ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

世の空気 時代の風

 7月8日に安倍氏が亡くなって四十九日。世の中の空気、というか、風向きは、参院選前に比べ、確かに変わったような感じがします。統一教会問題の報道では、TBSの「報道特集」はともかく、日テレ(読売)の「ミヤネ屋」があれほどガンガンやるとは想像もしませんでした。安倍氏の「国葬」に反対の声があるのは、自分がそうだし、まあ当然だと思いつつも、世論調査で反対が半数を超えるというのは、正直驚きでした。身近な人の中にも、統一教会問題や「国葬」を批判的に見ている人がわりと多いので、やっぱりそうだよなあ、自分はマイナーという穿った感じは少し改めないと、と思っています。

 昨日(8月25日付)の「一月万冊」を見ていたら、冒頭で、佐藤章さんが、世の風向きの変化と東京五輪疑惑事件について、概略こう述べていました。

特ダネ解説!五輪汚職問題で森喜朗に疑惑?!安倍晋三から続く自民党VS検察の本当の狙いはどこだ!竹中平蔵も捜査線上にあり。元朝日新聞・記者佐藤章さんと一月万冊 - YouTube

 安倍さんの事件以降、世の中の空気が変わってきたんですよね。季節が動くときに感じますよね、春から夏へ、夏から秋へ、秋から冬へと、今大きく動いているなという。それと同じように、10年くらいの時間のスパンが大きく変わっていくような感じをもつんですよ。山上容疑者が放った銃弾、この銃撃事件が大きなきっかけになっていると思うんです。
 でも、それに合わせるように、いや、その前から、世の中も変わりつつあったと思うんです。どういうことかというと、東京オリンピックです。コロナの最中にオリンピックの開催は無理だというのが大方の世論だったのに、これを無理矢理に開いてしまった。これには多くの人が心中非常に大きな違和感をもったわけです。実際開いてみたら、開会式などは非常に安っぽいものに見えた。もちろんスポーツの祭典なので、人間の極限のドラマが展開され、その視点で眺めれば、人間を深く大きく揺り動かすところはあります。けれども、それをとりまく日本の政治社会や経済界の動きが何とも安っぽいということを、みんな感じてしまった。そこで「これはおかしいぞ」という社会の空気の流れ、気流の変化が生まれてきた。
 その象徴例がアオキです。本来であれば、選手団のユニフォームなどは、日本のアパレルの老舗有名企業が担当するだろうと、そうなれば、みんな一応は納得するわけです。ところが、街道筋にある安売りのお店に日本のユニフォームを一任すると聞くと、何か違和感がある。もちろん、僕も、アオキや流通卸売センターの2着でいくらというスーツの類いを買ったことはあります。でも、日本のユニフォームだからな……というイメージはみんなあるわけです。どうして、アオキなの?と。そのタネ明かしをするように、今、アオキと組織委員会の元理事、電通元専務の高橋治之さんとの関係が赤裸々にわかってきて、ああ、やっぱり、裏でそういうことがあったのね、ということになっているわけです。
 そして、検察の捜査ですね。今進んでますが、東京地検特捜部が行う強制捜査というのは、非常にインパクトがあるんです。権力犯罪を暴くというのは特捜部の使命、役割です。特捜部は「世直し」ということを考えます。行き過ぎた権力者の犯罪行為を強制捜査して、世の中に警鐘を鳴らさなければならないという使命感があるんです。その意味でも今回の五輪疑惑の捜査は重要です。
 もっと言うと、今回の捜査は、小泉政権から安倍政権までの「新自由主義」、ネオリベラズム政策の総決算の意味合いもあります。「新自由主義」とか、ネオリベラズムというのは、簡単に言えば、「自由主義」というのは思想・信条の自由とか、ふつうはよい意味で使われますが、これに新がつくと、大企業とか、この世の中の強い者の自由は認められ、経済的に弱い者とか、社会に出てまだ間もない若者とかには、自由はあるけれども、それは貧乏になる自由があるという意味でしかない。これは、時代的にも、人間社会として持続可能な経済思想ではありません。今は、その転換期なんです。その象徴的意味を帯びているのが、まさに今回の東京五輪疑惑の検察の捜査ということになるんです。

 流れの変化と言えば、中村格警察庁長官は昨日辞任の意向を明らかにしました。警察組織のトップとして、安倍氏の銃撃事件を招いた警備態勢不備の責任をとったものと言われています。しかし、中村氏には、アベ友記者の強姦事件の逮捕もみ消しという重大なる不正があります。もし、自身が警察庁のトップにあることで、安倍氏銃撃を防ぎえなかったとするなら、刑事部長時にこのもみ消しの責任をとって辞めていたら、警察のトップに昇任することはなかったわけで、そうであれば、銃殺事件も起きなかったかもしれません(意味のない仮定と想像ですが)。

 それでも、組織の「けじめ」のような力学が働き、トップが「責任」をとる分だけ、警察は「まとも(普通)」な方です。この点で、最後の最後まで、「けじめ」がつけられないのが、政界であり、自民党かも知れません。逐一例を挙げたら切り無く出てきますが、たとえば山際大志郎大臣などは、ふつうは即刻罷免でしょう。外国の集会で自分が壇上に上がっている映像を見せられてもなお、行った記憶は無いけど、自分かも、などと言ってるのですから、もし、本当にそうなら、国会に来ている場合ではなく、病院で診てもらったほうがいいです。
山際大臣「報道を見る限り私が出席したと考えるのが自然」旧統一教会関係の会合出席めぐり「覚えていない」連呼も | TBS NEWS DIG (1ページ)

山際 大志郎 on Twitter: "昨晩’やまぎわ政治経済勉強会’を開催いたしました。 三原じゅん子参議院議員を講師に迎え、女性活躍についてお話し頂きました。 また、山際からはネパール出張等、最近の活動報告も致しました。" / Twitter

「報道を見る限り私が出席したと考えるのが自然」!――政治家が、毎日毎日こんな醜悪な言い訳をさらして責任逃れや居直りばかり続けていると、社会が澱むというか、閉塞感に蔽われます。中には、こんな論外な言い訳をまねするような輩が出てくるかもしれません。日本の子どもたちが毎日毎日こういうのを見せつけられてどう感じるか、少しは想像してほしいものです。

 以下のせやろがいおじさんの動画を見て、子どもたちはまねをするのではなく、笑ってくれると思いたいのですが……。
臨時国会を拒否する言い訳を参考にすれば、きっと先生に怒られないはず! - YouTube




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