ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

関税・関税!より教育・教育!

 トランプ大統領就任から100日が過ぎたようです。トランプ政権の話題で、国内の大事な問題が相対的に小さな扱いになったり、かき消されたりしているという思いがあるので、必要以上に触れたくはないのですが、案の定米国内の支持率は、就任時よりも格段に低下しているようです。
アメリカ トランプ大統領 就任100日 成果強調も反発強まる 支持率は 関税措置を発動 前政権と異なる外交も | NHK | トランプ大統領

 しかし、「不支持」が増えたとはいえ、米国世論の4割程度はなお「支持する」と答えているのは、個人的にはちょっと驚きです。もっと驚き呆れるのは、トランプ氏のSNSへの投稿内容です。NHKの報道によれば、

トランプ大統領は28日、世論調査についてSNSに「この国に自由で公正な報道機関はない。世論調査において、悪い記事を書き不正をする報道機関がある。悲しい」と投稿しています。

とのこと。支持者を意識したコメントとはいえ、まるで「子ども」のようです。「周りがボクのことをいじめる」みたいな。こういう文言の方がアメリカでは同情をひくのでしょうか。日本の石破首相も現在支持率が3割ほどで、一時ぼやいていたことがありますが、もしトランプ氏と同じことをしたら、アホかと思われるでしょう。「悲しい」のは日々振り回される一般の米国民、ひいては世界の人々の方です。

 「自由や公正さ」を強調する大統領が示す教育界への抑圧姿勢にも驚かされます。金曜の昼にテレ朝の情報番組「ワイド!スクランブル」で、現下のハーバード大学とトランプ政権の対立が取り上げられていました。これは小生もご飯を食べながら見ましたが、ハーバードの問題にとどまらず、顔認識のAIツールを活用してデモ参加者を特定し解雇するとか、ひどい話のオンパレードでした。一部引用です。
教育界への締め付け強化 トランプ大統領「反ユダヤ主義」と非難 ハーバード大学と対立

……AP通信によると、顔認識ツールの開発者がAIを用いた情報収集と大規模監視プロジェクトを実行しているという。
 インターネット上の検索可能なデータベースと顔認識ツールを組み合わせ、マスクを着けた人物の特定が可能になる。
 マスクとスカーフで顔を覆ったデモ参加者を特定し、通報。顔全体がインターネットでさらされ、勤務先を解雇される事態になっているという。

教育省廃止へ 学生ローン利用者が苦境に?
 トランプ大統領は教育省“解体”の大統領令に署名した。組織を大幅に縮小し、廃止を目指すという。“宗教教育”強化の改革案も打ち出している。
 トランプ大統領は先月20日、教育省廃止の大統領令に署名した。
 アメリカの教育は、教育行政は基本的に州に委ねられていて、教育省は各種補助金事業・奨学金事業などを担当している。
 教育省“廃止”で学生ローンの利用者が苦境に陥るという。
 アメリカのニュースサイト「アクシオス」によると、学生ローンの利用者は約4000万人。このうち約500万人が債務不履行状態だという。
 トランプ大統領は、学生ローンの所管を中小企業庁に移管すると発表していて、来月5日から債権回収のため、給与差し押さえによる強制徴収を開始するという。
 アメリカの教育長官は、納税者が学生ローン政策の負担から解放されると主張している。

初等教育にも介入か
 さらに初等教育にも介入するのではとみられている。
 アメリカの公立学校は、学校が宗教行為の祈りを主導するのは違憲とされている。一方で、LGBT関連教育や進化論を授業に導入していて、ガーディアンによると、反発するキリスト教保守派を中心に宗教教育を行う私立学校が広がったという。
 さらに、トランプ政権の改革案は、共和党の「政策綱領」によると「私立学校の授業料を払うために公的資金を投入」「学校で祈ること、聖書を読むことを擁護」するというもので、一部の共和党支持者が多い州でキリスト教に基づいた教育を導入するというもの。
 トランプ氏の「学校に祈りを取り戻す」「教育省閉鎖」という約束は福音派の願いをかなえるものだ」と報じている。

研究予算削減 頭脳流出の恐れ
 トランプ政権は研究予算に大ナタを振るっていて、この影響で頭脳流出が進む恐れも出てきている。
 ロイター通信によると、トランプ政権の予算削減にはワクチン接種に懐疑的なロバート・ケネディ・ジュニア厚生長官が率いる保健分野も含まれるという。
 ワシントンポストによると、傘下のNIH(国立衛生研究所)の予算が約40%削減され、HIVや新型コロナの研究資金が凍結された。
 NASA(米航空宇宙局)や気象データを集計分析するNOAA(海洋大気庁)でも人員や予算削減が進んでいる。
 先月27日、イギリス科学誌「ネイチャー」が発表した調査では、研究活動への締め付けを強めるトランプ政権を理由に、研究者の75%がアメリカを離れることを検討しているという。

<以下略>

 米国からの「頭脳流出」はどうも避けられないようです。すでに、欧州や中国も対応に動いていて、たとえばEUへ移住を希望する研究者に対しては1人あたりの助成金を3億2400万円に倍増すると伝えられています。米国は自分で自分の首を絞めているようなものです。

 もうひとつ、これはどこまで本人談なのかわかりませんが、『21世紀の資本』などで知られるフランスの経済学者トマ・ピケティ曰く、「過去の米国の経済的優位性を育んだのは……米国がこれまで培ってきた『教育』なのだと。つまり、教育の拡充こそが米経済再建のためには最重要課題である」という記事もあります。
米経済再建は「関税ではない」大ベストセラー「21世紀の資本」著者の指摘が話題 | Asagei Biz-アサ芸ビズ

 最後に、こんな米国であっても、あらゆる可能性を信じて頼らざるを得ない拉致問題について、被害者家族会が4月29日に渡米して米国政府要人に直接訴えるというニュースも忘れてはならないと思います。これは今回が初めてのことではありませんが、本来(我々の代表として)日本政府がやるべきことであって、このような状況を強いる自国政府をもつことは恥ずべきことと思います。
拉致被害者家族会 一刻も早い帰国への協力求めアメリカへ出発 | NHK | 拉致



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