過ぎるのは嫌だけど、適度に円安インフレになってくれれば、税収は上がってくるわけだから。
尾形 そうですよね。高市首相が債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていきますって言ったときは、私がやってるのはインフレ政策で、インフレになれば国の財政は楽になるんですって言ってるだけなんです。それは円安にしてみなさんの生活は苦しくしますが、国はいいっていうのが、あのマジックワードである「債務残高の対GDP比を引き下げることを中核として」と言っていることの意味なんですね。高市政権の政策の中核はインフレ政策、つまり物価を上げる政策なんですね。
金子 そうそう。つまりこれは、消費減税をしながらも、増税の詐欺なんだよ。新聞もきちんと指摘していないんだけど、日本成長戦略で10兆円の政府支出がある。それから「骨太方針」もそういう方向に乗っかっていくと。しかし、財源が一言も書いてない。でも「責任ある積極財政」だから、財政赤字の対GDP比は減っていくと。インフレで自然増収を狙ってるとはっきり書いてる。増税するって言ってるのに、何かみんな騙されてるっていうかな。……
国の借金問題を解消する方法は「徳政令(踏み倒し)」かハイパーインフレだろうと冗談半分に話していたのが、おそらく今から四半世紀以上前です。当時はそう言いつつも緊張感が薄かったと思うのは、現下の高市政権でそれが現実味を帯びてきたからだと思えます。自民党内に政権に「反旗」を翻す者が現れ始めたのも、単なる権力闘争だけでは済まない感じです。
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