LGBTと自民党＆愛知リコール署名不正

　数日前のブログに、「…知らぬ間にその「価値観」が「倫理観」や「道徳観」に置き換わって善悪の基準などに転化すると、これは「差別観」とどこがちがうのかと思えてくる。」と書いたら、その事態を目の当たりにすることになった。
　自民党は昨日（5月20日）、ＬＧＢＴなど性的少数者に対する理解に向けた法案の了承を見送った。その理由が極めて「反社会的」だと思う。

「いろんな副作用も」ＬＧＢＴ理解増進法案自民部会で紛糾了承見送り｜TBS NEWS

「法を盾に裁判が乱発する」
というのは底意に悪意を感じるが、
「道徳的にＬＧＢＴは認められない」
「人間は生物学上、種の保存をしなければならず、ＬＧＢＴはそれに背くもの」
（これは某議員の発言か？）
……には慄然とした。こんな差別的なことを公言してはばからないのが今の自民党議員の多数なのだろうか。
　確かにこれまでもこの種の発言はあった。場面場面で突発し、相当に批判されてきたはずである。しかし、その後、何も変わっていない。まるであざ笑うかのような発言の連続。驚異かつ脅威である。

　山谷議員は会議後、記者に「女子の競技に男性の身体で、心が女性だからっていって競技参加して、いろいろメダル取ったり、そういう不条理なこともあるので少し慎重に。社会運動化・政治運動化されると、いろんな副作用もあるんじゃないでしょうか」などと述べていたが、心配する観点が本質的にずれているのではなかろうか。競技参加については議論の余地があるかもしれないが、それは各論だ。
　小生には、男ばかりの会社や学校で女性用のトイレや更衣室がないから女性の社員や生徒は採用・入学させるのは「不条理」だと言い張るのとあまり変わらない気がした（前向きにとらえればいろいろな改善策はあるのに、単にやりたくないから理由を後付けしているに過ぎない）。それが本当に「不条理」というなら、そもそも五輪競技に「多様性」なる価値観は不釣り合いだ。即刻そんな看板は下ろすよう求める（そういう五輪なら、やらなくていいと思う）。

　この党の皆々様はアベスガ２Ｆに逆らわず、社会の人たちの声を真面目に聞こうともせず、「反社会的」な言辞を振りかざし、歳費を受け取れば政治屋としての仕事を果たしたことになるのだろう。さすがは「不自由民主党」である。

　もうひとつ。昨日（20日）、愛知県知事のリコール署名の偽造をめぐって、署名活動の実務を取り仕切った「愛知100万人リコールの会」事務局長の田中孝博容疑者とその家族ら3人、計4人が地方自治法違反の疑いで逮捕された。

愛知県知事のリコール署名偽造容疑団体の事務局長ら4人逮捕 | 事件 | NHKニュース

　また、この「リコールの会」代表の高須クリニック・高須克弥院長の秘書が、大量の署名に指印を押す不正に関与していたこともわかったという。

高須院長の女性秘書が大量の署名に指印押す不正に関与か高須院長「何百人もいたそうでその中の1人です」（東海テレビ） - Yahoo!ニュース

　戯言鼎談が思い浮かんだ。

　Ａ：リコール署名が思ったよりも全然集まらないんですよ。100万なんか到底いきません。
　Ｂ：それじゃ、格好つかんじゃないか。どんな手を使ってもいいから、とにかく数だけは増やせよ。
　Ｃ：じゃあ、10年前の市議会リコール署名があるから、これでも使うか？
　Ａ：そのままじゃ使えませんよ。
　Ｂ：アルバイト使って書き写させるかあ。
　Ｃ：アルバイトじゃ、金がかかるじゃないですか。
　Ｂ：しょうがないから、それは僕が出すよ。1,200万円で足りる？
　Ａ：やってみないと分かりませんが、あとは集まったカンパや寄付金で補充しますか？でも、これ、同じ筆跡ばかりでバレませんかね？
　Ｃ：大丈夫じゃろ。選管なんか、そこまで見とらんよ。気がつきゃせんて。
　Ｂ：あっ、でも僕はこれには一切関与してないってことで、よろしく！
　Ｃ：あっ、先生だけずるいなー。わしもよ、わしも……。