ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

核保有(すべき)発言は一発アウトでしょ

 自宅の近くに大銀杏があります。毎年黄色くきれいに色づいてくれて、しばらく秋の深まりを感じるのですが、一点だけ問題なのは落葉するということでして(笑)、位置関係や風向きからして一番被害を受けるのは我が家なもので、庭に散乱した葉っぱはともかく、側溝を埋め尽くしてしまった葉っぱは何とかしないと、大雨でも降ると大変なことになってしまいます。今月に入ってからだんだんと葉が散り始めて、先日ようやく葉がすべて落ちたようなので、正月を前に、一念発起して側溝さらいを敢行したのです。
 ところが、落ち葉に混ざって、あちこちからたばこの吸い殻が出てきます。全部で20本は優に超える本数で、すべて同じ銘柄なので、誰かが車にたまった吸い殻を捨てて、それが風や雨水で拡散したと思われます。道路を挟んだお向かいさんの側溝は、うちの垣根が壁になって銀杏の葉っぱは目立ちませんが、その代わりにマクドナルドの容器や包装が散乱しておりまして(ついでだから拾っておきました)、世に不心得者が多いとはいえ、資本主義というか、商品社会(の野放図さ)がこうした行為を助長していることを痛感します。

 今朝の新聞には、繁華街のポイ捨てを減らすために、コンビニや自販機の設置者にゴミ箱の設置を義務付ける条例が制定されているという記事がありましたが、人が集まる観光地で(商売をするのではなく)普通に暮らしているみなさんの困惑を想像します。オーバーツーリズムもそうですが、商品を通じてしか関係をもたない「匿名社会」で、こうした行為を防ぐには、厳罰に処するとか、監視カメラを設置するとか、いささか短絡的な対処法に陥りがちですが、もう少し教育的側面というか、心理的・人格的に「囲い込む」方法からも何か妙案を考えないといけない気がします。もっとも、残念ながらゼロにはできないと思うので、ガチガチに考えて、成果が上がらないとダメみたいな発想では、ストレスがたまってしまいますが。
くらしナビ・ライフスタイル:自販機、コンビニにゴミ箱義務化 東京・渋谷区、罰則付き条例成立 | 毎日新聞

 今朝の新聞を見ていて、最も目が留まった記事は実はこれではなく、首相官邸で安全保障政策を担当する一人が、非公式の場とはいえ、個人的見解として「日本は核保有すべきだ」と記者団に述べたという、扱いの小さな記事です。オフレコを理由に発言者の名前が伏せられていますが、ネット上には実名が上がっています(担当者が十人も二十人もいるわけではないので当然ですが)。毎日新聞では、記事の横に首相の任命責任を問うという内容の社説が掲載されていますが、はっきり言って、これは一発アウトのレベルでしょう。安易に口にしたものであろうが、熟慮の末の発言であろうが、「非核三原則」を国是とする日本政府で、これに反する認識を持っている者が首相らとともに安全保障政策にかかわるのは許されないことです。もし、高市首相が罷免しないのなら、首相本人も同じ認識だということになりますから、日本国の首相を務める資格自体が問われます。自分の台湾有事発言の後始末と同様のごまかしは通じません。自らの責任で即刻更迭すべきです。
官邸安保担当者が核保有発言 非公式の場で持論展開 野党は辞任要求 | 毎日新聞
社説:官邸内から核保有発言 問われる首相の任命責任 | 毎日新聞

 高市自身、「非核三原則(持ち込ませず)の見直し」に言及するなど、発言の下地をつくった責任が大いにあります。
高市首相、「非核三原則」見直し議論へ 「持ち込ませず」が焦点 | 毎日新聞
 
 高市は「強い」「強い」を連発します。思うに、子どもの認識じゃあるまいし、お山の大将で威張っていたいんならともかく、人はふつう成長とともに物理的な腕力が強くてもダメだということに気づくものです。人を威圧するためにしかならない腕力はただの暴力でしょう。いっときお山の大将だった者といえども、あるときからは腕力でなく、知力や人格を磨かないといけないことに気づきます。人々の勘違いから内閣支持率が高い今の状況を、自身の「強い」発言が信任されていると勘違いされても困るのです。

 今朝の新聞には、まことに「正論」と思える投書が掲載されていました。国民の命や生活を背負う一国の首相として、「強さ」とは何なのかをもう一度考えてもらいたいものです。
みんなの広場:「台湾有事発言」首相は撤回せよ=僧職・中山道・95 | 毎日新聞

 高市早苗首相の「台湾有事発言」は、日中間の政治問題のみならず、多方面にわたり多くの国民を巻き込んで甚大な被害を及ぼしている。私には素朴にして大きな疑問がある。
 それは、首相自身も認めている「つい言い過ぎた」発言なら、なぜ撤回しないのか。どこの誰であれ、本意ではない失言なら、まずは撤回するのが筋だろう。そのことが問題解決への近道でもあるはずだ。もしも撤回できない確たる根拠があるのなら、発言者自らが国民に対して説明すべきである。これが、国民のために働くことを連呼した首相の責任でもあると思う。
 そんな中で高市内閣の高支持率が報じられている。これらの有り様を目にするにつけ、不条理が正義となる戦争時代を生きた一人として、「いつか来た道」再現への糸口とならないか、不安が募るばかりである。
 戦死した子の遺骨抱き泣く母に「非国民」の罵声飛ぶ世に戻すまじ。



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