フランス南部のピレネー山脈にある村で、ここを遠足で訪れたイスラエル人観光客(多くが8~16歳)が施設地への入場を拒否され、施設管理者が8月21日、「宗教に基づく差別」の疑いで警察に拘留されたという記事を目にしました。
イスラエル人観光客の入場拒否、「宗教差別」容疑で施設管理者拘束 仏 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
去年京都の旅館が、宿泊予定者がイスラエルの軍関係者であったことから、イスラエルのガザにおける戦争犯罪を理由に、宿泊予約をキャンセルしたことがあり、イスラエル大使からの抗議(旅館のマネージャーの解雇要求)のあと、マネージャーが解雇されたことがありました。去年、このとき解雇されたマネージャー(ホテル支配人)のインタヴュー記事をブログで取り上げたことがあります。
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旅館業法を見ると、宿泊を拒める場合は、当人の伝染病のほか、違法行為など風紀紊乱のおそれがあると認められるときなどで、法律上は当人の「国籍」を理由に拒否はできません。しかし、イスラエルだから拒否するとされた場合、これを「反ユダヤ主義」なる差別思想と一緒にするのは不適切、というか「悪質」だと思います。「反ユダヤ主義」と「イスラエル批判」は別物です。「反ユダヤ主義」と称すれば、相手に「差別=罪悪」の魔法をかけ、自分たちは無謬だと言わんばかりです。何というあくどさでしょうか。
イスラム研究者の宮田律(おさむ)さんは、去年のNoteの記事中で、同様の「拒否事例」を次々と挙げています――パリで、ケファロニア島(ギリシア)で、モルディブで、マドリードで、ハノイ(ヴェトナム)で……。宮田さんは、最後にこう書いています。
イスラエル人観光客を拒否する論理は反セム主義ではない|宮田律
……こうしたイスラエル人観光客拒否の動きをイスラエルの「ハアレツ」紙などは「反セム(ユダヤ)主義」という表現を使うが、ヨーロッパの飲食店が"Zionist-free zone."という表現を使うように、ユダヤ人そのものを拒否する性格のものでなく、あくまでガザで非人道的な攻撃を行うシオニズムに基づくイスラエル国家のふるまいに対する拒絶や抗議を表す反応だ。
(2024年)19日、国際司法裁判所は、1967年の第三次中東戦争以来続くイスラエルの占領政策が国際法に違反し、イスラエルは占領地における入植活動を停止する義務があるという勧告意見を出した。イスラエルが国際社会のルールを守り、パレスチナ人の人権を尊重し、パレスチナ人との共存に努力を払っていくならば、世界がイスラエル人観光客を拒否したり、フーシ派がイスラエルをドローンで攻撃したりすることもない。イスラエルはその安全を確実にする方途を根本的に誤っていると言わざるを得ない。
ガザ地区は現在この上もなく悲惨な状況です。もし、小生が何か商売をしていて、イスラエルの人が食事でもサービスでも何かを頼んできたら、あなた今のガザの状況をどう見ているのかと、尋ねてしまいそうです。そして、その答え次第では、宮田さんが列挙した人たちと同じく、悪いけど別のところに行ってくださいと言ってしまうでしょうし、もし、「今のイスラエルのやり方には自分も異議があるが……」と答えたとしても、「わかりました」という気持ちにはなかなかなれないと思います。
イスラエルへの怒りで頭がおかしくなりそうだ - 読む・考える・書く
最終的にこの蛮行や惨劇を止められるのはイスラエルの国民だという気持ちには今も変わりはありませんが、日本など、外国だから何もできない(やらない)としたら、イスラエル世論はこのネタニヤフ政権の殺戮政策をこのまま容認し続けるでしょう。世界中の人から白い目で見られている――イスラエルの普通の人たちに普通の感覚を呼び覚ますにはどうしたらよいか。
イスラエルとの国交を断絶したのは、現状ボリビア、コロンビア、トルコで、あとはチリが駐在大使を召還したくらいでしょうか。これではダメです。多くの国が断交宣言かそれに準じる態度を示さないと。それからスポーツの国際大会でも、選手と政治は無関係などと称して、何事もないかのようにイスラエル選手の各種大会への出場を容認していてよいのかと思います。日本もそうですが、特にEUです。「反ユダヤ主義」という魔法、護符も打破しないと。
EU:イスラエルとの協定見直しへ : アムネスティ日本 AMNESTY
<追記>
最新のイスラエル情勢。どうなるか。
イスラエル野党ガンツ氏、統一政府要請 人質解放を最優先に 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News
