ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

「壺」に嵌まった自民党

 今日は短く、筆任せに。
 昨日8月15日には第二次世界大戦で亡くなった方々を追悼する行事が各地でいとなまれ、岸田首相も全国戦没者追悼式で式辞を述べました。新聞によれば、今日から21日まで岸田首相も「夏休み」に入り、どこかの保養地に宿泊し、ゴルフや読書などをして過ごすとのこと。
首相、夏休み入り | 毎日新聞
岸田首相、就任後初のゴルフで英気養う 17日から家族と静養 | 毎日新聞

 今日、菩提寺で父親の施餓鬼供養というのがあって、合間に甥っ子と話をしていたら、曰く、「岸田さんが内閣改造を9月から8月(10日)にしたせいで、お盆休みを取れなくなった人がたくさんいる」とのこと。甥っ子は霞ヶ関の勤め人ではありませんが、自分の周囲や知人に、この「余波」で急に予定していた休みを取り消した人がいたのでしょう。休みを楽しみにしていた子どもたちに、親として何と弁解するか。「もう、慣れたもんですよ」という苦笑は外向けにはあるでしょうが、子どもに向けて「もう、慣れただろう(慣れてくれ)」とは言えません。小生も、あまり想像力が働きませんでしたが、岸田首相もおそらく、気にしていないから、内閣改造を前倒しできたのでしょう。家族でゴルフを楽しむ合間に、他所の家族のことも少しは想像してくれるといいのですが……。

 その岸田内閣は、昨日(8月15日)、旧統一教会と閣僚や政務三役との関係は「個人の政治活動に関するもので、調査を行う必要はない」と閣議決定しました。しかし、自民党各議員の長年にわたる「一壺運動!」によって、統一教会との昵懇ぶりは度が深過ぎて、議員当人たちの否定にもかかわらず、日々新事実が明らかにされるありさまです。これを調査しないとなると、国民の不信の目はますます厳しくなるでしょう。そもそも「身体検査」をして、とりあえず統一教会の関係者は入閣させないだろうという、多くの国民の事前予想を嘲笑うかのように、岸田改造新内閣は7減7増の「壺七」でした。これが、昨日は、「壺」が一つ増えて「つぼ八!」になったというのですから、何ともはや、笑えない状況です。
新内閣の閣僚に新たな接点 葉梨法相、旧統一教会関連の月刊誌に記事:朝日新聞デジタル

 さて、内閣改造前、経産大臣の留任を強く希望していた萩生田光一氏、「(大臣だと国会に出なければならないため)国会審議で集中砲火を浴びないように」という岸田首相の深慮(自己保身?)を袖にして、「(大臣から外すなんて)俺は(政権の)骨格じゃないのか!」などと息巻き、何とか党政調会長に滑り込みました。統一教会とのかかわりについては、松尾貴史さんがTwitterで「ど壺」といってますが、「関連団体のイベントに参加した(だけ)」と言明したとたん、実は「関連団体」ではなく「統一教会本体」だったことがすぐにバレてしまい、統一教会との「壺仲良し」の過去は否定できません。それを無理矢理に否定しようとするので、統一教会側の関係者から、何と、(萩生田さんは)「“家族”同然だ」という話が漏れてきました。8月16日付デイリー新潮より。

萩生田光一政調会長、生稲晃子氏の選挙支援を統一教会に要請か 教会関係者は「萩生田さんは家族同然」 | デイリー新潮

信者にとって萩生田氏は「家族同然」
……「今さら、統一教会との関係を一切なきものにしようだなんて、人間として薄情すぎやしませんか。以前は、礼拝を兼ねた日曜日のバーベキュー大会にジャージ姿で駆け付けてくれたりもしてたんです。萩生田さんが来ると、やっぱりその場がパッと盛り上がるし、みんなそうやって楽しく過ごした時間を覚えています。信者たちからすれば“家族”同然だと思っていたんですから」
 地元八王子の政界関係者によると、毎年クリスマス・イブの前後に八王子市内の宴会場で、統一教会の関連団体である「世界平和女性連合」が主催するクリスマス会に、萩生田氏の秘書は必ず出席し、本人も夫人同伴で何度か顔を出していたという。

生稲氏の支援を統一教会に要請
 萩生田氏と統一教会の関わりは、先の参院選にも影響を及ぼしていた。
 東京選挙区で初当選を果たした元おニャン子クラブのメンバー・生稲晃子氏。彼女の擁立工作を主導した萩生田氏は選挙中、生稲氏を伴って八王子市内の統一教会関連施設を訪ね、支援を要請していたというのである。この件について、生稲氏の事務所に質すと、
「八王子での演説終了後、演説を聞いていた方から、“ここに来られなかった仲間が近くにいるので生稲さんのお話を直接聞かせてもらいたい”とのお話しがあり、スタッフが相談をして次の日程への移動の合間に(教会の施設に)立ち寄らせていただきました。その際に(演説の)現場にいらっしゃったご地元の萩生田先生に同行していただきました」
 萩生田氏は生稲氏とともに施設に立ち寄ったことを認めた上で、自身と教会の関係については、
「選挙の際、当方から支援依頼をしたことはなく、選挙戦のお手伝いをしていただいた事実はありません。旧統一教会が主催する礼拝やバーベキューに参加した事実はございません」
 と回答した。……

 自民党議員が関係を否定すれば否定するほど、こうやって統一教会側から揺さぶりをかけられるわけです。噂によれば、統一教会側から派遣された選挙スタッフや秘書と議員の間には、醜聞ネタが転がっているようなので、これを小出しにされるとなると、今後は統一教会とは一切関係を断つなどとは、怖くて、ますます言えないということでしょう。

 岸田首相も休んでいる間にいろいろと手を考えるとは思いますが、「壺」に振り回されるのでなく「壺ふり師」になれるかどうか。本人以下にそういう気はないのですから、国民次第ではあります。 




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