ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

総選挙をハロウィーンに 「投票日おめでとう!」

 アイスランド在住の小倉悠加さんの連載記事「こちらアイスランド」を読んだ。
 先週9月25日の日曜日にアイスランドでは総選挙があったようだ。盛り上がりの方は「アイスランド的」にはいまいちで、投票率は史上ワースト2位ということだが、それでも何と80%! 日本も何とかせないかんぜよ、という数字だ。

 どうすれば日本の投票率を上げることができるのか?――「投票日おめでとう!」と「仮装行列」というのは「ハッピー・ハロウィーン!」ということかと笑った。以下、「鮫島タイムス」に掲載された記事より引用を許されたい。

こちらアイスランド(42)議会政治発祥の地の合言葉は「投票へ行こう」ではなく「投票日おめでとう!」〜小倉悠加│SAMEJIMA TIMES

<従前略>
日本の投票率を上げたい。上げる一助になりたい。
私にできるのは、アイスランドではどうなのか?を伝えることだ。アイスランドを手放しで礼賛している訳ではない。けれど、学ぶべきヒントはあるだろう、と。
その手始めに、選挙前日の政見放送のことをツイートした。政策内容ではなく、ルッキズムで申し訳ないとは思いつつ、首相のワンピースや野党の女性党首のことを書いた。それが冒頭のツイート*だ。

* 9月25日付Tweet
アイスランドの総選挙。投票日は明日。今日は国民全員が政権放送を見てる状態。現職のカトリン・ヤコブスドッティル首相。あのさ、日本は少しでも年取ると膝上スカートNGとか言うけど、首相も膝上だからね!そこじゃないと言われそうだけどさぁ。<写真付>

それを面白いと思った鮫島さんが、すかさず以下の記事を出してきた。これまたびっくり。さすが先鋭ジャーナリスト、温かそうな湯気がたつうちに料理して出してくる。

究極の投票率アップ作戦は「仮装して選挙に行こう!!」〜投票率80%!当選者のほぼ半数が女性!野党はアイスランド総選挙に学べ│SAMEJIMA TIMES

それにしても「お祭り」の「仮装行列」とは突拍子もない!
でもまぁ、核心はそういうことだ。日本では不謹慎と言われることも、所変わればで、アイスランドでは特に問題ではないし、選挙を盛り上げようという試行は歓迎される。小中学校や高校では、擬似投票も行われる。

ツイートにも書いたとおり、アイスランドの選挙日には「なんとなくいい雰囲気」「参加しなくちゃという空気」が漂う。本当にそうなんですよ、これが。
選挙前は各政党ともに「仕事帰りにビールで語り合いませんか?」と政党本部に人を集め、気軽に政治家と話ができる場を作る。ビールに加えて「ワッフルやコーヒーをご用意してお待ちしてます」という政党も。子供連れも大歓迎。上から目線での「演説」はない。あくまでも対等に話をすることが目的だ。

9月7日付Tweet
レイキャビク市長とビールでも飲みながら話そうよ、という政党の宣伝。パーティー券など売らないし、ただ酒を飲みに来るだけでもオッケーというか、そういう雰囲気でざっくばらんに政治家と話ができる機会は日本にだってあっても悪くないはず。選挙を数週間後に控えたアイスランドの日常のひとこま。

さて、ここで問題です。以下の3件のツイートに共通して出てくる言葉は?ちなみに最初のツイートはレイキャビク市長、二番目は作家(精神科医)、三番目は20代のサッカーファン。
<略>
正解は「Gleðilegan kjördag」。
そう言われてもなんのこっちゃですがぁ、これを日本語に訳すと「投票日、おめでとう」。

……
「投票日、おめでとう!」
なんか投票行きたい気分にならない?なるよね!
「おめでとう」の言葉。「よかった」というニュアンスがある。おごそかな喜びを秘める。投票日はおごそかでありながら、喜びの華やぎがあり、誰もが祝うべき日なのだ。
私は適切な日本語の存在を無視して使うカタカナ英語や、「GO TO」などの横文字標語が大嫌いだ。選挙に関しては「GO VOTE 」ではなく、「投票日おめでとう」を強く推薦する。

改めて考えれば、投票は権利だ。それも権力者だけが社会を司るのではなく、個人個人、ひとりひとりの意見を汲み上げるために、先人が苦労して勝ち取ったシステムだ。特に女性の参政権は、日本では75年前にやっと実現した。
政治は、政策は、みんなで参加するものだ。この基本中の基本を、私は和田ちゃんの本で改めて認識した。政治を心から遠ざけてはいけない。自ら近づき、自ら動かそうと心がければ、必ず動くようにできている。それが投票という行為。
ちなみにアイスランドは議会政治発祥の地だ。地球の割れ目として有名なシングヴェトリル国立公園は、議会政治発祥の地として世界文化遺産に指定されている。現在、世界的に議会政治が広まり、私たちが投票の権利を持つのも、ぜ〜んぶアイスランドが先陣を切ったおかげだ、ありがとう!って持ち上げ過ぎ?

<以下略>

 知恵者や仕掛け人を「向こう岸」に行かせてしまってばかりではいけない。




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