昨日の「高市内閣・第三幕」の続きです。「第一幕」が連立の組替えと首相就任以後、「第二幕」が衆院解散総選挙での圧勝以後。多方面からの批判をよそに、数は力で、予算案の年度内成立に猛進する姿に、ますます勢いを得ているのかと思いきや、世論調査の内閣支持率やヤフコメなどを眺めていると、どうも短期間で風向きが変わってきた感じがします。この間の出来事と国民の受け止め方に変化があるのか。
今朝見かけた「プレジデント」の二つの記事にもその「兆候」を見た感じがします。
まずは日付の古い、3月10日付の城本勝氏の記事から。氏によれば、「(保守派の)失望」の始まりは
①「竹島の日」の式典で、去年9月の自民党総裁選の折に高市は「大臣が堂々と出て行ったらいい」と公言したにもかかわらず、実際この日にあいさつに立ったのは内閣府の政務官。これには会場から「なんで大臣じゃないんだ!」と怒号が上がったとのこと。続いて、評判が悪いのは、旧氏(旧姓)使用拡大を進めるための
②旧姓単記を可能とする法環境整備。どっちつかずな内容で、選択的夫婦別姓を求める人たちからは問題解決にならないと批判され、保守派からは夫婦別姓に道を開くと非難されるありさま。この中途半端さが禍根を残す可能性は大でしょう。それに、内閣支持率を下げた直接的原因と思われるのが
③カタログギフト問題です。加えて、今進行中の
④予算案の年度内成立への執着ぶりについては、本人のメンツ優先で、これは与党議員にさえあまりプラスに働いていない印象です。城本氏は記事でこう書いています。
保守層の「高市離れ」が始まった…大勝したのに空回り、自民党幹部が漏らした「孤独な首相」という政権の急所 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
……高市首相は、選挙の圧勝を受けて、何が何でも年度内に予算案を成立させるのだと、自民党に対して指示を出した。通常国会冒頭の解散で、すでに予算案の提出は1カ月遅れている。
通常は、審議に2カ月ほどかけて成立させるのだが、首相は、それを1カ月にも満たない短時間で成立させるのだと意気込んでいる。力づくで押し通そうとする姿勢に、野党側も態度を硬化させている。……
石破茂前首相でさえ、少数与党の国会で予算を年度内に成立させた。巨大与党をつくった自分が、年度内に成立させられないようではメンツが立たないとでも思っているのだろうか。
「それもあるかもしれないが、首相はとにかく予算委員会の答弁を嫌がっていた」
国対の経験が長い閣僚経験者はそう解説してくれた。
確かに、首相になったばかりの臨時国会の予算委員会で「自分ばかりが当てられる」と当時の枝野幸男予算委員長の采配に不満を示し、本会議場で水も飲ませてもらえないと国会の庶務を担当する議運委員長の浜田靖一氏にも不満を漏らしていた。台湾有事をめぐる答弁の問題や旧統一教会をめぐる問題など首相にとって不快なやり取りも多かった。
この議員によると、高市首相は自分が納得するまで準備しないと気が済まないので、実は、睡眠不足とストレスで、相当、追い詰められていたのだという。
「早期解散に踏み切ったのは、通常国会でまた予算委員会でぐちゃぐちゃやられたら持たない。もう限界だ、というのが本当の理由だという側近もいる。その結果、自分でも驚くほど勝ってしまったのだから、もう好きなようにしようと思ったんだろう。だが、首相は国対の経験がないから、国会運営が全く分かっていない。このまま突っ走ると参議院に『荷崩れ』して送ることになるから、かえって時間がかかるよ」。「荷崩れ」というのは、国対用語で、不正常な状態、例えば強行採決などで強引に予算案や法案を通すと、野党の審議拒否などで参院での審議が冒頭から動かなくなることを指す。衆議院では圧倒的な数の力の前に野党には抵抗の術もないが、参議院では、与野党は逆転している。国民民主や参政党も、与党の進め方に不満を強めており、このまま衆院通過を強行すれば、荷崩れ状態で参議院での審議が遅れる可能性がある。
