ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

「労働市場改革分科会」会合開始

 3.11から15年の昨日、高市政権肝いりの日本成長戦略会議の労働市場改革分科会が初会合を開催し、「裁量労働制=労働時間規制の緩和」をめぐる議論が始まったとのこと。新聞には、「分科会は労使の代表有識者で構成」とあります。経団連は「柔軟な働き方」の拡大を主張し、連合は「(裁量労働制の)拡充ではなく適正運用」を徹底すべきと反論したとあります。
高市首相が掲げる「労働時間規制の緩和」検討開始 政府会議の分科会 | 毎日新聞

 同じ件を取り上げた東京新聞の記事をたまたま見かけたのですが、見出しに「働く側の代表は1人だけ 「もっと働かせたい」経営側に寄り過ぎでは?」とあります。これだと11人からなる委員の大半は「経営側」のような印象を受けますが、実際のところはどうなのか。疑問がなくもないので、わかる範囲で少し調べてみました。
「働き方改革の見直し」始めるのに、働く側の代表は1人だけ 「もっと働かせたい」経営側に寄り過ぎでは?:東京新聞デジタル
https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/001670953.pdf

(分科会長)   厚生労働大臣
(分科会長代理) 厚生労働副大臣/厚生労働大臣政務官
(構成員)
 石﨑由希子(横浜国立大学・教授)
 伊藤 仁 (日本商工会議所・専務理事)
 片岡 剛士(PwCコンサルティング・チーフエコノミスト)
 近藤 絢子(東京大学・教授)
 坂本 貴志(インディードリクルートパートナーズ・研究員)
 神保 政史(日本労働組合総連合会・事務局長)
 中根 弓佳(サイボウズ・執行役員、人事本部長)
 藤原 清明(日本経済団体連合会・専務理事)
 水島 郁子(大阪大学大学院・教授)
 室賀 貴穂(九州大学大学院・准教授)
 山田 久 (法政大学経営大学院・教授)

<補足>は裁量労働拡大推進・賛成、は反対・慎重
 石﨑氏:労働法専門。障害者雇用の促進に取り組む。報告なし。
 伊藤氏:通産省から特許庁長官、日立製作所の執行役常務。
 片岡氏:労働経済専門。三和総研(現三菱UFJR&C)、日銀政策委員会審議委員。
 近藤氏:労働経済学専門。就職氷河期世代や既婚女性の就業など研究。
 坂本氏:労働経済専門。厚労省入省後、官庁の月例報告など担当。
  (*総論賛成で各論で難点ありを指摘といったスタンス)
 神保氏:電機連合会長。去年から連合ナンバー2の事務局長。
 中根氏:サイボウズは業務効率化や組織改革を手掛けるIT企業。報告なし。
 藤原氏:数日前に経団連事務総長就任(内定)が決まったばかり。
 水島氏:労働法専門。労働時間法制を研究。今回報告なしだが、他で書かれたものを見る限り、裁量拡大に賛成しているわけではないようですが。
 室賀氏:労働経済・経済工学専門。労働参加・教育・結婚などの研究。女性人材の活用など「柔軟性」に言及していますが、裁量拡大については不明。
 山田氏:人的資源管理(←嫌な響きがありますが)専門。住友銀行から日本総研。

 現状わかる範囲で「色付け」すれば、労働裁量制に賛成=5か6、反対=2か3、現段階で不明=3か4 です。現実的に賛成と反対が拮抗するような人選を官側がするとは思えませんので、まあ、こんなところだろうなと思います。その意味で、東京新聞の記事に誤りがあるわけではありません。ただし、「働く側の代表1人だけ」に焦点を当てようとする記事(記者)の認識からすると、委員の大半を占めている「有識者」の「素性」をどこまで押さえて書いているのか、疑念もあります。

 もちろん新聞記者が自分で調査・検証したことがすべて記事になるわけではないでしょうし、また、それができるわけでもないとは思います。それでも、この件については、今後の議論の方向と焦点がわかるよう追跡記事を書いてほしいと思います。もしまた法改変まで進めば、再び「不幸」な事態を招く危険性大です。



⇩よろしければクリックしていただけると大変はげみになります。

社会・経済ランキング
にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
にほんブログ村