ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

マイクを放さない音痴には退場を

 今日はごく短く。
 4月2日の木曜午前(現地時間水曜夜)にトランプ大統領が米国の国民向けに「演説」をしました。イランへの攻撃開始から1か月。(世界ではなく)アメリカの国民に不安を与えていることを念頭に、政権として何らかの釈明をせざるをえなくなったと思われます。しかし、その内容はというと、不安解消には程遠く、逆に、失望を感じた人が多かったのではないでしょうか。

 小生も、たまたまですが、NHKで放映されているのを目にしました。他国の為政者の国民向けのメッセージをわざわざライヴで中継するなんて、さすが「51番目の州」だなぁ、などと思いながらしばらく眺めていましたが、トランプお得意の自画自賛が続いて、半ば過ぎでもうアホくさくなってきました。特に(言うことをきかないと?)イランを「石器時代へ引き戻す」との発言には、びっくりしました。「壊滅的な大規模損失」を与えて瀕死の状態にある(としている)国を、さらに攻撃して「石器時代(の状態)」にする――トランプの話法は最上級の上に延々と最上級があって際限がありませんが(逆に言えば、すごい、すごいと言っているだけ)、こういう話をすると米国民にはウケがいいんでしょうか。
トランプ大統領演説全文・2026年4月1日 | Japan Luggage Express
トランプ大統領「石器時代に戻す」イラン攻撃で圧勝を強調「戦略目標ほぼ達成」 - 国際 : 日刊スポーツ

 マイクを握って放さない音痴の歌を延々と聞かされるのはもうまっぴらだ――米国民にもそう思っている人は多いでしょう。誰かが声を上げなければならない。トランプのようなならず者を岩盤で支える層がいる一方で、公然と反旗を翻す者が現れ、それを力強く支える層があるのも米国です。この国を「偉大」にしてきたのは後者の、たとえば、ロックシンガーのブルース・スプリングスティーンのような人物であって、トランプでは決してないと思います。
ブルース・スプリングスティーンが全米ツアー初日にトランプ政権を糾弾「腐敗していて無能」=米紙報道 | 東スポWEB

 3月31日から反トランプを掲げ、全米ツアーを開始したスプリングスティーンは、最初の地ミネアポリスで、「今夜はまず、海外で任務に就いている男女兵士たちのために祈りを捧げたいと思う。彼らの無事の帰還を祈ります」と挨拶しました(兵士や公務員をチェスの駒としか見ないトランプに、こんな気は回らないでしょう)。この気遣いを含めた彼の冒頭のあいさつにこそ、アメリカの進むべき道が示されていると思います。今日はこれを引用して締めとします。マイクを握りつづけ、聞くに堪えない歌を歌い続ける音痴は退場を!です。
ブルース・スプリングスティーン「ランド・オブ・ホープ・アンド・ドリームズ(希望と夢の国)」アメリカ・ツアー初日ライヴ映像公開 | ブルース・スプリングスティーン | ソニーミュージックオフィシャルサイト

……俺たちは、アメリカの理想、民主主義、憲法、そして神聖なるアメリカの約束を称え、守り抜くためにここにいる。俺の愛するアメリカ、50年間、曲に書いてきたアメリカ、世界中で希望と自由の灯台であった国は今、腐敗し、無能で、人種差別的で、無謀で、反逆的な政権の手に落ちている。今夜はみんなに呼びかけたい。俺たちと共に立ち上がってくれ。恐怖ではなく希望を、独裁ではなく民主主義を、無法状態ではなく法の支配を、横行する汚職ではなく倫理を、自己満足ではなく抵抗を、分裂ではなく団結を、そして戦争ではなく平和を選ぶために!

〈追記〉
報道によると、イランの中部でアメリカ軍の戦闘機F15が撃墜されたようです。これとは別に、ホルムズ海峡近くでもA10攻撃機が被弾し、墜落したというニュースがあります。先日トランプ大統領は国民向けに、イランのレーダーは100%破壊したと話しておりましたが、これは地上から投げられた石か竹槍が命中したんでしょうか。そういえば、イランを石器時代に戻すんでしたっけね。
“米軍F15をイラン中部で撃墜”イラン報道 米メディアも“墜落”伝える


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