福島県の中学校で、先週の3月11日、卒業生向けの最後の給食に赤飯を用意したところ、「震災のあった日に赤飯はおかしい」と学校へ電話があり、市の教育委員会の判断で、赤飯給食は急遽取りやめとなり、代わりに学校で備蓄していた非常用の缶詰パンを出したそうです。よりによって3月11日に赤飯とは何と不謹慎な――3.11の被災者でなくとも、そのように感じる人がいておかしくはありませんが、卒業生をお祝いすることが趣旨の給食であって、決して15年前の甚大な被害と被災者を冒瀆するものではありませんと、教育委員会も学校も毅然と説明をしてほしかったところです(Yahoo!ニュースのコメント欄を眺めると、中止と赤飯の廃棄という市教委の対応に批判的な内容が大勢です)。
卒業祝いの給食に赤飯、震災15年と重なり2100食分廃棄 福島 [福島県] [東日本大震災]:朝日新聞
卒業祝いと3.11が重なったからといって2100食分の赤飯を廃棄するのは食品ロス削減推進法に背く行為 #エキスパートトピ(井出留美)のコメント一覧 - Yahoo!ニュース
「不謹慎」と言えば、雑誌『地平』・4月号にこんな記事があります。ロシアとの戦争が続くウクライナ。冬の長いウクライナで、春が終わる6月を期限とする賭け事があるそうです。
「これは買いだ。急げ!」
〈ロシアは6月30日までにスラビャンスク(ロシア軍占領地に隣接するウクライナ・ハルキウ(ハリコフ)州の一地域)を占領するか〉。この設問で賭けをしているのは、米国のニューヨークを拠点とする企業、ポリーマーケットだ。2020年の設立以来、暗号通貨を活用し、オンラインで予測市場を運営している。扱うテーマはスポーツから政治まで多岐にわたる。2024年の米国大統領選挙では、ドナルド・トランプ氏とカマラ・ハリス氏をめぐる戦いに33億ドル以上が賭けられた。
ポリーマーケットのウェッブページで「ウクライナ」と検索すると、2月14日現在、96種類の賭けが表示される。この日のトレンド最上位は、〈ロシアとウクライナは2026年6月30日までに停戦するか〉で、賭け金12万ドル。「イエス」は25%で、賭け金の総額は114万ドルだった。他には、ウクライナ大統領選挙の実施時期を賭けるもの、NATO加盟の時期を賭けるもの、そして、首都のキーウが爆撃を受ける日を賭けるものもあった。
スラビャンスクについての賭けのトレンドは49位で、「イエス」は10%、賭け金の総額は14万ドルだった。……このページの閲覧者が記入したコメントは31件で、ほとんどが匿名だった。そこには英語でこんなメッセージが並んでいた。
「これは買いだ。急げ!」
「絶対に無理だ。クラマトルスク(同上)には近づけるかもしれないが、スラビャンスクは持ちこたえるだろう」
「現時点では10倍のリターンだ」
「レッツゴー!」
「ウクライナのナチどもは、クソ食らって終わりだ」
(尾崎孝史「ウクライナ通信 ドンバスの風に吹かれて」、『地平』・4月号 184-186頁)
このニューヨークにあるという賭け屋は、米国とイスラエルによるイラン攻撃にかかわることも賭けの対象にしているようです。たとえば、原油価格が3月末までに200$が3%、180$が5%、150$が10%……で、賭け金の総額は3,250万ドル超。WBCの優勝国の予想もあって、米国が73%、ヴェネズエラが18%、イタリアが8.5%で賭け金の総額は194万ドル超。米軍のイラン入国や停戦の時期を予想する(賭ける)ものまであります。人の不幸を賭け事にするなんて――でも、儲かるんだからいいじゃん、きれいごとを言うなと言わんばかりです。
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他方、開催中の第98回アカデミー賞の授賞式に、「戦争反対」を掲げたバッジをつけて参加した俳優がいます。ハビエル・バルデムさん。バッジには「戦争反対」を意味する「No a la Guerra」が赤字で書かれています。
アカデミー賞で血文字の「戦争反対」スペイン出身のオスカー俳優が訴え - ハリウッド : 日刊スポーツ
2月28日に始まった米国とイスラエルによるイラン攻撃から半月後に迎えた第98回アカデミー賞授賞式で、スペイン出身のオスカー俳優ハビエル・バルデム(57)が、血をほうふつさせる真っ赤な文字で「戦争反対」とスペイン語で書かれた手作りのバッジを身に着けてレッドカーペットに登場し、停戦を訴えた。
今年のレッドカーペットでは、トランプ政権の強靱(きょうじん)な移民政策を批判する「ICE(米国移民・税関執行局)アウト(出て行け)」や「いますぐ停戦を」のメッセージが書かれたピンバッジを身に着けて出席するセレブの姿が見られたが、2008年に映画「ノーカントリー」でアカデミー賞助演男優賞を受賞したハビエルは「No A La Guerra」とスペイン語で戦争反対を訴える大胆なメッセージを胸に掲げた。さらにその下にはパレスチナへの連帯を示すピンバッジもあり、イスラエルのガザ攻撃も非難した。
長年にわたりパレスチナの人権擁護を声高に主張してきたバルデムは、インド人女優プリヤンカー・チョープラーと共に国際長編映画賞のプレゼンテーターとして壇上すると、間髪入れず「戦争反対。パレスチナ解放」と宣言。台本にはなかったと思われる発言だったが、会場からは大きな歓声が沸き起こった。隣に立つチョープラーは微笑みながらうなずき、バルデムはその後すぐに用意されていた元のスピーチに戻り、映画に魅了された理由を語った。
ネットでは「オスカーを台無しにした」「飛行機に乗ってパレスチナ解放に向かえばいいのに」「なぜウクライナについて言及しなかったの」などさまざまなコメントが寄せられ、賛否両論を巻き起こしている。
レッドカーペットで取材に応じたバルデムは、戦争反対のバッジはイラクへの違法な戦争に抗議するため2003年の授賞式でも身につけていたものだと話し、「23年後に再び起きたトランプ大統領と(イスラエルの)ネタニヤフ首相による違法な戦争に抗議するものだ」と明かした。
程度問題もありますが、世の中には「不謹慎」なことをする人はいます。でも、3.11だから卒業祝いに赤飯を出すのが「不謹慎」だと怒りを覚えるならば、米国でWBC(や今後W杯)の試合が「何事もないかのように」に行われることに、疑問や違和感があってもよさそうなものです。
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