ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

小田原と吉祥寺 夏

 今度の日曜に投票日が迫る参院選。今、選挙戦たけなわですが、二つの演説の動画を見ました。短い場面が切り取られたものだということには留意しなければいけませんが、一方には、落胆、他方には、快哉です。

 まず、アベシンゾーの元秘書官で、あの千葉県の加計大学の客員教授を努めたこともある、神奈川の井上義行自民党候補の7月1日、地元小田原での演説の模様。HOM55さんのTweetに上がっているものです。引用させてください。
※追記:7月1日ではなく、6月22日の出陣式での話でした。訂正します。
https://twitter.com/HON5437/status/1543152278357495808

……今まで2000年培ってきた家族のかたちが段々と他の外国からの勢力によって、変えられようとしているんです。核家族だ、核家族だ、個々主義だ、こういうことを言っている。そして、どんどんどんどん……。僕はあえて言いますよ! 同性愛とか、いろんなことで、どんどん可哀想だと言って、じゃあ、家族ができないで、家庭ができないで、子どもたちは、日本に本当に引き継いでいけるんですか? しっかりと家族を生み出し、そして子どもたちが多く日本にしっかりと産み育てる環境を私たちが今つくっていかなきゃいけないと思いませんか、皆さん。(拍手、そーだーの声、壇上で拍手する元高校教員義家弘介自民党衆院議員)その戦いでもあります。しっかりと訴えて、井上義行、がんばってまいります。……

「同性愛とか色んなことで可哀想だと言って…」自民比例・井上義行候補の発言に波紋 | ハフポスト 政治

 恥ずかしながら、小生も、杉田水脈式に同性婚を認めたら子どもがいなくなる式の「生産性」論理に絡め取られそうなときもありました。全員がやったら社会が成り立たなくなるようなことを認めたら、「タダ乗り」と同じだ、それを社会として認めるべきではないのでは……と。しかし、同性婚に関して、少数が多数になり、「主流」になることなどあるのか。そもそもその「主流」とは一体何かと。「主流」になることが「幸せ」に生きることになるのかと問うていくと、逆に、「主流」になることを強要する社会に生きることの方が不幸を招くように思えました。「主流」で安穏としている側だって、何かあれば、すぐ「主流」ではなくなるかもしれない。そう考えれば、あらゆることに関して寛容な社会である方が、すべての人にとって好ましいはずです。

 それはさておき、井上候補の話は根拠のないデタラメが多いですね。「2000年培ってきた」とか、「同性愛が可哀想」とか、人前で話をするのなら、党内で配付されているらしい特定のイデオロギーに染まった冊子ではなく、本屋や図書館にある、もっとまともな歴史書を読んで勉強された方がいいと思います。だいたい「外国からの勢力」って何?です。
 それから、フランスなど、出生率が上がった国の少子化対策に学ばずに、子どもを産み育てる環境を「しっかりと」つくらなかったのは自民党政権ですから。今までの反省がない上に、具体策を何ら述べることもなく、調子のいいことを言うのは、やめてほしいです。

 さて、井上候補とは全く関係ありませんし、比較するつもりはないのですが、たまたま目にした以下の演説は痛快でした。立憲の菅直人・元首相がTweetした、妻君・伸子さんのこの応援演説、候補者にとっては確かに「最強」の応援かもしれません。
 7月3日、東京・吉祥寺の演説の一部を起こしたものより、引用をお許しください。まったくその通りだと思います。
https://twitter.com/NaotoKan/status/1543535660736598017

……そして、あの安倍・菅さんと一番親しいのは、維新の松井さんです。同じことを考えている。私は松井さんがね、「私たちは野党第一党を目指す」と言ったとたんに、テレビに向かって「与党第二党を目指してるんでしょ」って言ったんです。あの人のどこが野党なんですか。ここにマスコミの方はいませんか? あ、そうなの? 国民民主党だって、あっ、ごめん(笑)。
国民民主党だってね、予算案に賛成して、(内閣)不信任案に反対した人が、これがどこが野党なんですか。与党の枠の中に入れて報道してください。日本はマスコミが弱すぎるから、こんなことになったんですよ(辻元、蓮舫候補ほか拍手)。マスコミが弱いから、あの安倍をつけあがらせて日本を悪くしたんですよ(大拍手)。
 どうやって変えますか、本当に。だけど、これは皆さんの力で変えられるんです。ここの武蔵野市を見てください。今日、市長さんと都議さんが来ているけど、こういう人たちを選べば、あんな腐ったことにはならない(拍手)。……




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