ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

自民党総裁選と「世論」

 昨日、自民党の総裁選が終わり、千葉県の自民党員・党友の開票結果がわかった。
河野太郎の圧勝だったことがわかる。

【速報】自民総裁選党員票、千葉は「河野氏」圧勝 2位は高市氏 | 千葉日報オンライン

 河野太郎  1万0617票(48.05%)
 高市早苗    4939票(22.35%)
 岸田文雄    4712票(21.32%)
 野田聖子    1778票( 8.05%)
   無効      52票( 0.23%)
 投票率66.16%

※全国の一覧はこちら 
https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/news/information/202062_2.pdf

 ちなみに都道府県別に比例配分された全国の党員算定票(総票数382)は以下のようになった。
一時の勢いが下火になったとも言われるが、やはり河野が断然優勢である。

 河野太郎     169票(44.24%)
 岸田文雄     110票(28.80%)
 高市早苗      74票(19.37%)
 野田聖子      29票( 7.59%)

【自民党総裁選】党員票でも河野氏が伸び悩む/党員・党友票の内訳一覧 - 社会 : 日刊スポーツ

 ところが、「予想通り」と言うべきか、国会議員票(総票数382)は次のようになった。

 河野太郎      86票(22.51%)
 岸田文雄     146票(38.22%)
 高市早苗     114票(29.38%)
 野田聖子      34票( 8.90%)

自民党総裁選 1位 岸田氏と2位 河野氏の2人で決選投票へ | 2021自民党総裁選 | NHKニュース

 何と河野は、岸田どころか高市の後塵まで拝する結果となり、岸田との決選投票で敗れたわけだが、全国の党員と国会議員との間にはけっこうな意識の乖離があると想像される。もちろん投票した自民党員が国内世論を代表しているわけではないが…。
 おもしろいデータもある。グリーン・シップという調査会社が9月25日に電話調査を行い、次の総理にふさわしいと思う人物を立憲民主党の枝野代表を加えた5名から選んでもらったという。それによると、

 河野太郎  45%
 高市早苗  21%
 岸田文雄  17%
 枝野幸男  11%
 野田聖子   6%

 となった。
さらに、支持政党別に「次の総理にふさわしい人」を聞いた結果も興味深い。第1位・2位となった人を見ると、

 支持政党      第1位     第2位     
 自民党      河野太郎    高市早苗 
 立憲民主党    河野太郎    枝野幸男
 公明党      河野太郎    岸田文夫
 共産党      枝野幸男    河野太郎
 日本維新の会   河野太郎    高市早苗
 国民民主党    岸田文夫    河野太郎
 社民党      枝野幸男    河野太郎
 れいわ新撰組   高市早苗    枝野幸男

自民党総裁選最終盤情勢と、政党支持別「次の総理にふさわしいと思う人」調査の驚くべき結果とは(大濱崎卓真) - 個人 - Yahoo!ニュース

 これを見ても国内世論(支持政党を有する人々)は圧倒的に河野太郎支持だった。それを自民党の国会議員総体は覆した格好である。

弁護士の宮武嶺さんは29日付のブログに次のように書いている。

市民に人気がなく、安倍晋三氏が影で操っていることが明らかな岸田文雄氏が自民党総裁になったのはチャンスだ。まともな野党共闘は国民不在の自民党を攻めまくれ。 - Everyone says I love you !

2021年9月29日、私が3週間余り前に予言した通り、決選投票で安倍晋三氏らも岸田氏に乗っかり、岸田文雄総裁が誕生。
 はあ、うっとおしかった!!www
<略>
9月6日に私は
自民党議員7人だけを候補に「次の総裁」ではなく、「次の首相」は誰かを世論調査した共同通信に呆れる。パワハラ河野太郎、軍人石破茂、優柔不断岸田文雄、極右高市早苗、全員ダメでしょ! #政権交代
という記事を書いて、その中で

「今回の自民党総裁選挙は、候補者同士の争いというよりも、キングメーカーは誰かという争いです。
 安倍前首相と麻生副総理が推すのが高市早苗氏。二階幹事長が推すのが石破茂氏。菅総理が推すのが河野太郎氏。
 決選投票になったら当て馬の高市氏を捨てた安倍氏と麻生氏が推すのが岸田氏。
 だれがなっても本人の実力では切り回せず、前に出られない人が影の総理となる、どうしようもない総裁選だと思いませんか。」


と書きました。
 石破氏の代わりに出馬したのは野田聖子氏でしたが、概ね私のような素人でもこうなるとわかっていたのに、なぜ、全紙が自民党員・党友や自民党国会議員だけの世論調査をして、誰が総裁になるか動向を探るようなバカなことをしないといけなかったのでしょうか。
<略>
不幸中の幸いは、トンデモ極右の高市氏でもなく、独裁者気質で弱肉強食の河野氏でもなく、よく言えば穏健、悪く言えば優柔不断な岸田氏が自民党の総裁になったこと。河野氏やまして高市氏が次の総理大臣だったら地獄でしたww
 そして、世論調査で断トツに人気のあった河野氏が決選投票で自民党国会議員からは支持されず、木っ端みじんになったことで、自民党が国民世論とはかけ離れた体質を持っていることだけは明らかになりました。
 岸田氏には市民が河野氏に望んだ行動力や発信力は乏しいわけですし、その背後に安倍元総理と麻生大臣という闇の勢力がいて操り人形なのも明らかです。
<以下略>

 その結果かどうか、断定はできないが、この日、東京市場の株価は大きく値を下げた。

日経平均続落、639円安の2万9544円 自民総裁選受け下げ幅拡大も: 日本経済新聞

市場では「決選投票は派閥の影響力が大きい。事前に積極的な政策論争が行われていたにもかかわらず『結局は派閥の論理で決着するのか』との批判から、この先に控える衆院選自民党が苦戦する可能性があり警戒する投資家が多い」(外資系運用会社)との指摘があった。

 スガが不出馬を表明した9月3日(金)から翌週、河野が総裁選出馬を正式表明した9月10日(金)から翌週と、株価は大きく値上がりしているので、市場関係者の期待のありかは想像できる。岸田新総裁は世間や市場の失望を背負って船出することになる。岸田は新総裁就任の挨拶で「岸田文雄の特技は、人の話をしっかり聞くということであります」と言った。国民よりも派閥の長老の話を「しっかり聞く」のが特技では悪い冗談にしかならないぞ、岸田さん!



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