ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

後ずさりしながら虚勢をはる男

 今日はもうひとつ記事を投稿します。
 「後ずさりしながら勝利する男」――これは1974年10月、アフリカ・ザイールのキンシャサで、ジョージ・フォアマンを破って世界ヘビー級チャンピオンに返り咲いたモハメド・アリのことです。相手に攻め込ませておいて、打ち疲れたところを狙って一気に勝負をつけるという作戦でフォアマンを倒したアリの勝利は、のちに「キンシャサの奇跡」と呼ばれました。それから半世紀。2026年の現在に現れたのは、無謀な戦いをおっ始めて収拾がつくなくなり、何とかごまかそうと強がりを言い続ける、子どものような男。「後ずさりしながら虚勢をはる男」です。

 この男が言うには、イランとの(停戦に向けた)協議は順調に進み、「大きな成功」を収めているらしいのですが、最後通告としていた(攻撃)期限を再三延長したあげくに、遂行目標までがあやふやになって、周辺海域に無理やり集結させた自国兵士を不安にさせています。一般的に、戦争になれば、情報戦もあるので、相手がどうあれ自国は勝った、勝っていると称するものでしょうけれど、米国の今の様子を眺めていたら、亡くなった歴史教育者(教員)の吉村徳蔵さんが言っていた話を思い出しました。これは5年前のブログでも引用したので、短く言うと、
過去の嘘 現在の嘘 - ペンは剣よりも強く

 大阪のA国と東京のB国が静岡あたりで戦争をして、両方とも勝ったと言い張る。その後、名古屋あたりで戦って、また両方とも勝ったと言い張る。さらに、これはオマケですが、京都で両国が戦って、またも両者が勝ったと言い張る。戦争をして両国が勝つことは実際にはあり得ないとすれば、嘘をついているのはA国かB国か、どちらかわかりますか? という話です。

 似たような質問を、小生も学校に勤めていた頃に生徒にしたことがあります。クラス全員がすぐに気づいたかどうかはわかりませんが、カンのいい子どもは、名古屋の戦いの時点でもう気づきました。アメリカが対イラン戦争をめぐり連日発表している内容もこれと同じで、大阪-東京の上の例よりも情報量が多いだけで、構図的にどちらが劣勢かは、子どもたちにも十分見通せるレベルでしょう。軍事力が強ければ、戦争に勝てるというわけではない――それを米国は歴史から学んできたはずですが、この男はそうではないようです。

 テレ朝NEWSのタイムラインを見ながら、この10日ほどの動きを時系列で追ってみましょう(日付は日本時間)。
米・イスラエルがイラン攻撃…中東に広がる戦火 戦闘終結へ向けた交渉どうなる|テレ朝NEWS

3月22日 トランプ大統領が48時間以内のホルムズ海峡開放を要求。
      さもなくばイランの発電所を壊滅させると警告。

3月23日 イラン、発電所を攻撃するならば、ホルムズ海峡を完全に封
      鎖すると警告。

      トランプ、イランへの攻撃を5日間延長と発表。
      強襲揚陸艦などの米艦が27日頃に海域に集結と伝わる

3月24日 5日間延長発言に、イランは時間稼ぎと反発。
      アメリカとの交渉は存在しないと公言。

      トランプ、イランとの合意の可能性非常に高いと発言。
3月25日 トランプ、イランは「合意したがっている」と発言。
      イラン側は否定。
      トランプ政権、戦闘終結にむけた15項目を発表。
3月26日 トランプ、イラン攻撃はヘグセス国防長官が最初に声を上げ
      たと発言。

      イラン、アメリカに停戦に向けた5つの条件を提示。
      米報道官、イランが協議を拒否するなら激しい打撃をと発言
      トランプ、イランとの戦闘は圧倒的勝利と発言。

      イラン外相、米国と交渉はしていないと発言。
      トランプ、「手遅れになる前に真剣になるべき」と発言。
3月27日 イラン、米国との停戦協議一切ないと発表。
      トランプ、イランと合意できるかどうかわからない、
      応じなければ「最悪の悪夢」と警告。
      トランプ、イランの要請を受け、エネルギー施設攻撃を10日間
      延期と発表。

3月28日 親イランのイエメンのフーシ派介入。イスラエル攻撃。
      トランプ、イランは取引を懇願している、彼らは逃げ回っている
      と発言。

3月30日 米、地上作戦準備、イラン、待ち構えて燃やすと応酬。
      トランプ、カーグ島占領に言及。「望みはイランの石油奪うこと」

3月31日 米、イランとの協議は順調と発表。
      トランプ、戦費は湾岸諸国が負担と発言。
      トランプ、「ホルムズ海峡封鎖のままでも戦闘終結の準備あり」。

 最後に、日曜の新宿駅付近に、イラン攻撃に抗議してこれだけの人が集まっているのに、加えておそらく、大阪ほか各地でも大勢の人が声を上げているのに、NHKを筆頭に、TVや新聞など大手メディアがこれを一切報道しないのは、相当異常です。この国で普通にジャーナリズムをする気があるのは神奈川新聞だけなのでしょうか。
イラン攻撃巡り米大統領に抗議、評価避ける高市首相も批判 新宿で集会 時代の正体 高市政権考 | カナロコ by 神奈川新聞



⇩よろしければクリックしていただけると大変はげみになります。

社会・経済ランキング
にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
にほんブログ村