今日は千葉県でも40℃を超えるところが出るのではないかと言われています。朝から防災無線で「熱中症予防に努めてください」と連呼しているので、外仕事はセーブするつもりです(夕方少しだけ草取りをするつもりでいますが)。
おかげで午前に少しだけ時間ができました。昨日は新聞を見ていて気になる記事がいくつかありましたが、長生炭鉱の遺骨調査・収容の記事もその一つです。この件は前に1度ブログに書いたかもしれません。千葉県には「長生」という地名があるので(県の中南部に長生村があり、隣接する茂原市とその近辺は「長生郡」と呼ばれています)、「長生炭鉱」という名を初めて知ったときは、千葉県の長生にそんな炭鉱があったのかと「えっ?」と思いましたが、そうではなく、山口県宇部市の海岸にあった海底炭鉱のことでした(無知でした)。最近関東圏でもTVで取り上げられるようになったので、小生同様、ことを知る人が増えたと思いますが、沖合に大きな煙突のような円筒が2本見える海岸の風景は、何度見ても、やっぱり異様というか、ただならぬ感じがします。
長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 - chouseitankou ページ!
2本の筒は坑内の換気や排水のためにつくられた排気筒です。1942年2月3日、坑道の落盤事故により海水が一気に流入し、中で作業をしていた労働者が多数死亡する大惨事となりました。犠牲者183人のうち136人、74.3%が朝鮮半島出身者だったことから「朝鮮炭鉱」と揶揄されていたそうです。
昨日8月4日付け毎日新聞で、ノンフィクションライターの安田浩一さんは次のように書いています。
カルチャースコープ:長生炭鉱の遺骨調査・収容=安田浩一(ノンフィクションライター) | 毎日新聞
……朝鮮人労働者の比率が高いことから「朝鮮炭鉱」と揶揄されていた長生炭鉱は、事故以前も幾度か坑内出水が確認されていた“いわくつき”だった。それでも戦時増産体制は保安基準や安全よりも生産拡大を優先した。
過酷な労働ゆえに朝鮮人労働者の逃亡も相次いだ。(19)39年に発行された特高警察の内部資料『特高月報』(11月・12月号)には、同年10月に長生炭鉱で17人の朝鮮人が逃亡する会社の労務係に捕まり殴打された、との記録がある。日本の植民地主義と朝鮮人蔑視は、職場離脱を暴力で封じ、過酷で危険な労働現場に労働者を追いやった。
国策事業であった以上、国の責任も免れない。だが、誰も大惨事の責任を果たそうとはしなかった。犠牲者を坑内に放置したまま、終戦直後に坑口は閉じられた。炭鉱と一緒に、犠牲者を遺棄されたのだ。
その長生炭鉱でいま、遺骨の収容に向けた潜水調査が進められている。調査に取り組んでいるのは市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」。地元で在日コリアンの人権問題などに取り組む人々を中心として91年に設立された。歴史から忘却されつつあった「水非常」(炭鉱用語で水没事故のこと)の風化を許さず、真摯に向き合うことを目的とした同会は、遺族を探し出し、証言を集め、2013年には事故現場近くの海岸に追悼碑を建てた。これをひとつの区切りと考えていた同会が、さらなる課題を抱えることになったきっかけは、追悼碑の除幕式に招いた韓国人遺族が発した言葉だった。
「これで終わりじゃないですよね?」
追悼碑建立で浮かれていた同会メンバーは、その一言に背中を押された。
「遺骨を探し出し、それぞれの故郷に帰っていただくまでが、私たちの責任なのだとあらためて自覚したんです」(同会共同代表・井上洋子さん)
その日から10年以上を経て、ようやく遺骨収容は具体的に動き出した。クラウドファンディングで資金を集め、土砂に埋もれていた陸上の坑道を発見し、さらに日本有数の水中探検家として知られる伊佐治佳孝さんに潜水調査を依頼した。水没した坑道に潜り、遺骨を探し出す試みである。昨年10月から4回の調査を実施、いまようやく海中の事故現場にたどり着く見通しが高まった。8月6日からは5回目の潜水調査が予定されている。
<以下略>
先日のブログで、「安倍戦後70年談話」の中の「戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」という文言に、「一億総懺悔論」と同様、(国民でなく)政府の責任を曖昧にする含意があるというようなことを書きましたが、これなどまさにその「実例」だと思います。日本政府は今のところ調査の支援どころか、現場に足を運ぶことすらしていません。石破さんは、国会でこの件を質問されたとき、少し前向きなことを言っていた記憶もありますが、具体的に何をするかはわかりません。
明日8月6日は長生炭鉱の潜水調査が予定されているようです。隣県では広島原爆投下から80年の追悼式典が行われます。9日には長崎で、そして15日にも「式典」があります。8月は「戦争」について考える月です。石破さんは首相として何を話すでしょうか。
