自民党の総裁選など、基本的には勝手にやってろと思って眺めているが、当初「泡沫」「かませ」候補とみられていた高市が、アベの支持する意向が明らかとなるや、俄然▲ダークホースから〇対抗馬に格上げされていく状況には驚かされる。もし、高市を総裁に選ぶとしたら、自民党というのは本当に「泥船」だと改めて思う。加えて「自由」と「民主」の看板は下げた方がよいと、「非自由民主」な議員の皆さん方には改めて申し上げたい。
昨日の「一月万冊」でジャーナリストの佐藤章さんと清水有高さんはこう話していた。
佐藤：高市さんねえ。ちょっと驚くべきことに、清水さんが言ったように、（政策提言のなかで）コロナ対策の話、ほとんど言ってないでしょう？
清水：「サナエノミクス」とか言うてるなかに、難病や感染症について、チラッと触れたかなというレベルです（小生：あとはロックダウンのことくらいかね？）。
佐藤：この「サナエノミクス」ってねえ、バカにするなって感じですよね。
清水：何でもかんでも「ノミクス」つけりゃいいってもんじゃないんだよ（笑）。レーガノミクスのぱくりって、もう古いし…。
佐藤：この「サナエノミクス」なんだけど、金融緩和、それから、財政出動、これ別に珍しくもないんだけど、あと大胆な危機管理と成長戦略、で、三本の矢とかね…。金融緩和って、要するにアベノミクスがやったあの超金融緩和、つまり、株式市場に日銀の資金とか公的年金をぶち込みつづけるという話だと思うんですよ。これを（また）やるっていうのは、ほんとに無責任だと思うんですよ。つまり、かなり前から、どうやって「出口」を見つけ出すかっていう議論がされているのに、それを続けまーすっていうんですから、バカかと思いますよね。それから物価安定目標2％達成。いまだにそんなこと言って、そんなの不可能に決まってるじゃないですか。
清水：これ、経済の構造が変わっている状況で、20世紀の発想なんですよ、ただひたすら金を刷るっていう。高市さんの不思議なところは、金を刷るから福祉を充実させるんじゃなくて、金を刷るけど福祉は削減する。じゃあ金持ち優遇なのかと思うと、金持ちにも増税するっていう。何をしたいんだって。そのうえコロナ対策もやらない、ちんぷんかんぷんにも程があるわーって感じですよ。
佐藤：2％達成するって言ったって、じゃあそのとき国債はどうなってるのかってことですよね。これ、国債暴落するんじゃないですか？
清水：それについては、いろいろ議論があって大丈夫だみたいな話になるんでしょうけど…。
佐藤：でも、無理な物価目標を掲げるのはもうダメだというのは、安倍さんの8年間ではっきりしてるわけじゃないですか。
清水：安倍さんはとんでもなく金刷ってますからね。
佐藤：株式市場に資金をぶち込みすぎて、日銀の経営がどうなるか今まったく分からない状態ですからね。アベノミクス以降、経済学者の反省がいっぱい出ているのに全然見向きもしない、驚くべき人ですよ、この人は。
政策提言の「独自色」といっても、多くは過去の事例の「焼き直し」に過ぎない。だからなおさら、政治家には現状認識と将来展望が問われるはずだが、高市の場合、現状認識がそもそも間違っているし、国民をどこに連れて行くことになるのか、考えが及ばない。…というよりも、ほとんど興味関心がないに等しいくらい空疎だ。初の女性総裁、女性総理大臣以外にウリがなく、ほぼアベシンゾーをトレースしただけの総裁選候補――それが高市早苗ではないか。アベの「出がらし」感がすさまじい。
河井1億5千万問題で検察の捜査を止め逮捕を免れたいアベシンゾーにしても、よくこういう人に「命運」を託す気になったものだ。そんなアベの私事都合に逆らいもせずに、支持に回る自民党議員の方々には、ご愁傷様というほかない。どうぞそのまま沈没して二度と浮き上がってこないでください。
なお、「初の女性総理大臣」について、その資質が疑われることについては、以下の「女性自身」の記事をご覧いただきたい。男（アベ）に媚びる女が総理になって何が変わるか？ ――アーダーン首相から爪の垢でももらってからにしてほしい。
夫婦別姓と同性婚に反対、ネオナチとも撮影…高市早苗の“経歴”に疑問続々 | 女性自身
↓ よろしければクリックしていただけると大変励みになります。
