ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

財務大臣9年目のアソータロー

 記者側の「質問力」とか「取材力」、要するにツッコミ不足にも疑問を感じないではないが、それにしてもアソータロー氏の一連の答弁はひどい。この人はもうこの国で9年近く財務大臣のポストにある。途中何度か大臣としての責任問題が浮上したが、辞めずに(=責任もとらずに)ここまで来てしまった。こうした言動に、みんな慣れっこになってしまい、ああ、また出た「麻生節」ね、ひどいよな、でも、誰も止められないものな、いちいち気にしててもね…と多くがあきらめている。だが、こうしてアソー氏の言動を放置してきたことが、アソー当人とその周囲を堕落させ、派閥の面々を堕落させ、所属政党を堕落させ、…その果てに国に堕落を押し広げ、今の「惨状」を招いているとも思える。自省を込めて…。

 6月25日の記者会見で、アソー財務相は、「赤木ファイル」の公開について、オーバーラップ(重複)しているものは省いて「ほぼ全部」(出した)と述べたが、同日の午後になって、財務省は(本人ではなく!)「言い間違いだった」として、約33秒にわたる発言部分を削除すると発表した。理財局の担当者も「取捨選択はない。会見の模様を見て、全く間違っていると思った」とアソー発言を否定している。
麻生大臣の「ほぼ全部ですな」は「言い間違い」 財務省、赤木ファイルで33秒の発言削除:東京新聞 TOKYO Web

 しかし、昨日6月29日の閣議後の記者会見で、再度このことを確認されたアソー氏は、「全てをコピーして提出した。抜き取ったものではありません。勘違いしているんだろうけど」などと、あたかも記者側が「勘違い」しているかのごとく言い放った。

 6月29日付東京新聞より引用する。

麻生財務相、赤木ファイル「抜き取ってない」 発言の訂正から一転、記者側の「勘違い」と主張:東京新聞 TOKYO Web

 記者:ひとつのファイルに閉じてあったもの。なにも引かずに、なにも足さずにコピーして開示したもので間違いないか。
 麻生:いまの話は、この間の6月25日の定例記者会見の話を聞いているらしいんだけど、「オーバーラップしてます。というものは省きました」という私の発言が、東京新聞でそういう風にやられている。あなたの見解か東京新聞の見解かしらんけど。
 今般の訴訟に提出した文書の原本は、亡くなった近畿財務職員の赤木さんが、自ら取捨選択をしたファイルをとじこんだものなんですよ。もっと膨大にありますからね。その中から赤木さんが選んで取捨選択したんだから。でしょ?それ、あなた、コピーしたものを書き写してたり、自分がメールしたものやらなにやら。223ページにあったろ。読んでないだろうけど。あったろう?うなづいてるけど、読んでないだろうが。223ぺージにそれあったろうが。
 そういったようなものを含めて、きちんととじこんであると。いうように考えられていることが、私の冒頭にありますから、そういったことを申し上げたんですけど、いまあなたのように捉えた人もいるということなんだと思います。
 改めていっておきますが、今ありますものは出されたものは、赤木さんの出されたファイルをそのまま出していますから。赤木さんはもっと膨大な中から赤木ファイルというものを選んできているわけですから。その中には、ご自分の書かれたものもあるし、そうじゃないものもあると。わかった?それで。あんまりわかってる風じゃないね、その顔は。
 とにかく今般提出した文書については、とじられていた文書を最小限にマスキングした上で、赤木さんがとじられたんですよ、すべてをコピーして提出をしたものであって、赤木さんがとじられていた文書から抜き取ったものではありません。勘違いしているんだろうけど。
 正しく、わかりやすい日本語で言うとそういうことだろ。あなたの質問している意味がよくわかんないんだけど、だいたいそれで答えになってんだろ。あまりわかってるようでうなづいている風はないけど、まあよかろう。

 相変わらずの居丈高。しかし、人間というのはやはりウソを言うと端々にその無理さが出てしまうものだと思う。たとえば、先回「本当にこれは全部なんでしょうね」と念をおされると、「ほぼ全部ですな」とわざわざ「ほぼ」を付けてしまう。また、直後の言い訳に「重複部分は省いたから」と聞かれてもいないことをしゃべってしまう(「重複」がなくとも省いているだろうけれども…)。そして、隙を突いて記者に対して「(開示文書を)どうせ読んでないんだろ」と責めて反転攻勢に出る(不祥事を起こした官庁のトップであるあなたは全部読んだんですか…)。「質問している意味がよくわかんないん」だったら、答えられないのだから確認すればいいではないか(まもとに答える気などないからいいのか…)。最後は、「正しく、わかりやすい日本語で」だの「まあよかろう」だの上から目線で記者を威圧する。防戦一方だった人が最後に「よーし、今日はここまでで許してやろう」と言ってるような滑稽さがある(お笑い芸人のギャグなのか…)。

 よくこんなんでG20とか、G7とか各国の財務長官と会議で長年にわたって席を並べられたものだと今さらながらに驚く。財務長官はどこの国でも相応の能力と実力をお持ちの人たちではないのか。
 日本国の誇りと名誉を重んじる人たち、こんな人が日本国代表で恥ずかしいと思いませんか? これに怒りを感じないとしたら、それはなぜですか?



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