この閣僚経験者は、「高市首相もやっと状況が分かってきたみたいだが、さて、いつ降りるのか。今度はそれを何とかするのが与党の仕事だろ、と言われるのかなあ」となかばあきらめ顔だ。
もうひとつ、石川県の知事選に応援に行った件も、アメリカ・イスラエルによるイラン攻撃が始まった直後でもあり、普通の感覚からすると、このような状況下に総理大臣が地方選挙の応援を優先することに疑問をもつ人は少なくないと思われます。3月13日付の記事で小田尚氏はこう述べています。
「300議席超の無双状態」でいっそう孤独に…時が経つほどボロが出る高市氏、首相経験者が明かす"政権の危うさ" | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
……気になったのは、高市首相が3月3日の衆院予算委で、自らの1月の衆院解散のせいで「非常に国会日程が窮屈になった」と認めつつ、「イラン攻撃もあり、予算の予見可能性は一層高めるべき時期でもある。何とか早期の成立をお願いできたらと思う」と述べたことだ。ここでイラン情勢を持ち出すのか、と思わざるを得ない。
首相は2月28日夕、米・イスラエルがイランを攻撃した直後にもかかわらず、石川県知事選の現職の馳浩氏を応援するため、予定通り、政府専用機で羽田空港を出発し、午後6時半ごろ、金沢入りしたのだ。演説で「イランで大変なことが起きている。それで飛行機に乗るかどうかだいぶ迷った」としつつも、2021年の総裁選出馬時に推薦人に名を連ねてくれた馳氏への恩義を優先したのだろう。
首相は、北陸新幹線で帰京し、午後10時過ぎに官邸入りし、国家安全保障会議を開いたが、攻撃開始から7時間以上が経ち、イランでは多くの邦人が危険にさらされていた。
3月8日投開票の石川県知事選は、自民、維新両党が推薦した馳氏が、前金沢市長の山野之義氏に敗れた。首相は激怒したと伝えられる。馳氏の力不足が大きいが、与党内からは「高市人気で選挙に勝てるという神話が崩れた」という見方も出ている。
3月9日の衆院予算委で、中道改革連合の小川淳也代表は「第1報から出発まで40分あった。なぜ出発を取り止め、官邸の危機管理センターから指揮を執らなかったのか」と質した。これに対し、首相は「移動中も機内蔵の秘匿通信回線や携帯電話を通じて、リアルタイムで報告を受け、必要な指示を出し続けていた」と反論したうえ、「夜には会議を開催しており、他国と比較しても日本の初動は迅速だった」と自分を正当化した。
これは危機管理の問題なのだが、首相には自らの「不適切な対応」が見えていないのだろう。地方選挙の応援という政務と米・イスラエルのイランへの軍事作戦への対応という公務のどちらを優先するのか、それが国民の目にどう映るかが問われているのである。……
城本氏は高市首相は「謝罪が苦手(な女)」と書いています。岩盤保守の支持はつなぎとめられるかもしれないが、それでは多くの国民の納得を得ることは難しいだろう、と。
内閣支持率が全然気にならない首相はいないと思います。高い支持率がそのままということはもちろんあり得ませんし、60%前後ならまだ高いレベルなので、通常ならば、まあこんなもんでしょと思うのでしょうが、スタートがあまりに高かっただけに、高市首相の場合、メンツやプライドが邪魔をして、「元」に戻さないといけないなどと焦りださないともかぎりません。それにもし、予定されている日米首脳会談でトランプから法外な要求を突き付けられ「窮地」に立たされたら、「汚名挽回」で余計な事をしでかさないか、不安はあります。
⇩よろしければクリックしていただけると大変はげみになります。

社会・経済ランキング
![]()
にほんブログ村
にほんブログ村