ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

「8.20 報道特集」を見て

 昨日(8月20日)の夕方、TBSの「報道特集」を見ました。統一教会問題を掘り下げるという「触れ込み」だったので、うっかり見逃さないように、録画予約までしました(笑)。番組注目の萩生田衆院議員(自民党政調会長)と教会とのかかわりをまとめた部分は、すでにWebに記事が上がっていて驚きました。改めてすごい時代になったと思います。

 統一教会と政治家のかかわりについては、祝電から講演、会費の支出まで、濃淡がありますが、萩生田氏について言えば、当人がどう言い繕っても、親密度の点で関係の濃さは否定のしようがないと思います。萩生田氏と元信者の発言(証言)を並べてみると、それは明白です。以下、概略を引用します。

“一緒に日本を神様の国にしましょう”自民・萩生田光一政調会長が旧統一教会の関連団体で講演していた記録を独自入手【報道特集】(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース

 萩生田氏は、生稲晃子参議院議員とともに参院選の公示直前に旧統一教会の施設を訪問していたことを認めている。曰く、
 萩生田:地元の支援者の中にボランティア活動を熱心にやっている皆さんがいらっしゃって、その方たちが国連NGOの(世界平和)女性連合の会員の皆さんでした。その関係者のご縁で今回、……施設を訪問することになりました。
 その世界平和女性連合に、萩生田氏の資金管理団体と自身が代表を務める自民党支部が2012年から2019年の間で計6回、あわせて9万円を会費として支出していた。しかし、訪問した施設の名前はわからないという。
 萩生田:お名前はちょっとわからないのですけれど、八王子の子安町にある施設でありまして。
……今回、正直申し上げて、統一協会の昭和の時代の関連(霊感)商法などのことは承知していた。その後、悪い噂を聞くこともなかったですし、そういった報道に接する機会もなかったものですから、正直申し上げて、その団体と統一教会の関係というのは、名称は非常に似ていますので、そういう思いはあったのですけれど、あえて触れなかったというのが正直なところです。

 萩生田氏は、2014年10月11日、八王子市芸術文化会館で行われた世界基督教統一神霊協会が主催のイベントで来賓挨拶の欄に名前を連ねていた。民主党政権時代の2009年から2012年、落選中だった萩生田氏は教会を頻繁に訪れていたと、八王子教会の職員だった元信者は証言した。
 元信者萩生田光一議員が来ていました。自民党が政権とるまでは月1とか月2回とか、結構来ていました。教会に実際来て、教会長の隣に座って説教をするみたいな感じ。選挙じゃなくても挨拶回りの一環で教会には来ていました。
(当時を思い起こして、この元信者が描いた八王子教会の礼拝堂の内部のイラストを示して)VIP対応で萩生田さんはされてますね。司会の人が教会員に対して萩生田議員が来るので盛大にお迎えしましょうと言って拍手でお迎えする。私たちからすると萩生田議員が来たということって教祖が来たぐらいのお迎え度合いだった。……(萩生田氏は登壇する際、向かって左側にある)ご父母様という教祖の写真(文鮮明氏と韓鶴子氏の写真)があるんですけど、そこに敬礼していました。
 自民党が政権取らないと、日本がもう滅ぶ的な話は、神様の計画で自民党が担っているみたいな感じで、それは教会長的な方が言うのですけれど。(萩生田氏は)それに便乗して、あなたたちの信仰で、日本の未来がかかっているから死ぬ気でこの自民党を復活させてほしいだとか、自民党を応援してほしいと言われていた。萩生田さんはその『ご父母様』と言うのですけれど、教祖のこと。私(萩生田氏)もご父母様の願いを果たせるように頑張るから、皆さんも一緒に頑張りましょう。一緒に日本を神様の国にしましょうみたいな、そういう風に言っているから、萩生田議員が政界に必要だと(信者は)思っている。そうやって言ってくれるから。自民党を応援するっていうよりは、神様の計画を達成するためにやりますという教会員が多かった。教会員はそのためにやっていたと思います。
(イラストにある「カメラ、録画禁止」について)教会員と政治家の間でもその関係性を公開するというのが絶対的タブーだった。統一教会員もそれはわかっている話。自民党と繋がりがあるということは、私達からは絶対言ってはいけない

 この元信者の証言について、萩生田氏は、
2009年から12年の間に、毎月2回教会を訪れて私が講演をしたり、青年部の皆さんに説教していたと書いてあるんですけど、こういう事実は全くありません」と否定している。

 その他、番組では、2009年から2012年の間に、萩生田氏が旧統一教会の青年部の若者らを相手に講演を行っていた話や、統一教会の関連団体(別動隊!)「国際勝共連合」に所属する人たちが、選挙事務所に出入りしたり常駐したりして、何人も選挙活動の応援をしていたことを紹介しています。

 番組では、萩生田氏の他、統一教会と地方議員のつながりについても取り上げていました。最初は、国だけでなく地方にまで影響力が拡がっていたんだと思って見ていましたが、実際上はむしろ逆に、教会は「将来性」のある地方議員をいわば「先物買い」するかたちで取り込んでいった面が強い気がしてきました。
 萩生田氏は1991年八王子市議に当選、3期10年市議を務めた後、2001年東京都議会議員に当選。衆院議員に初当選したのは2003年です。氏が、どの段階で統一教会と密接な関係を持ち始めたのかはわかりませんが、たとえば、市議選ならば大選挙区制なので、組織票が当落の決め手になるのはまちがいありません。
 もっと言えば、どんな選挙であっても、組織票の効果を最大にするためには、全体の投票率を下げる必要があります。そのために、一般の人々に政治的無関心や嫌悪感・絶望感を植え付ける。「政治的中立性」などという名分を掲げ、政治活動や政治報道に否定的な空気を蔓延させる。裏でこんな謀略が蠢いていたかもしれません。
 この底なしの統一教会とのつながり。日本政治の病巣に思えてきます。




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