ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

だってカルト国家なんですもの……

 今の健康保険証を再来年(2024年)の秋に廃止してマイナンバーカードと一体化させるという政府発表には唐突感しかありません。昨日の二番煎じのようで恐縮ですが、お店が客にカードを強要するのに似た、こんな会話が頭に浮かびました。

 店員:お客様、お買い物に便利な当店のJカードはお持ちでしょうか?
 :いいえ。
 店員:おつくりいたしましょうか?
 :いえ、結構です。
 店員:買物のたびにポイントがたまる、大変お得なカードですのよ。
 :いや、そういうの苦手なんで……。
 店員:他のA店やB店でも使えて、これ一枚で済む便利なカードなんですけど。
 :A店とB店のカードはもうもってるから、必要ないです。
 店員:あら、それなら、うちのカードもおつくりになればいいのに。なんで、うちのカードはおつくりにならないんですか?
 :おたくのお店、しょっちゅう情報漏洩してるから、心配なんですよね。
 店員:あら、そんな……。カードの情報は住所・氏名・電話番号に買物履歴くらいなんで、漏れたってたいしたことないですよ。
 :それだけ漏れたら大変でしょ!
 店員:それに、当店では個人情報の管理には万全の体制をしいておりますので、全然心配には及びません。
 :「万全」って、このあいだ、店員しか入れない通用門から人が入ったっていうじゃないですか*
*注議員にそんたく、警備甘く 偽のバッジで中央省庁に侵入 | 毎日新聞
 店員:それは情報管理とは直接関係ありません。店員と同じ服を着ていたから警備の人が見過ごしただけで、そんなことはめったに起こらないので、大丈夫です。
 :大丈夫じゃないよ。勝手に店に入り込まれて、データファイルを持ち出されたらどうすんのよ。
 店員:ずいぶんと心配性でいらっしゃいますこと。でもね、お客様、実は当店ではさ来年からJカードをお持ちでないと買物ができなくなるんですのよ。
 :いきなり、何ですか、それ?
 店員:今のうちにおとなしくカードをおつくりになった方がよろしいんじゃありませんこと?
 :いいですよ、そしたら、A店とB店に行くから……。
 店員:そのA店とB店でも同じなんですの。もうJカードをお持ちでないと今後はお買物ができませんのよ。おほほほ……
 :えーっ!

 10月13日付の毎日新聞に、この件に対するSNSの反響をまとめた記事がありました。
「任意なのに義務化?」 マイナ保険証、SNSで渦巻く不信感 | 毎日新聞

……「利便性が高まる」。河野太郎デジタル相は13日の記者会見で「マイナ保険証」への切り替えを発表し、そのメリットを強調した。だが、医療機関の受診に欠かせない健康保険証とセットで切り替えを迫る仕組みは、カードを取得するか否かを個人の判断に委ねてきた制度を事実上義務化に転換することを意味する。
 これに対し、SNS上などでは激しい反発が見られ、会見が開かれた午前10時以降に投稿が急増。「マイナンバーカード」は一時トレンドのトップになった。2013年5月に成立したマイナンバー法は「住民基本台帳に記録されている者の申請に基づき、その者に係るカードを発行するものとする」(16条2項)と明記しており、その任意性を問題視する投稿が目立った。

 <任意といいながら事実上義務化する政府のやり方は卑劣>
 <カード取得は法律で任意性が担保されており、その原則がないがしろにされるのは「法治国家」として許されない>
 <任意にもかかわらず、普及しないからと事実上強制は理不尽>

