ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

文通費問題は「パンドラの箱」?

 維新議員の「告発」から始まった国会議員の「文通費(文書通信交通滞在費)」問題。

「文通費」100万円 元熊本県副知事の小野泰輔議員「どう考えてもおかしい」(KAB熊本朝日放送) - Yahoo!ニュース

 あちこちに飛び火し、「ブーメラン」になって「告発」元の維新に戻ってきている様はお粗末そのものだが、これにムキになって火に油を注ぎ炎上させている元維新代表の姿はもはや何と言ったらよいものか。

「哲学系ユーチューバー・じゅんちゃん」さんが11月15日付公開の動画で、この維新の炎上模様を喝破していて痛快だった。
以下、一部文字に起こしてみる。

橋下徹が燃料投下しすぎてこのままでは維新の会が火ダルマになる - YouTube

 …一連のやりとりを見ていると両者の温度差がやっぱり見えてくる。それはですね、維新の議員たちは文通費で騒いで、それにスポットが当たって耳目を集めて大騒ぎする。大衆のルサンチマン(支配者に対する怨恨、妬み感)を回収するってことが一番やりたかったことなんでしょうけど、政党交付金みたいな自分たちの活動原資とかに深入りはして欲しくない。しかし、親分(橋下徹)がもう外野になって好き放題言って、空気を読んでくれないんで、文通費もそうだし、海外派遣費もそうだけど、やっぱり政党交付金ももっと切り詰めろよな、というかたちで言ってくる。文通費も無駄だよな、という具合にかなり過激なことを言うもんだから、それはさすがにちょっと…という具合になり始めているのが、僕が見ていると実態だと思っていて、「橋下先生、それは言い過ぎですよ」と親分に対して言える人はまだ誰もいないんですけど、その何も言わないというところから(真相が)見えてくると。…一方で維新は「身を切る」とか「既得権益の打破」とか、そういうことを述べつづけないと存在意義を失う政党なんですけど、それに深入りすると自爆するという致命的な弱みがあるということを今回改めて押さえておく必要があるんじゃないか。
<以下略>※太字下線は当方が施した。

 そしてこの「自爆」というか「致命的な弱み」について、何と、維新の元議員でもあった(現在はN党)丸山穂高・前衆議院議員が自身のTwitterで「収支報告書」を貼り付けて「告発」している。「毎月何百万もじゃぶじゃぶ使っている組織活動費の件も、使い道全て公開すべきでは?」と。

丸山 穂高 on Twitter: "なお吉村知事がブーメランなのかw 維新は、税金なんだから使い道を公開すべきと主張するなら、本部の政党交付金から国会議員団へ税金が流れて、掴み金で馬場議員や遠藤議員が毎月何百万もじゃぶじゃぶ使っている組織活動費の件も、使い道全て公開すべきでは?税金アジャースというなら別ですけどね〜。… https://t.co/jIC0nJMuum"

「政治資金オンブズマン」共同代表で神戸学院大学の上脇博之さんがTwitterで短くコメントしているが、まず問題は、何に遣っているのか、そして、何に遣う(べき)金かということだと思う。

上脇博之 on Twitter: "文書通信交通滞在費と歳費の区別ができていない維新支持者。自民も。文書通信交通滞在費は働いた結果として交付されるのではない。これから働くために交付されるもの。日割りにするかどうかよりも重要なのは、政治活動には使えないとの厳正な基準と使途の公開、残金の国庫返還、返還逃れ防止。"

ひとつ気になったのは、こういう問題ではだいたい腰が重いはずの自民党が、この件については意外にすばやく火消しに走ったこと。自民党茂木敏充幹事長は16日の記者会見で「全額支給されることは違和感がある」と指摘し、新人議員らに自主的な返還と寄付を求める考えを示した。

文通費、自民党も寄付を検討。「全額支給は違和感」と茂木幹事長 | ハフポスト

 飛び火すると「やばい」ことはいろいろあるとは思うが、こちらの想像の域を越えるものがありやなしや。領収書なしで税金使い放題の「最高峰」は、もちろん官房機密費だと思うが、ひょっとしたら、もっとすごいものが控えているのではと疑ってしまう。文通費問題は「パンドラの箱」なのかも。これは返還や寄付などでごまかされてはいけないと思う。

<追記>
「リテラ」(11月16日付)を眺めていたら、2015年10月6日にニコニコ生放送で配信されたという、大阪維新の会のトップ:橋下徹松井一郎・吉村洋文3名の鼎談でのやりとりが載っていた。参考のため、これも該当部分を引用しておく。

当時、吉村氏が橋下徹に文通費について笑いながら「もうちょっと内緒にしといてもらったら(笑)。完全に第2の財布ですから」|LITERA/リテラ

※れいわの大石あきこ衆議院議員Twitterにはこの部分の動画もある。大石さん、やるなあ。
https://twitter.com/oishiakiko/status/1460746923594313729


 吉村「何も信念とか理念とか『こういうことやりたい』っていう思いがないまま当選しちゃうと、勘違いするって言い方悪いんですけど、こんな待遇になるとなかなか抜け出せないし、議員は辞めれないと思いますね」
 橋下「それで給料だってね、普通に民間人になってそれだけ稼げるメンバーが国会議員に何名いるかと言ったらねぇ。2000何百万貰って、しかも毎月100万円? 経費をもらうわけでね。文通費ね」

 ここで橋下氏が文通費の問題を持ち出すと、すかさず吉村氏は、間髪入れずにこうつづけるのだ。

 吉村「でも、文通費の公開。あれは本当、市長と幹事長がいいところに目をつけたというか、ウィークなところ突いていただいて(橋下氏と目を合わせて笑い合う)」
 橋下「うん(笑)。あれ、だって地方議員は政務調査活動費で……」
 吉村「もうちょっと内緒にしといてもらってもねえ(笑)。もうちょっと内緒にしといてもらったら(笑)。あれ(文通費)、完全に第2の財布ですからね」
 橋下「あれね」
 吉村「まあ、維新の会、維新の党は公開するっていうのでもう公開してますけど、あれを公開しないとこは本当にもう第2の財布で、飲み代や何やに消えてるでしょうねぇ」
 橋下「それで税金もそこかかってないわけですからね」
 吉村「そうです。だから税金がかからないああいう所得……所得じゃないんですけど。僕らは弁護士やっていろいろ会社の経営の方とか見ますけど、あり得ないですからね。税がかからず自由に使っていいお金。それが税金だっていうのが、あれはおかしいし、第2の財布になってると思いますね」
 橋下「でも、それをいままでの国会議員が『改革だ、改革だ』って言ってる国会議員、誰一人それを変えようとせずにね、結局、僕と知事が『これ、おかしいやないか』って言って」
 松井「ワーワー言ってね」
 橋下「ワーワー言って変わったわけだよね」
 吉村「あれ、国会議員からしたらもう大迷惑だと思いますよ(笑)。『そこは言わんといてよ』っていう。『そこは言わんでええんちゃうん?』みたいなところやったと思う。でもそこはあるべき姿と思いますね。やっぱり税ですんでね」




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