ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

DaiGO氏と「心の災害」

 「のら猫 寛兵衛」さんのブログを見ていて、メンタリストDaiGo氏なる人物の発言を知った。そういえば、この方、テレビで出演者の心理分析のようなことをしていた人だった記憶がある。ああいう人を「メンタリスト」というのかと、今日初めて知った。
 問題になっている発言の内容を確かめようとしたが、YouTubeがすでに閉鎖されていて視聴できない。新聞などによれば、

 ホームレスについて、「自分にとって必要のない命は僕にとって軽いんで。だからホームレスの命はどうでもいい。いない方が良くない? 邪魔だしさ、プラスになんないしさ、臭いしさ、治安悪くなるしさ。もともと人間は自分たちの群れにそぐわない、群れ全体の利益にそぐわない人間を処刑して生きている。犯罪者を殺すのだって同じ」
 生活保護受給者については、生活保護の人に食わせる金があるんだったら猫を救ってほしい」「生活保護の人が生きてても僕は別に得しない。猫は生きてれば僕は癒やされる」

 などと述べていたとのこと。
メンタリストDaiGo氏が踏み越えた一線 YouTubeの責任は? | 毎日新聞

 差別観と無知(無恥)、傲慢さにあふれ、極めて下劣で不快な内容だ。人としての良識にも攻撃を加えている。ネットを通じてとはいえ、こうした発言が流出し、社会に認知され、人々の間に嫌悪感が滞留することは「災害」に等しい。「のら猫 寛兵衛」さんは「心の災害」と呼んでいるが、深く同感する。

メダリスト?第5波?いえ「メンタリスト」のDaiGoです:のら猫 寛兵衛:SSブログ

コロナ禍では病院の門は狭まって
「自宅療養」 (東京では2万人を突破)
自分の命は自分で守るという
「災害のような」段階と専門家からも言われ始めたが
折しも日本列島は各地で大雨洪水土砂崩れ等々の
大災害に見舞われ始めた
と思いきや
心の災害
とでもいうべき事態も
招来しているではないか

…こういう人物が何百万人も登録者を従え
持てはやされているということは、
同じような考えの人間がこの国にはけっこういるということだろう
日本がどんな国になろうとしているのかが垣間見える心地がする。

…名古屋入管の収容中に死亡したスリランカ
ウィシュマさんの妹は
「この国に人道はない」とも言っている


 DaiGo氏がどういう成育を経てきたのかは知らない。自分を「成功者」の部類だと思っているかどうかもわからないが、能力も才能もあり、努力もしてきた人なのだと想像する。それをよりどころに仕事をするのは結構なことだが、一般論として、自分の才能や努力が「好結果」を生んだと思っている人ほど、それが「偶然」が重なった産物かもしれないという想像ができない傾向がある。また、自分個人のアイディアやオリジナルだと思っているものにどれだけ先人や周りの知恵が注ぎ込まれているのかにも気づかない傾向があると、小生などは感じている。DaiGo氏には、是非そうしたことに考えをめぐらせてほしいと願う。
 そしてまた、今困窮したり、病気だったり、苦しみを抱えて生きている人にとっては、温かな言葉をかけられ、援助されることが、どれだけ希望を与えることになるか、これは徳目やきれいごとではなく、事実として、そうだということをも併せて考えてほしいと思う。日々弱り続けていた父親の介護をしていた者の実感である。



↓ よろしければクリックしていただけると大変励みになります。


社会・経済ランキング
にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
にほんブログ村