 また、目を引いたのが政府の決定プロセスを疑問視する投稿だ。

 <こんな重要なこと議論も精査もなく「もう決めちゃった」で済む話じゃない>
 <国会でいつどのような審議をしたのか>

 実は、マイナンバーカードの普及を目指し、現行の健康保険証を24年度中をめどに原則廃止する方針は6月に閣議決定された経済財政運営の指針「骨太の方針」で打ち出されていた。
 しかし、今回の事実上義務化の発表は唐突感を持って受け止められたようだ。9月の国葬実施が国会での議論を経ずに閣議決定されたことへの不信感も重なり、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令の請求は「慎重に判断」(松野博一官房長官)とした政府の姿勢を引き合いにこんな皮肉めいた書き込みもあった。

 <マイナ保険証と国葬閣議決定で決め、解散命令の請求は「慎重に判断」なのですね>

 情報漏えいの懸念を巡って、政府は「マイナンバーカードのICチップには税や年金の情報や病歴などプライバシー性の高い情報は記録されず、それらの情報はカードからは判明しない。記録される情報は、券面に記載されている情報や公的個人認証電子証明書などに限られる」と説明。「制度、システムの両面でさまざまな安全管理措置を講じており、政府が一元管理することもない」とする。
 しかし、かねてあった懸念の声は河野氏の会見後に再び強くなった。

 <廃止すべきは保険証でなく、情報漏えいなど危険性が高いマイナンバーカード>
 <国民は一方的に情報を握られる>

 こうしたSNS上の強い反応の裏には、そもそも政府への不信感があるとみられ、カードの普及が進まない一因となっているようだ。

 百歩譲って、これを認めるにしても、実際上、環境整備が追いつかないだろうという懸念がいくつも沸いてきます。今だって、病院は長いこと待たされて精神衛生によくないのに、健康保険証を示せば済んでいたものが、マイナンバーの顔認証やら暗証番号やらで、さらに時間を要するとしたら、気の短い人間にはいらぬトラブルのもとになります。
 あるいは、政府はマイナを運転免許証とも一体化させるというのですが、ということは、警察官(それに準ずる取締をする人)は、駐車違反や交通事故等では常にカードリーダーらしきものを持ち歩かないといけなくなります。本当にそんなことするのでしょうか(今警察が使っている免許証の読み込み装置みたいなものはすべて廃棄するのでしょうか、しかも日本全国で)。今の日本が、あと2年でこうした体制を整えられる国だとは到底思えないのです。素人の戯言かもしれませんが、別系統のものを一つにすることを考えると、システム障害を繰り返した、あのみずほみたいになるのではと思えてきます。警察側が免許証との一元化に「抵抗」し、この件が先送りになっていた理由のひとつもここにあるでしょう(業者利権も絡んでいるでしょうが)。

 昨晩のきっこさんのTweetにはこうありました。引用をお許しください。

あまりにも必死過ぎる自民党政権マイナンバーカードの強引な普及、もしかして自民党って、「選択制夫婦別姓」の拒否や、「同性婚」の拒否や、「こども庁」の「こども家庭庁」への名称変更や、イカレた改憲草案の内容と同じく、マイナンバーカードの普及も統一教会日本会議から指示でやってんの?

自民党政権は「2024年までに紙の国民健康保険証を廃止してマイナンバーカードに一元化する」ことよりも「2024年までに統一教会とベッタリ癒着している所属議員を全員辞職させて潔白な議員だけで再出発する」ことを優先しろよ。今のままじゃ日本国民の個人情報が統一教会を通して韓国にダダ漏れだろ?
https://twitter.com/kikko_no_blog/status/1580515157792653312
https://twitter.com/kikko_no_blog/status/1580506830509604865

 自民党政権統一教会との癒着を清算しないでこんなことを打ち出せば、疑いをもつのが当然です(事実でないと誰が保障できるでしょうか)。
 支持率の下げが止まらない岸田政権ですが、支持率が落ちて?ある意味、アベスガよりも強権的な性格が露わになってきた感じがします。こういう国の根幹に関わる制度設計は支持率27%の政権がやるべきことではないでしょう。
内閣支持続落27% 初の3割割れ、不支持43% 時事世論調査(時事通信) - Yahoo!ニュース



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