ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

二階発言と政局について

 昨日の自民党の2F幹事長の発言が波紋を呼んだ。TBSのCS番組の収録で番組司会者から「中止の選択肢もあるのか」と問われ、

「これ以上とても無理だということだったら、これはもうスパッとやめなきゃいけない」
「オリンピックでたくさん蔓延(まんえん)させたということになったら、なんのためのオリンピックかわからない」

と述べた。党内外でだいぶ顰蹙を買った模様で、その日の午後には「火消し」をせざるを得なかったようだ。

二階氏が五輪中止言及 政府・与党内に動揺「機運低下」 - 東京オリンピック [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
タブーだった中止の2文字 二階氏発言に世界は…迫る決断の時 | 毎日新聞

 とはいえ、3か月前の1月5日の記者会見では、

自民党として開催促進の決議をしても良いくらいに思っている」
「開催しないという考えを聞いてみたいくらいだ」

と怒気を込めて強調していたわけで、これは何かの「観測気球」と見るのが妥当だろう。


 東京新聞の記者・望月衣塑子さんは、

「結局、二階幹事長は五輪中止を決断した勢いで解散か、五輪後の高揚感のあるうちに解散のどちらが勝てるか、天秤にかけているのではないか。」

Tweetした。
https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1382607534440124419

 内田樹さんは、

「首相が訪米してバイデン大統領に「もう止めたら?」と言われたら止めるしかないので、「心の準備」のための予防線を張っているんだと思います。政府が五輪中止を宣言すると「五輪成功の勢いで」衆院選に雪崩れ込むというプランが使えなくなります。……」

Tweetした。
https://twitter.com/levinassien/status/1382621961147150336

 いずれにしても(←最近この接続詞を使うのが極めて不快に感じるが)、全体の流れとして五輪中止はほぼ避けられない情勢にある。開会式まで100日を切っているのに、聖火リレーだけはやってるが、実務にかかわる準備がほとんど進んでいないのである(そもそも医療スタッフの1万人など確保できる見込みはないし、医療従事者にあまねくワクチンを打つ前に一般の(高齢者の)ワクチン接種を始めてしまってどうするのだろうか? それに大会ボランティアの感染対策は……?)。現場の士気は下がる一方で、あまり表には出てこないが、実際の準備状況を知っている関係者の多くはすでに見切りをつけているのである。

CNN.co.jp : 東京五輪まで100日切る、1%に満たないワクチン接種率に懸念 - (1/2)


 こんな中、気になるTweetを目にした。小田嶋隆さんが「古い知り合い」の見立てとして紹介しているのだが、東京都知事が五輪中止を宣言し、その責任をとって知事を辞任し、衆院選に打って出る……というのである。

https://twitter.com/tako_ashi/status/1381924885614616578?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Etweet

 都知事衆院議員に未練があるというのは以前から囁かれていた話だが、最近の都知事の記者会見の映りを見ていて少々引っかかるものを感じていた。「労感」というよりも「労感」。もっと言うと、「投げ出したい感」のような。つまりは、テレビ・パフォーマンスを得意技と自負してきたこの方は、それが政務とは本来関係ないという厳然たる事実、それは政治の重さだと言ってもよいと思うのだが、そういうのにもはや耐えられなくなっているのではないか。だから、都知事の職はもうたくさんだと思っているのではないかという疑念。……まあ、すべて根拠のない主観的な推測に過ぎない。
 ただ、自分から宣言するかどうかはわからないが、オリンピックが中止されれば、自分が都知事にとどまる理由はないと考えるのはおそらく間違いない。そうなると、……。嫌なシナリオだが、小田嶋さんの挙げた1~10、部分的には十分ありそうな話に思えてくる。
 ほんとに、いやだなあ、である。



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